2022/06/30
『これが私の、』
植村正美『これが私の、』が届きました。
普通に読める日本語の雑誌『トラべシア』を手がける鈴木並木氏のツイートで存在を知ったZINE。書き手の植村さんのことは知らないままに読んで、刺激を受けて、当店でも販売することになりました。文学、映画、音楽、芸能などなどが当たり前に絡み合いながら、綴られた感想文集。文化って、サブ・カルチュアってこういうものだよなあ。
森田芳光、宇多丸、大谷能生、近藤等則、菊池成孔、雨宮まみ、中村明日美子、岡村靖幸、平手友梨奈、松田青子、太田光、五所純子、阿部和重、小林信彦……このうち誰か一人にでも興味、関心を持つ人ならば、読んでみて損はないと思います。
販売価格は200円(税込)。この値段設定にして、堂々50ページ。読み応えあり。
6/30 店日誌
6月30日、木曜日。一昨日、店に来てくれた〈Gallery Y〉(ご近所、天久保一丁目)の細田さんが『八角文化会館』最終号、奥付のスペシャル・サンクス欄にうちの店も記載されていると教えてくれた。その場ですぐ確認すると、本当だ。いくつかの書店と共に載っていた。小さくとも粋な計らい。こういうのって妙に嬉しい。
昨日、その『八角文化会館』を買いに来てくれたお客さんに「これが最終号なんですよ」と伝えると「え!」と驚き「さみしいですね」と残念がった。派手でなくとも、たしかに愛された雑誌なんだなあと思い知った。店頭はもちろん、間借り中の〈平凡〉でも販売中。
今日、明日は15時開店。通信販売、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。
2022/06/29
『BETWEEN ME & THE US』
パスポートを渡して彼女が生年月日に目を通すと「ハッピーバースデー」と陽気な口調でパスポートを返してくれた。明後日は僕の誕生日だった。僕は照れながらありがとうと言ってお店をあとにした。その時の会話が、5年経った今でも映画のワンシーンのように鮮やかに記憶に残り続けている。
濱田紘輔『BETWEEN ME & THE US』が届きました。
2019年発表の『THE LAUNDRIES』(当店完売)の姉妹・兄弟作とも言える本作は、2016年から2018年の間にアメリカ(ニューヨーク~テキサス~ルイジアナ~オレゴン~カリフォルニア)を旅して出会った人や店、その背後にある文化、社会を記録したもの。被写体の多くが穏やかに微笑んでいて、安心感すら覚えるのは撮影者の人柄ゆえか。
日本とは違う空気、湿度を捉える撮影技術。被写体と向き合う姿勢・関係性が写真として結実していて、一枚一枚に作品として成立するだけのクオリティがあるのも驚かされる。
販売価格は3300円(税込)。間借り中の〈平凡〉でも販売しています。
6/29 店日誌
終日、古い日記をひもとく。新発見多し。日記は、やはり、つけるべきだ。(四月三十日(木) 晴)
6月29日、水曜日。数ヶ月、探していた小林信彦『1960年代日記』をようやく見つけた。書き出しの1959年(昭和34年)、小林信彦は26歳。『ヒッチコック・マガジン』の立ち上げの頃。そこから1970年(昭和45年)までのまるごと10年間を綴った日記をひもとくと、かつて読んだ同著者の傑作『夢の砦』で描かれたシーンを思い出す。小林信彦の本、もっと、しっかり読まなければ。
人と顔を合わせれば「暑い……」となってしまう、この数日。遠方からもわざわざ店に足を運んでくれる方がいて、驚かされる。些細なやり取りであっても、声を交わせることが嬉しい。売り切れている、LITTLE TEMPO『LOVE MAX』(CD)は本日再入荷予定。
今日も暑い。無理せず、お暇があればご来店ください。
2022/06/28
6/28 店日誌
ここで畸人というのは「変わり者」という意味ではなく、尋常ではない、素敵な面白い生き方をした人ということである。(中略)機能と効率・管理といった近代の毒にそっぽをむいて、むしろ趣味や飄逸に生きた自在な人が多く、なかには近代化に乗り遅れた人もいる。–森まゆみ(「路上の肖像–あとがき」)
6月28日、火曜日。坪内祐三『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲がり』の次に手に取ったのが、森まゆみ『明治東京畸人博』。『慶応三年〜』を読んで、にわかに興味の増した幸田露伴が住んだ谷中、かつて建っていた五重塔、同居していた滝沢羅文(通称:ブラ八)のことが知りたかった。だが、該当の章「露伴が谷中にいた頃–五重塔の話」でいちばん鮮烈な印象を残したのは、斎藤緑雨の風貌だった(p.213)。
