2024/01/03

荒井佑実が2023年を振り返る

普段カレー屋「棕櫚」を営む傍ら、インスタレーションや立体の制作をしている荒井佑実と言います。今年はお店2年目、お店中心の日々で自分の作品としてはほとんど形にすることが出来なかった(やりたいことの種はまいている、だからそう来年こそは)。

一年を振り返ると大きく拡大された時間とそうでない時がある。良し悪しでは無いけど、永遠に続きそうな間伸びした時間もあれば一瞬で終わってしまう時間もあって、それぞれに異なる感覚時間が面白いなと思っている。

時間は直線的ではなくぐるぐる円環して伸びていて、少しずつ広がっていくイメージ。

また一周、戻ってこれたねという安心感。

そして全てはちゃんと繋がっている。

                                  

2023年を振り返るというお題をいただいて、時系列での振り返りは崇くん(共同経営者、夫)に任せるとして、自分にとって強く印象に残っているのは5月末のこと。音も食も衣装も、全て自分たちでオーガナイズした棕櫚の周年と夫婦10年の歩み、お祝いの宴。

かつての友達、つくばに来てから出会えた友達、各地から60人くらい大切な人が集まってくれてご機嫌な一日になった。

大きなものに巻かれず自分たちで選択していく、理想郷を自分たちで創る、そんな意思表示からTalking Headの曲「ROAD TO NOWHERE」をこの日のタイトルにした。

その日NOWHEREをNOW HEREと読み間違った友達がいて、どちらかというと『これまでとこれから』過去と未来に自分は焦点を当てていた気がして、『いま ここ』という現在のこと、NOW HEREが不思議と心地よく響いた。

五月が終わり、夏、秋、冬と季節が巡り 年の終わりが見えてきた双子座満月の頃、再びNOW HEREが自分の中に降りてきた。

何気なく流していたラジオからは『NOW HERE いま ここ』というワードだけが勝手に強く響き、見上げた先には「スナックここ」まで目に入ってくる始末。これは自分の内側からなのか全く違う誰かからのメッセージなのか、不思議な体験ではあるけど自分だけが分かる受け入れの気持ちもあって。

いま、ここに在る自分の身体、現在起こっていることを意識して変化していく年になるんだろうな。

2024年の終わり、また一周して戻ってきた時にはどんな言葉が響くだろう。

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