2022/07/31
『オフショア』第一号
『轟音紙版』第1号−完売しました!−
2022/07/30
JUN YABUKI × PEOPLE BOOKSTORE トートバッグ(小)
2022/07/29
7/29 店日誌
7月29日、金曜日。あまりの暑さか感染拡大か、あちこちで開催されているフェスゆえか……いつも以上に来客が少ないなかにあって、間借り中の〈平凡〉でのお買い物やメール受付での通信販売に助けられている。よく知っている人はもちろん、遠方にお住まいの未知の方、お名前だけが馴染みの方など、みなさん一人一人にお礼を言いたい。
店にいて手応えのない時期はけっこう辛かった。現状の工夫不足は承知の上、店舗営業をながく続けられるよう日々、コツコツ手を入れていこうと思っている。
今日は15時開店、明日明後日は13時開店! お暇があればご来店あれ。
2022/07/28
『季刊 黒猫』夏号(2022)
7/28 店日誌
7月28日、木曜日。暑さには慣れずとも、対処法は工夫したい。しっかり汗をかいたら、着替える。少なくとも2回。多いときは3回。その間に着ていたものを乾かしておく。雨だったり高湿度でなければこの循環で荷物は少なくて済む。キンキンに冷房の効いた空間にいるよりも、多少暑いくらいの場にいる時間を増やしたいなーと思っている(とは言え、店はできるだけ快適に。冷房の設定は大体27℃)。
間借り中の〈平凡〉でもLPレコードの販売開始。まずは、ムスタファ・スカンドラニ『イスティクバルと即興』。少しずつ足していくので、気が向いたときに覗いてみてほしい。送料は600円。
通信販売、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。
2022/07/27
『…AND LONG LIFE』
7/27 店日誌
無限に広がり続けるウェブ世界から離れ、じっくり腰据えて読む。「オフショア」は 瞬発力がなくてバズらないけれども、五十年後百年後まで読まれることを目指します。(『オフショア』創刊号・発売のお知らせ)
7月27日、水曜日。まもなく創刊される文芸誌『オフショア』の刊行案内にある一節に触れて、姿勢を正した。自分も似た気持ちを持って店を営んでいるつもりではあるけれど、日々の売り上げ、反応に触れて一喜一憂しているのが現状だ。
すぐに売れてしまうものもある。長らく反応が少なく、滞留していたものがきっかけ一つで問い合わせ殺到、あっという間に売り切れたこともある(それこぞバズり現象)。物売り商売ってのは、けっきょく世間の気分次第……と結論づけてしまうと途端に淋しくなってしまう。
そんな中、創刊される雑誌の姿勢に勇気づけられ、励まされた。8月1日(月)刊行される『オフショア』創刊号は当店でも販売予定。好評の『OMK』#001と共にお薦めするつもり。
今日明日、明後日は15時開店! 間借り中の〈平凡〉にも動きあり。
2022/07/26
2022/07/25
7/25 雑記
昨日、日曜日は静かな一日。店にある本で何か読もうと選んで手に取った、小林信彦『おかしな男 渥美清』(ちくま文庫)に引き込まれる。同著者の『袋小路の休日』、『夢の砦』、『1960年代日記』、『日本橋バビロン』と読み繋いできて良かった(当てずっぽうな順番だけれど)。著者の描く60年代の東京にすぐに入っていける。