文中で「おしゃれでやせた斎藤緑雨」と書かれる通り、なるほどシュッとした面構え。これまでに全く縁もなく、興味を持ってもいなかった斎藤緑雨にもじわりと関心が増してきた。当てずっぽうに本を読んでいけば、また出会うこともあるだろうか。
今日は15時開店。間借り中の〈平凡〉も営業再開! ぜひご利用ください。
2022/06/27
6/27 雑記
午前中。馴染みの床屋〈Bespoke〉で髪を刈ってもらう。カット後に羽山さんと話していると「いやー今日の髪型、いいね! 決まってるよ!」と言ってくれて、二人で笑う。気持ちのいいやり取りができた。窓の外では友人が自宅を出て、自転車に乗って走り出したところ(店の前に住んでいる)。
午後。店で通販の発送準備。この数日〈平凡〉の動きが面白くなってきた(諸事情で現在非公開モード……数日中に復帰するはず)。ブレンダ・レイ、リトル・テンポ、ロボ宙、コンピューマ。本も一冊。こんな組み合わせで買ってくれる人がいて、嬉しい。暑い夏を乗り切れそうなセレクトだ。
夕方。散歩に出て、公園でアイスを食べる。帰宅して、缶チューハイのレモンサワー。レコードはソウル・ブラザーズ。とりあえず、これでいい。
2022/06/26
6/26 店日誌
6月26日、日曜日。もう10年以上前だろうか、この日に大きなイベントを開催したことがある(100人に満たない規模だった)。今日も遠くは京都、近くはつくば市の同じ町内でも友人たちが参加するイベントがある。どこも暑くて大変だろうけど、無事に終わってくれたらいい。
寺尾紗穂『余白のメロディ』、ロボ宙『NEAR AND FAR』、HAPPFAT『passin’ me bye』などの新作音源はじめ、書籍(新刊・古本)にも入荷あり。店には日々、何かしらの動きがあるので、気が向いたときに足を運んでみてほしい。
今日は13時開店! 急遽ですが、18時半頃までの短縮営業とします。
2022/06/25
『passin’ me bye』(CD-R)
HAPPFAT『passin’ me bye』が届きました。
溶けるような夏ミックス、瀬戸内サウダーヂな『MELT3』が好評のDJ、HAPPFATのヒップホップ、ソウルフルなR&B中心の選曲盤(73分08秒)。代名詞的なワールド〜ブラジル的な要素はグッと控えめ、けっこう黒め。とはいえ、軽やかで涼やか。このノリこそが当店での人気の秘訣なのかなあと思います。
現在、上記の『MELT3』に加えて『borrado』、『FAR』、カセットテープ『DAY&NIGHT』を在庫しています。HAPPFATさんの音源は品切れになっているものも多いので、ピンときたときに是非お求めを。
販売価格は1200円(税込)。ム〜やっぱり聴くほどにクセになる。これぞHAPPFAT印なり。
『NEAR AND FAR』(CD)
ロボ宙『NEAR AND FAR』が届きました。
前作『SCRAPPIN』から4年ぶりに届いた新作、14曲入りフルアルバム。当店の兄弟書店(勝手に言ってます!)としてお馴染みの代田橋〈バックパックブックス〉のお隣〈OMIYAGE〉発宇宙行き! 浮遊感のあるフロウと身の丈のリリック、10人のトラックメイカーによるビートどれもがちょうど良い。全体にただよう夏っぽさも最高だなァ。
先行曲「today」(7インチ・シングルを在庫してます!)、「サイエンス.フィクション」(×VIDEOTAPEMUSIC)、「near by town」(代田橋讃歌!)も収録しています。
販売価格は2200円(税込)。ジャケットは、マカロニことスズキクミコさんによる刺繍作品。
6/25 店日誌
6月25日、土曜日。いやー暑い! マジ暑い! アロハシャツ、短パン、ビーサンで家を出る。コンビニに入ればガリガリ君、サクレなんかを欲してしまう。ビールはサッポロビール園・サマーピルスがちょうどいい。こりゃあ、もう梅雨明けなんだろう。ひらきなおって楽しむことにする。
音源では小西康陽『また夜遊びが恋しくなる』、寺尾紗穂『余白のメロディ』が新入荷。当店人気のDJ、HAPPFATの新譜と旧譜の補充分も届くはず。暑い季節のりきるための小道具にしてくれたら嬉しいナ。
今日、明日は13時開店! 本の買取、査定依頼は常時受付中!
『余白のメロディ』(CD)
日々「変わりつづける世界」への疲弊と、無情にも「変わらない世界」への絶望。あなたやわたしを取り囲む孤独が氷のように固まってしまっても、寺尾の音楽は、人がこの世界にひとしく生まれ落ちた事実を希望として浮かび上がらせ、そのこわばりをゆっくりと溶かしていく。
寺尾紗穂『余白のメロディ』が届きました。
文筆家としても知られる歌い手、寺尾紗穂の10枚目のオリジナル・アルバム。収録された全10曲、それぞれの声、言葉、旋律に丁寧に耳を傾けると楽曲ごとの世界がしっかりと立ち上がる。さらっと聴けば、グッド・ミュージック。じっくり味わえば文芸作品。振れ幅と奥ゆき、余韻が含まれていて、ゆたかな体感を得られます。
本人の作詞/作曲の「たしかなことはなにも」での冒頭のやり取り、「あなた」と「わたし」の言葉の行き交い。流麗なエレピ、ドラム、ベースの生むリズムがクール。松井一平、MC Sirafuの歌詞にもご注目を。
販売価格は3300円(税込)。もれなく、エッセイ『取り戻せないことの上に』が付きます。
2022/06/24
6/24 店日誌
6月24日、金曜日。暑い! ものすごく暑い! 外の日差しを見ていると梅雨は明けたんじゃないかと思えてくる。シトシト、ジトジトが続くのもウンザリだけれど、いきなりフルパワーの夏がくると困ってしまう。入荷したてのLITTLE TEMPO『LOVE MAX』を流しつつ、『自由なタイ料理 ガパオ』あたりをひもといて、元気を出そう。
書籍、音源に入荷あり! 間借り中の〈平凡〉にも動きあり!
『LOVE MAX』(CD)
2022/06/23
「IN THE PARK」
6/23 店日誌
こんな畸人が実際に生きていてさしも不釣合にも感じられなかったその頃の文学者達の社会も、恐しく他とは異なった空気が流れていたものだ。これを今の文壇と思い合わせるとき転た隔世の観なきを得ない。-幸田露伴「遅日雑話」(坪内祐三『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲がり』より孫引き)
6月23日、木曜日。坪内祐三『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲がり』を再読しているところに届いた、『respelatrol』26を読んでいてぶつかったのが、右記の箇所。「今、何かに失敗した人がすぐに見限られてしまうのは、世の中に「変な人」が少なすぎるからではないだろうか」(「5月28日」)。明治24年と令和4年、幸田露伴と河野友花。時代は大きく変わっていても、似たような感覚を持った二人なのかなあと思った。
なお、坪内氏の著作『慶応三年生まれ〜』は当店には在庫なし。講談社文芸文庫版が一般書店で売っているはずなので、気になる方は探してみてほしい。河野さんのペラも配布なし。ご了承あれ。
今日、明日は15時開店。蒸すし曇るしで、ぼんやりしてしまう日が続く。
2022/06/22
『自由なタイ料理 ガパオ』
本書では、下関さんのガパオに関する調査と家庭料理での体験(
『Sex Machine/なごり雪』
6/22 店日誌
6月22日、水曜日。開店準備が整う間もなく、〈夕書房〉の高松さんが納品に来る。入れ替わるようにDJでトラックメイカーのSONICさん。転職の報告がてらビールを持ってきてくれる。馴染みの山ちゃんも同時に来て、話をする。その間、ちょこっとだけお客さん。通販関連の問い合わせ。落ち着いて作業をする余裕がないまま、日が暮れる。最長常連Oくん、店番太郎くんが揃った頃にはもう、力が抜けていた。昨日のこと。
青木海青子『本が語ること、語らせること』、曽我大穂/高松夕夏『したてやのサーカス』、Caffeine House『エリオット・スミスのあれか、これか、それか』が再入荷。いずれも間借り中のオンライン・ストア〈平凡〉にも追加済み。