小林信彦の独白のような文体を楽しみつつ、他者のさりげない仕草から得た印象を言語化する技術に感服する。決して声高にならない語り手としての姿勢に共感している。
その間、店に来た人は数組。ほとんどの顔を思い出せる。ただ、比較的若めのお客さんたちがじっくり棚を見て、本を選んでいった。それだけで、良しとする。
2022/07/24
『世界のはじまり』(四刷)
7/24 店日誌
7月24日、日曜日。新刊、古本、手製のZINEなどなんらかの本、音源を買っていく人がいる。素直に「ありがとうございます」と声が出る。店にしたら当たり前のやり取りなのだけれど、昨日は買い物ひとつひとつにありがたみを感じた。先週末からはじまった、混乱状態を抜け出るきっかけをもらえたような気がする。
開店前に思い立って、近所の憩いの場〈古着屋may〉にガリガリ君を持っていく。店主の細矢さんとアイスをかじりながら、話をする。それだけで気持ちが楽になる。細矢さんはお地蔵さんみたいな存在かも。笑わせてもらった。
今日は13時から19時まで開けています。明日、明後日は連休です。
2022/07/23
『定本 本屋図鑑』
本屋図鑑編集部・編/得地直美・絵『定本 本屋図鑑』が届きました。
表紙に描かれているのは、リニューアル前の〈紀伊国屋書店新宿本店〉。得地直美さんの絵のタッチ、本の柔らかな佇まいに惹かれて手を取る人が多いような気がします。『本屋図鑑』(2013年)と『本屋会議』(2014年)に収録された文章を加筆修正した上で、一冊の本として再構成したもの。索引込みで約400ページ。日本における書店の変遷など、硬めの考察、記事もしっかり収録しています。
販売価格は2200円(税込)。出版元・夏葉社が刊行した書籍、他にもいくつか在庫しています。
『黒人ばかりのアポロ劇場』
どんな人でもアポロとかかわりを持ったことのある人は、ちょっと風変わりなところもあるが、最高にイカした思い出をそれぞれの胸の中にしまっているはずだと思うのである。–フリップ・ウィルソン(「やっぱりアポロはイカしてる」)
ジャック・シフマン/武市好古・訳『黒人ばかりのアポロ劇場』が届きました。
この本、最高! 荷を解いて、手にしたときの第一声。まず、表紙がいい。パラパラとめくって目に入る、目次のフォント、サイズがいい。章(幕)ごとに挟まれている写真も、カッコいい。第五幕「なんでも一度はやってみる」の扉頁がかもす雰囲気、なかなかだゾ。
1973年(昭和48年)にスイング・ジャーナル社から刊行されたものを底本にして、写真と図版を変更した上で訳も一部改訂。吾妻光良の解説を加えた新装版。
7/23 店日誌
7月23日、土曜日。暑い。日差しが強い。歩くのも一苦労。ではあるが、いい加減に元気を出したい。気分のよい音楽を選んで、聴いていく。個性豊かな面々が揃うジャマイカ音楽界のなかでも特に好きな、アーネスト・ラングリン。この人が鳴らすギターの音は身体の奥の方に作用する。YouTubeにある「Sufin’」のいくつかの演奏は、飽きずに何度も聴いている。
先週あたりに手元にやってきた、ソウル・フラワー・モノノケ・サミット『レヴェラーズ・チンドン』(1997)もまた素晴らしい。力強い「解放盆唄集」。6曲目の「安里屋ユンタ」が流れると心身の縮こまった部分がぐーんと伸ばされるようで、気持ちがいい。
今日、明日は13時開店! 通販などのお問い合わせは、お気軽に!