今日明日、明後日は15時開店。通販、買取などのお問い合わせはお気軽に。
2022/06/21
2022/06/20
6/20 雑記
目が覚めると、ちょっとだけ二日酔い。昨晩、天久保一丁目〈Club OctBaSS〉で見たSPRA、大竹重寿×STBのライブがとても良かった。自分よりもずっと若い友人たちとも会えて、話せて刺激をもらった。近場(店から自転車で10分以内)でああした催しを開催してくれて、ありがたい。
身支度をして、バスに乗って東京へ。開店一周年を迎えた門前仲町の酒場〈ほどほど〉に行く。東京駅から歩いて、神保町を経由してお茶の水。〈ディスク・ユニオン〉〈穂高〉〈ディラン〉と回る。どの店にもいい空気が流れていて、ホッとする(ただ、駅前に商業施設が出来ると聞いた……残念)。食後に茅場町まで歩いて地下鉄・東西線に乗って、門前仲町。歩いて10分ほどで目的地に着く。
口開けの15時、レモンハイ、ポテトサラダで喉を潤す。その後もちょこちょこと飲んでつまんで17時前。いつもよりだいぶ早めに店を出て、高速バスに乗る。東京駅18時発の筑波大学行き。いま、その車中で書いている。
2022/06/19
My Loads Are Light × ALWAYTH “TENUGUI”-完売しました!-
6/19 店日誌
オーダスタス・パブロやリコ、タン・タンは、ただのもの吹きではなく、インストゥルメンタルであっても言葉を用いない歌として、強い意志を持って自らの歌を聴かせてくれる。(「レゲエの“もの吹き”の話」)
6月19日、日曜日。慌ただしかった一昨日の疲れもあって、昨日は店で静かにしていた。家から店、店の周辺を歩いた以外は動かなかった。ビールもなし。阿佐ヶ谷の〈古書コンコ堂〉で買ってきた、小玉和文『ノート・その日 その日』を読み終えると、リコ・ロドリゲスの音楽が聴きたくなった。
ワレイカ・ダブ。重ねられた楽器の音、ひとつひとつに、耳を傾ける。繰り返し味わう価値のある作品だ。安易に他者と共有するのでなく、小玉(こだま)氏のように自分なりに受け止めて地肉にできればいい。
入荷したてのCOMPUMA『A View』、発売が控えているLittle Tempo『LOVE MAX』と寺尾紗穂『余白のメロディ』。一聴、二聴で消費できるわけがない、作品たち。自分なりの印象をうまく言葉にして紹介したいと思っている。
書籍、音源に入荷あり! 気が向いたらご来店ください。
2022/06/18
6/18 店日誌
6月18日、土曜日。朝7時半に〈代官山 蔦屋書店〉に集合(矢吹純、佐藤拓人に加えて宮里ユウトも来てくれた!)。8時頃から展示の設営開始、そのままお店は9時に開店。準備中からひとりの方がじっと見てくれ、原画と作品集を買ってくれる! その間も絵を貼り替えたり、本にサインを入れたりして、10時半頃に完了。まあまあ疲れる。何より腹が減った! 勢いのまま阿佐ヶ谷に移って、矢吹くん御用達の中華屋に行く。お店の方のやさしい接客に心が暖まる。チャーハン、ギョーザ、ミニラーメン。ビールの大瓶で乾杯する。
ここまでが、昨日の前半(13時過ぎ)。〈古書コンコ堂〉に寄ってから、つくばに帰る。定時に店を開けると、けっこう人が来てくれる。エポンくん、夕方からは先輩のDJ、トモさんと長話。初めて来る学生さん。タクシーに乗ってきた方々。夜のパーティーに出演するため東京から来たDJお二人、主催のアキくん。通販の問い合わせもちょこちょこと入ってくる。
中盤から後半(20時過ぎ)。夜がふけるまで友人の店で酒を飲み、飯を食う。こんなにも長い一日は久しぶりだったんじゃないかと、今思う。天候もあってテンションが上がり過ぎてしまったのかもしれない。
今日、明日は13時開店。通販、買取などのお問い合わせはお気軽に。
2022/06/17
6/17-7/10「LIGHT HERE,LIGHT NOW」設営完了!