2022/07/22
『Space Apartment House』
Ishida Kanako『Space Aprtment House』が届きました。
昨年刊行された離婚アンソロジー『心がなければ幸いだ』(当店完売!)を手がけた編集グループ「SAME OLD SERENADE」の新作は、イラストレーター・石田加奈子の原案を小説化したもの。石田さんが繰り返し夢で見てきた話、風景をテキストとヴィジュアルで再現した本。確かな意味を掴もうとせず、話の中に入ってしまうと、楽しめるような気がします。
7/22 店日誌
7月22日、金曜日。ようやく、気持ちが楽になってきた。少なくとも、店にいて、座っているだけで気が塞ぐ状態ではなくなった。どんな人にもいい顔ができるわけがない。ってことを改めて認識して、まあ、淡々とやっていこうと思い至った。過度な期待はせず、されず、バランスを取って綱渡りしていけたらいい。
店の状態、売上に意識を向けすぎると、いいことはない。そうならずに、ここまでやってこれたのが幸運だったのか。自分が呑気過ぎたのか。好き放題、感覚的な選択だけでやってこれてしまったわけだし。……さて。これから、どうしていこうか。
今日は15時開店。明日、明後日は13時開店。週明けの月曜火曜は連休です。
2022/07/21
『New Games/Rhythm&Sound』(LP)
西川文章の録音&ミキシング、Rashad Beckerのマスタリング&カッティング、五木田智央の装丁という布陣でおくるミラクル物体。
goat『New Games/Rhythm&Sound』(LP)が届きました。
以下、リリース元のレーベル〈EM records〉による解説文をそのまま転載します。「日野浩志郎(YPY)が率いるインストゥルメンタル・グループ、ゴート(goat)初のヴァイナルLPアルバムは、1st『New Games』と2nd『Rhythm & Sound』のベスト・パフォーマンスを再編成したLP版独自の選曲。ベルリンのDubplates & Mastering(Rashad Beckerがゴートのファン)でマスタリングして研ぎ澄まされたサウンドは再生音量が大きければ大きいほど本領を発揮する」。
7/21 店日誌
投票に行こう! と訴える前に、自分で考えよう! と呼びかけるべきじゃないのか、この現状。小さなことでいいじゃないか。まずは自分なりに選んでみる。興味があるなら一人でも動く。そういうことから始めてほしい。
今日、明日は15時開店。通販などのお問い合わせはお気軽に。
2022/07/20
7/20 店日誌
7月20日、水曜日。三連休明けの営業日だった昨日、やはり店は静かだった。やはり、なんて書くと暇なのは予想通りでこんな状況はわかっていた、という風に受けとめられるかもしれないけれど、そんなことはない。いまだに開店前はどきどきだ。お客さんは来るのだろうか。うちの店は忘れられていないだろうか。心配し始めれば、キリがない。
ただ、心配や不安を表明するのは得意でない。できるだけいつも通り、無闇なやる気は出さずにシャッターを開ける。定位置に座って本を読んだり、インターネットをのぞいたりして過ごしている。何事もないような顔をして。
人がいない朝。なんとなくいつもより早く店に来たとき、急に店内の荒れが気になる。本をあちこち入れ替えたり、埋もれていたものを掘り出したりして、整える。少しずつ、店の表情が変わっていく。たぶん、そんな日々を重ねていって、個性めいたものが生まれていくのだろう。
今日は猛暑日とのこと。無理せず、ゆっくり過ごしたい。
2022/07/19
『夏なんです/砂の女』(7inch)
井の頭レンジャーズ『夏なんです/砂の女』(7inch)が届きました。
自由自在なレゲエ・カバーで知られる、井の頭レンジャーズの初期の名演(レンジャーズ・クラシックス)が嬉しい再発! イントロからぐいっ引きこむ「夏なんです」は、平成~令和の酷暑をあらわすようなルード&タフな演奏。「砂の女」の軽やかな響きもクセになる。正統派ハモンド・レゲエ・チューンのダブルサイダー。
『Smells Like Teen Spirit/Summer Madness』(7inch)
井の頭レンジャーズ『Smells Like Teen Spirit/Summer Madness』(7inch)が届きました。
欧州でヒットしたシングルの再発盤。大ネタのスキンヘッド・レゲエ・カバーをA面に、クール&ザ・ギャングをロック・ステディ化したものをB面に収めた7インチ・シングル。ストレンジな雰囲気をたたえる2曲、ポップなようでアクの強いアレンジにニヤリとしたら、軽業師的なレンジャーズの虜ということ。
7/19 店日誌
7月19日、火曜日。朝、目が覚めると身体が重い。暑い日が続いているからか。湿度の高さが影響しているのか。寝付きもよくない。調子わるいなーと感じても、どうにか起きてラジオ体操を終える頃には身体も軽くなってくる。絶好調とは言えなくても、食べて歩けて、最低限でも仕事もできる。まあ、こんな感じの日が続くのもしかたない。今、この時期は少し凹み気味なタイミングってことで。
入荷以来、好評の植村正美『これが私の、』は今週中に再入荷予定。他にも小さな新刊、音源など面白いものが届くはず。間借り中のオンライン・ストア〈平凡〉にも上げていくので、ご注目あれ。
今日は通常営業。来週の月曜火曜、25日26日は連休です。
2022/07/18
『Starlight Serenade/Summer Saudade』(7inch)
LITTLE TEMPO『Starlight Serenade/Summer Saudade』(7inch)が届きました。
酷暑かと思ったら梅雨に戻ったり、心身ともに疲れのたまる時期を癒やしてくれたのは、『LOVE MAX』。メロウでポップなメロディで身体をやさしく撫でてくれるから、つい何度も聴いてしまう。そのアルバムからのシングルカット、7インチ。
大きな星空を思わせる「Starlight Serenade」をA面、ブラジル音楽っぽい切なげなイントロから、弾けるようなポップなメロディに展開する「Summer Saudade」をB面に刻んだもの。ともに「Tico&Ryuhei」(名コンビ!)による作曲。
7/18 店日誌
7月18日、月曜日。連休ムードに疲れてしまった。久しぶりの三連休、フェスついでに立ち寄る人、遠方から訪ねてくれる人、なじみの面々……と、昨日は多くの方がご来店。店をぐるっと見てまわって帰る人がいればガサガサ、ゴソゴソ奥の方まで探っていく人もいる(埃だらけだし、大したものはないんだヨ…)。場所や物に対する気持ちの方向がそれぞれ過ぎて、ただ座っているだけで体力が奪われた。
引き続き好評の『OMK(ワンメコン)』#001、LITTLE TEMPO『LOVE MAX』(CD)、HAPPFAT『MELT3』(CD)、『passin’ me bye』(CD-R)が近日中に再入荷予定。本格的に温度が高くなる時期、これらがあればちょっと楽しく過ごせるはず。
今日は13時から18時まで開けています。お暇があれば、お運びあれ。
2022/07/17
2022/07/16
2022/07/15
7/15 店日誌
7月15日、金曜日。まだ、梅雨は明けていなかった。そうだとしても、気象庁をせめるつもりはない。かつて、自分たちが子供だったころの季節感は通用しないのだ。幸いにも自分は、通勤や帰宅で人混みにもまれることはない。雨が降ったら傘をさして歩くか、雨具を着て自転車を走らせればいい(友人の車に乗せてもらうことも、ある)。いざとなったら濡れればいいのだ。心持ちだけは、極力カラッとさせておきたい。
発売以来、好評で現在品切れ中! LITTLE TEMPO『LOVE MAX』(CD)は連休中には再入荷できるはず。9月発売のLPを心待ちにしている人もいるとは思うけど、CDとLPとでは別の作品(もちろん、サブスクリプションでも)。音が違えば、曲順も異なる。どちらも聴いてみてほしい。
世間的には、明日から三連休。店はやすまず開けてます。
2022/07/14
『フィールド・レコーディングの現場から』
彼らは、そして自分は、フィールド・レコーディングの何をおもしろがっているのか。なぜフィールド・レコーディングするのか。フィールド・レコーディングを聴くとき、私たちは何を聴いているのか。(「まえがき−フィールド・レコーディングの現場」)
津田貴司・編著『フィールド・レコーディングの現場から』が届きました。
2年前に刊行された『風の人、木立の人』に続く、津田貴司による編著作。フィールド・レコーディングをテーマにした7人とのやり取り、52枚のディスクレビュー、7つのコラムで構成された本書には章ごとの余韻があるように思います。周囲の音へ意識を向けながら、少しずつ、読み進めると味わいが増すのでは。
販売価格は2420円(税込)。表紙写真は、〈月光茶房〉店主・原田正夫によるもの。
7/14 店日誌
7月14日、木曜日。ハワイ日和とはほど遠い、もどり梅雨。高めの湿度、灰色の空、降ってないようで舞ってる水滴。雨具を用意せずに歩き出すと、いつのまにか髪の毛はグッショリ。服もジメっと湿ってしまう。少し前の酷暑とはちがった工夫が必要な、ここ数日。週末の天気はどうなるのだろうか。
昨日は新譜音源の入荷が多かった。体裁としては本屋なのだけれど、音楽屋っぽい日々である。『OMK』#001から流れて読みはじめた、Soi48『旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド』に載っている音楽家は未知の方ばかり。これからまた、色々と仕入れてみたいと思っている。
今日、明日は15時開店! 通販などのお問い合わせはお気軽に!