6/17 店日誌
6月17日、金曜日。今日から始まる〈代官山 蔦屋書店〉での展示搬入、設営を終えてどうにか定時に開店! 同時にEastern.Pことエポン君がやってきて、7月上旬に開催されるパーティーのチラシを持ってくる。いいね、いいねと話しながら缶ビール! もう、今日はいいだろう! 長ズボンから半ズボン、ビーサンに着替えてしまった。COTTON DOPE『MAROUDER’S TAPROOM』を聴いている。
代官山から阿佐ヶ谷(最高の中華屋を教えてもらった!)を経由して、秋葉原。つくばエクスプレスに乗り換えて、つくば着。あっという間に帰ってきた。
今日も通常営業! 代官山での展示もどうぞよろしく!
2022/06/16
『A View』
電子音やフィールド・レコーディング+α、その間に宿る空間も含めて、そのサウンドは様々な景色を想起させる、そんなイマジネーションを静かに刺激するまさに“眺め”の音楽。(河村祐介)
6/16 店日誌
6月16日、木曜日。18時が過ぎても郵便、宅配以外は誰も店に入ってこない。梅雨入りしても客足は絶えないなーと楽観していたところに、突然のお茶っぴき。機に乗じて、溜まってしまった未聴のCDを順番に流していく。中古を主に、新譜も混ざる。時代も国籍も関係なし。スケールの大きなライブ盤ではつい音が大きくなる。だんだん、外の世界が気にならなくなってくる。
急にドアが開いてハッとする! 旧知の農家・Sさんが新譜を買いにきてくれる。よもやま話に花を咲かせていると、あっという間に閉店時間。ちょうど良く雨も止んだ。こんな日はさっさと帰って、寝るのがいちばん。
今日は通常営業! 明日も15時に開けるつもり。
2022/06/15
「un été アネテ マチネとソワレの音楽会」
ようこそ、ある夏、光きらめく音世界へ。
アコーディオン、フルート、メタロホン、カヴァキーニョ、二胡、ヴォイス、チェロ、コントラバス…マチネとソワレ。日曜日の午後と夜。
mama!milk のシャレード・アンサンブルが誘います。
6/15 店日誌
6月15日、水曜日。一日中はっきりしない天気だった昨日、じっくり棚を見ていくお客さんが数人いて助かった。ごちゃっとした店内を回遊して好みのものを選んでいく。そういう人は性別、年齢を問わずだいたい一人。反面、二人以上で来て、常におしゃべりが止まらない人たちときたら……。書かなくても察しがつくだろう。
日々、入れ替わりのある古本。補充される新刊。それらといつ、誰が、どうやって出会うのかは予想がつかない。しばらく動きのなかった本が続けて買われていくこともある。入り口を設けて、待っているのが店の役割。気分によって位置を換えたり、言葉にして薦めたり。そういったことに反応があるのも、やはり嬉しい。
今日、明日は15時開店。明後日は少し時間がずれるかも。
2022/06/14
河合浩個展「I Painting the Body Electric」
6/14 店日誌
6月14日、火曜日。先週末に再入荷した、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』の通販分はあっという間に売り切れてしまった。この本は1984年に山名さんご自身の手で上梓された私家版で、ブルース~ソウル~ロック~レゲエ~スカなど主に黒人音楽への愛、それぞれのニクい部分を独特の調子で書き起こした音楽散文集。
古本としても見つけづらいゆえ、高値で売買されることもある本を山名さんのご厚意で譲り受け、当店では定価(税込2530円)で販売させてもらっている。店頭分の在庫はまだ余裕があるので、お求め希望であれば、ご来店いただきたい。