2022/07/13
『LQEDT #01』(CD-R)
LQ『LQEDT #01』(CD-R)が届きました。
Latin Quarter『pattern02』(CD/TAPE)と同時に届いた、謎のミックス。リリース元の〈MAD LOVE Records〉による案内をそのまま引用すると、「ご存じ某日本人プロデューサー(Re-Edit職人LQ)
『pattern02』(CD/TAPE)
自身のMIXやDJの感覚がそのままアルバムに落とし込まれたよ
Latin Quarter『pattern02』(CD/TAPE)が届きました。
昨年4月にリリースされた同名作の続編であり進化盤が、CD/TAPEで同時発売! エキゾ・ダブな雰囲気をまとう「pinwheel」が導入で、ジャケットのタコを思わせる粘着性のあるビート、リズムが印象的な「gravel pit」からストレンジ・ディスコ「fuego dance」、レーベル・メイトのKeita Sano的なハードさを持つ「diagonal hit」の流れに驚かされて、メロウかつピースフルな「last show」に安堵する……全8曲、39分51秒。
『AMULUE』(LP)
7/13 店日誌
7月13日、水曜日。梅雨に戻ったような湿度、空模様。人が生きる上では必要な水。店を営む上では悩ましい、雨。今日一日であれば、久々の雨でよかったと納得できる。ただ、この天気が二日、三日と続いていくと心が塞いでいくだろう。本を読むのに静かな時間、環境をつくれるって意味ではいいのだけれど。
店は人の出入り、物の動きがあってこそ活力が生まれる。人が来すぎても困る。来なさすぎても、困る。ちょうど良い状態なんて、ほとんどない。今日は、どんな風にお客さんが動くのだろうか。
今日は新作音源に入荷あり! 一つずつ紹介していきます。
2022/07/12
7/12 店日誌
7月12日、火曜日。先週の入荷以来、注目する人が多いのは『OMK(ワンメコン)』#001。店頭はもちろん、間借り中の〈平凡〉でもよく購入してもらっている。その他、ZINE『自由なタイ料理 ガパオ』(本日、再入荷予定!)、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』あたりの動きもよい。独立系雑誌『LOCKET』5号や『八角文化会館』8号を手にする人が増えてきた……ような。
その他、古本と中古音源にも日々動きあり。仕入れがあれば、売れてゆくものも、ある。パッと見て気になったのならぜひ手にしてほしい。ほとんどが再入荷の約束はできないもの。
週末の三連休(16日17日18日)はやすまず開けます。25日26日は連休予定。
2022/07/11
7/11 雑記②
……思うに、ある文章がポエムの体裁をとるとき、そこでは何かが隠されようとしている。政治家の言葉が時にポエムっぽくなるのは、都合の悪いことを隠蔽しようとするから。だから「マンションポエムは何を表しているか」ではなく「マンションポエムは何を隠しているか」を問うべきだ。-大山顕(「文春オンライン」2018年12月18日配信記事より)
紀伊国屋書店が発行するPR誌『Scripta』の最新号を出先で見つけて、すぐに手に取る。都築響一さんが連載している「ROADSIDE DIARIES(移動締切日)」を毎回、楽しみにしているのだ。今回は特別編と銘打ち、都築さんご自身のお引越しに関する話が綴られている(普段は主に国内各地での取材、展示などを通して出会う人や場所のことを綴った日記形式)。
記事中で引用されていた、大山顕氏のマンションポエムに関する考察、論考に鋭さを感じて、一部を孫引きした。世間のポエム化は各種SNS(主にインスタグラム)で散見できる。改行の多い、感覚的な言葉の連なり。同じように目につくのがステイトメント的文章。改行の少ないテキストがブロックになっていて、読みづらい。どこか自己満足的な気配もただよう。