今日も書籍、音源に入荷あり。通販などのお問い合わせはお気軽に。
2022/06/13
2022/06/12
2022/06/11
『圏外編集者』(文庫版)
美術でも文学でも音楽でも、他人の評価ではなくて、自分でドアを開けてみないと、経験は積み上げられない。そうやって成功と失敗を繰り返しているうちに、いつにまにか、自分が「いい」と思ったものは、だれがなんと言おうと、いいと言い切れる日がやってくる。(問1.「本作りって、なにから始めればいいでしょう?」)
都築響一『圏外編集者』が届きました。
俺はこの本を売りたい! なにか、おすすめの本はありますか? って質問には毎度困ってしまうのだけれど、本書を仕入れられたからには迷わずに薦める。この本を読みなさい。2015年の単行本刊行時にガツーンと頭を叩かれたまま、影響は今も消えていない。「検索で簡単に見つかるものは、ようするにだれかがすでにやってるってことだ」って誰も、こんなこと言ってくれないぜ。
文庫版へのあとがき以外は加筆も修正もなし。7年前より値段もサイズも手にしやすくなった。道具として、より優れたものになったと思う。この本を読んで得た力、発想をそれぞれのやり方で発揮してほしい。
販売価格は924円(税込)。間借り中の〈平凡〉でも購入可能! 迷っているなら、読んでくれ。
『あしたから出版社』(文庫版)
島田潤一郎『あしたから出版社』が届きました。
2014年に晶文社から刊行された同著作に加筆修正を加えた上で、書き下ろしとして「文芸部の同級生」「45歳のぼく」をあらたに増補したちくま文庫版(巻末解説は頭木弘樹)。さらに、表紙画を手がけたのは望月ミネタロウ! ……と、本好きをくすぐる工夫、仕掛があちこちに。手にする理由が見つけやすい本になっています。
自分自身、約8年前に受けた印象は更新しているのか。初めての読者には、どう響くのか。店に並べてからの反応が、すごく楽しみ。
販売価格は968円(税込)。少数ですが、入荷分はすべてサイン入り。
「風穴あいたそのあとに」
6/11 店日誌
6月11日、土曜日。昨日、開店してすぐ来てくれたのは東京から来てくれるお客さん。カッコいいバイクに乗ってくる。会うのはこれで5度目くらいか。主には音楽や映画の話、仕事や家族のことを少しだけ交えて会話をする。ロビー・バショー、グレイトフル・デッド、デレク・トラックス、ケリー・ライカート。来週から始まる展示のことなんかの話をした。いい余韻を残してくれた。
入荷したての『八角文化会館』や『些末事研究』、『LOCKET』なんかの独立系雑誌に加えて新刊の補充や古本の買取りなど、店には日々動きあり。中古音源の入れ替わりも速くなってきた気がする、ここ最近。
今日、明日は13時開店! 通販、買取依頼などのお声がけはお気軽に。
2022/06/10
6/25『LOVE MAX』–ご予約受付中!–
なんと、11年ぶりのフルアルバム! わが親分&兄貴分、土生“TICO”剛&小池龍平のお二人はじめ総勢9人からなるレゲエ・バンド「LITTLE TEMPO(リトル・テンポ」の『LOVE MAX』が6月25日(土)にリリース。同日発売となるCDと7インチ・シングル『Starlight Serenade/Summer Saudade』を当店でも販売します。
CDを一足先に耳にしていますが、上質な環境音楽と言っても大袈裟ではないインスト・レゲエが11曲。この除湿効果は確かなもの。ラブ・マックスとキンキンに冷えたビールがあれば、これからの季節も気持ち良く過ごせるでしょう。盛夏前に届いてくれるのが、とても嬉しい。
ただ今、ご予約受付中! お気軽にお問い合わせください!