読み手の感情(琴線?)をつつこうとする意思ばかりが感じられて、読んでいて、楽しくない。書き手の姿を感じさせてほしいのに、借りてきたような言葉と文体、写真ばかりが使われていて残念だなーっと思ってしまう。
今後、政治家のポエムはどんな具合に表現されるのか。気にしてみよう。
7/11 雑記
遠くの方で起こっていること。その声を聴くために耳を澄ます。確かなことは、信じようとするかしないという判断で、自分なりにきちっとイメージすること。曖昧な知識のまま、友人、知人の言葉だけに耳を傾けていると、寄り集まった安心感だけで、大きな綻びなどは見つけることはできない。(「31(APRIL 2010)」)
朝、手に取った本。永井宏『愉快のしるし』で見つけた一節(付箋が貼ってあるから、前に読んだときにも気になった箇所である)。これが、けっこう文意を読みとりづらい。だけれど、自分の中にある核、物事を考える上での大事な部分にどこか触れている気がする。
「自分なりにきちっとイメージすること」が肝心なのだろうとは、たしかに感じる。ごまかさない。いそがない。時間がかかっても、他者からもたらされる情報、誘惑、扇動に流されず、たとえ置いてけぼりをくらっても自分なりに考えて、確かなイメージをつかむこと。そのためのコツ、ヒントがあるような気がする。
本書『愉快のしるし』は、新装版『雲ができるまで』と同時に再入荷予定。いつ読んでも発見のある本、楽しみに待っていてほしい。
2022/07/10
7/10 店日誌
7月10日、日曜日。オオクマシュウ『世界はいつも』『海の中のプール・空想』を作家本人が納品してくれ、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』を山名さんが直送してくれた。その間に買い取りがあったり、若いお客さん(一人で)が立て続けに来たりと昨日は本の動きの多かった。朝晩は涼しくなったここ最近、来客数が増えてきた気がしている。
6月17日(金)から開催していた、JUN YABUKI Solo Exhibition「LIGHT HERE,LIGHT NOW」は本日最終日。展示会場は〈代官山 蔦屋書店〉2号館1階、建築・デザインフロア。矢吹純は15時頃から在店予定とのこと。お時間があればぜひ足を運んでほしい。
今日は13時開店! サッポロ・クラシックを見ると、つい買ってしまう。
2022/07/09
「ANOTHER SIDE IN THE CITY」
バックパックブックスのポスターやポストカードやグッズのイラストを手がけてくれているYUTAKA NOJIMAの展示を店内にて開催します! 今年4月の〈ABOUT LIFE COFFEE BREWERS〉での展示の”ANOTHER SIDE”となる本展では、4月には展示出来なかった作品や新作を中心に展示。
7/9 店日誌
7月9日、土曜日。終日、動揺がおさまらないままだった昨日。多くはなくとも店に来て、本を選んでいく人がいて助かった。何を話すわけでもない。静かに、本とお金を交換する。インターネットの世界に気が塞いだ夕方頃、外に出てみると風がすごく気持ちよい。空をあおいで、缶ビール。抜群に美味いサッポロ・クラシックを飲みながら、隣の店長・土田くんと話すうち、気持ちが軽くなったような気がした。
入荷時の紹介で「凄い」としか表現できなかった『OMK』#001を読みこんでいる。もう少しで、しっかり言語化して再紹介できそうだ。音、食、衣、住。テーマは多様であれ、一貫した姿勢を感じさせる。間借り中のオンライン・ストア〈平凡〉でも販売中。
今日、明日は13時開店! クーラーをつけず、営業してみようかな。
2022/07/08
『OMK』#001
YOUNG-G(Stillichimiya)、俚謡山脈、
2022/07/07
『PLOUGH YARD 517』
住んでいたキャンピングカーの炎上 、 ホームレスになっても生命力たくましい日常 、 そしてメルビンがずっと心に留めていたウェールズの灯台へのトリップ......。