6/10 店日誌
6月10日、金曜日。昨日は開店直後から来客が絶えず、本や音源を買っていく人が多かった。その間に雑誌『Spectator』バックナンバーの納品に同誌編集長・青野さんが来てくれて話し込む。並びの居酒屋〈わかたろう〉から生ビールが運ばれてきたりも、する。気がつくと時間は19時過ぎ。おいおい、なんでもない平日だったんじゃないのか。あっという間に時間が経ってしまったゾ。
なぜ、人が来てくれたのか。理由は定かではない。不思議なもので、来る時は来る。来ない時は、来ない。お客さんの動きってのは何年やっても読みきれない。今日は、どんな調子になるんだろうか。
書籍、音源に入荷あり。なんとなくでも、気が向いたときにご来店あれ。
2022/06/09
『八角文化会館』vol.9
「君のまちにある商店はなんて素敵なんだろなぁ。でも僕のまちにある商店も素敵だったんだなぁ」そんな風にみんなが自分の住んでいる場所の魅力に気づく、ひとつの視点になれたら望外の喜びだ。
『八角文化会館』vol.9が届きました。
わが店の界隈にも確かに存在している、八角文化会館ファンの方々、お待たせしました(いつも、ありがとうございます)! そして、残念ながらこれが最後の入荷案内になってしまいます。最終号の特集は「商店総合型録」。これが本当によく出来た商店図録とでも言うべき仕上がりで、パラパラとめくっていくだけで喜びに包まれること、うけあい。風情のある看板や店構え、趣のある風景のベスト盤的な誌面です。
上にも一部を引いた「編集のことば」。これが実感のこもった素晴らしいテキストなので、是非全文を読んでみてほしい(〈八角文化会館の売店〉でも読めます)。
販売価格は1980円(税込)。間借り中の〈平凡〉でも販売しています。
6/9 店日誌
6月9日、木曜日。今月17日(金)から始まる、JUN YABUKI Solo Exhibition「LIGHT HERE,LIGHT NOW」の会場は〈代官山 蔦屋書店〉。昨年7月のつくばを起点に、葉山、丸太町(京都)、阿佐ヶ谷・代田橋と回ってきた展示はこれで5会場目。作品集刊行から丸一年を迎えるタイミングで開催できることになり、本当に嬉しい。
本展の展示案内DMには6/17〜7/8と印字されているけれど、正確な会期は7月10日(日)まで。開催自体も急遽決定、会期もいきなり延びてしまった。バタバタしながら進んでいくこの感じが〈PEOPLE BOOKSTORE LIBRARY〉らしいなあと思っている。
今日、明日は15時開店! 通販などのお問い合わせはお気軽に!
2022/06/08
『everybody everything soundtrack』(LP)
アニメを上映しながら本人が生演奏でサウンドトラックを付けると
ウィスット・ポンニミット『everybody everything soundtrack』が届きました。
タイの人気漫画家/アニメーション作家・タムくんこと、ウィスット・ポンニミットのソロ・ピアノ音源がアナログ盤でリリース! ……これを、一聴して驚いた。独特のうねり。不協和音っぽい箇所では、セロニアス・モンクを想起してしまったり。トウヤマタケオ『三月のワルツ』に波長が合う方にも聴いてみてほしい。
販売価格は3850円(税込)。2005年のCD音源をLPレコード化。意気に感じます。
『河を渡る』
三村京子『河を渡る』が届きました。
昨年末にアナログ盤でリリースされた『岸辺にて』(名盤!)に続く新作は、全作詞、作曲、編曲、演奏、録音、ミックスまで三村本人が行ったもの。「向こう岸」の歌唱から独特の世界に引き込まれ、ささやきが印象的な「シリウス」「釣り人」「魚服着」の流れは憂愁を感じさせて、内省をうながすような雰囲気。
その後に続く「自画像が消えだす」「夜明け前」(小笠原民謡とのこと!)はカラッと乾いたカントリー~フォーク・ロック。どこか歌謡曲っぽい「嵐のあと」、表題曲「河を渡る」に耳を掴まれて、「畑の向こう」で深い余韻に包まれる。ギターによるインスト曲(#3,#5,#7,#10)のあり方も絶妙。
販売価格は1650円(税込)。間借り中の〈平凡〉でも販売しています。