急遽、沼津に向かう。朝8時台のつくばエクスプレス線、流山おおたかの森〜北千住間の混み具合といったら大変だ。個々人の顔が消えて、大きな寒天状の固まりになった人々が鉄の機械で運ばれていく。目を閉じて、半分夢を見ながら、そんなことを考えていた。
2022/10/30
『轟音紙版』第2号−完売しました!−
10/30 店日誌
10月30日、日曜日。午前中、支払や仕入などの雑務を済ましたのち、いつもの公園でおにぎりを頬ばる。よく整備されていて、いつ来ても気持ちがいい。芝生の上で室謙二『非アメリカを生きる』をなんとなく読み始めて、引き込まれる。第三章「マイルスはジャズを演奏しない」でのラフカディオ・ハーンの描かれ方に、蒙を啓かれた。
新刊のキングジョー『EVERYDAY LOVE』や『なnD 9』、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』などはしっかりと在庫あり。昨日、関連催事の告知をはじめた『DAWN』2号も販売中! 気になるものがあれば、ぜひ手にしてほしい。
今日は13時開店! 明日、月曜は定休日。
2022/10/29
「Our lock down party(special edition) -『DAWN』N°2 release party!-」
東京発独立系路上文化雑誌『DAWN』最新号の刊行記念イベントを開催!ファウンダー/エディターの二宮慶介さんをお招きして、ストリート・カルチャーを軸に野心的な試みを続ける『DAWN』に迫ります。現場との関わり方、編集の心得、雑誌をいまの時代に作る面白さについて、本屋の店主、ラッパー、クラブ/レコード屋のオーナー、ライターといった立場の異なる面々と共にざっくばらんに語りまくってもらいます!(配信はありません)
「Our lock down party(special edition) -after party!-」
「Hi! This is ENTERTAINMENT!」
2020年、2021年とpop upを控えてwebのみで販売していたパーカーやスウェットを、やっぱり直に現物を見てほしいです、
10/29 店日誌
10月29日、土曜日。ちょうど1週間後、11月5日(土)に開催する「伝説の書、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』を著者と紐解く午後」(ご予約受付中!)。その翌週の12日(土)13日(日)は久しぶりのポップアップ「“Hi! This is ENTERTAINMENT!”」を開催、20日(日)にもひとつトークイベントが待機中(今夜中に告知が始まるはず)。どれもこれも、お楽しみに。
今日明日は13時開店! 入荷や補充、入替など店には日々動きあり!
2022/10/28
2022/10/27
『EVERYDAY LOVE』
キングジョー『EVERYDAY LOVE』が届きました。
やった! これは嬉しい! コラムたっぷり、ほぼ100ページのZINEの発行元は大阪市東淀川区にある自転車(&more)店〈タラウマラ〉。2006年7月の「内田裕也ライブレポート」(これ、マジ最高!)から2022年9月の書き下ろし「EVERYDAY LOVE」(前編・後編)まで16年分の文章は笑えて泣けて、グッとくる。
見逃せないのが、20本の映画観賞記。レビューではなく、観賞レポートと言うべきスタイルはありそうでない、キングジョー氏のオリジナル。新旧、洋邦を問わない作品セレクトがお見事。
販売価格は1500円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも購入可能。
10/27 店日誌
10月27日、木曜日。山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』が再入荷! 北沢夏音さんとの共同企画「伝説の書、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』を著者と紐解く午後」も迫ってきている。20名定員のトークイベント、じわりと予約が増えてきているので、気になる方はぜひご予約を。こうした企画は今後、ないはず。
その他、キングジョー『EVERYDAY LOVE』、レディメイド・未来の音楽CDブック編⑨『お茶とお菓子と音楽と』なども入荷予定。古本には日々、動きあり。
今日明日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。
2022/10/26
『Asparagus』
『防波堤』は素晴らしい表現にイメージをいただいて出来ました。(略)ひとつの絵、イメージから連なりができて、物語になっていくのはおもしろく、漫画の醍醐味だなと感じます。
Caffeine House『Asparagus』が届きました。
ただ今、店内で「TOMU TOMU STORY イラスト展」を開催中! Caffeine Houseの新作ZINEは、10月8日(土)に〈京都芸術劇場 春秋座〉で行われたビジュアルコンサート「Bipolar」に触発されて制作されたもの(制作期間は約3日!)。ノイズ音楽と映像の即興劇から受けた刺激を漫画化した「防波堤」と活動紹介、作品解説を収録しています。
販売価格は300円(税込)。開催中の展示の会期は明後日、28日(金)まで。
2022/10/25
10/25 店日誌
10月25日、火曜日。空気が冷たい。寒さのギアが上がったようだ。店の灯油は空のまま。上下の肌着、ライトダウンを身につけて凌げるのも、そろそろ限界かなという感じ。あっという間に季節は過ぎる。人それぞれに時間は流れていく。そのことに、少しでも待ったをかけたい気持ちがあり、日々こうして記している。
点を打っておけば、振り返り方が変わってくる。カレンダーの数字にひっぱられて、お約束のように今年も残すところ……と口に出すのはつまらない。まあ、無駄な抵抗なのかもしれないけれど。
今日も古本の入荷多数! 買取のご依頼、常時受付中。お声がけはお気軽に。
2022/10/24
10/24 雑記
午前中、つくば駅に向かって歩いているときに父から着信。調子を崩した祖父のところに来ているらしく、電話を繋ぐと言われて慌てるも、お互いに一所懸命に言葉を発する。簡単なやり取りではあったけど、力をもらった。自分自身で蓋をしていた部分を開けてもらったような気がする。
そのまま電車で秋葉原。歩いてお茶の水まで行って、喫茶店〈穂高〉で一服。中央線の快速に乗り、吉祥寺で降りる。目指すは〈ココナッツ・ディスク吉祥寺店〉。事前にメモしておいた住所を頼りに歩き出し、スムースに到着。アメリカの郊外にあるレコード店のような雰囲気で、負荷が少ない。ゆっくりと棚を見る。まずはレゲエ、ダブ。ブルース、ジャズ、ジャパニーズの棚と移って、一息つく。小さな本棚から数冊の本を選び、レコードは2枚。
会計してくれた矢島店長に挨拶をしたのち、山名昇さんを招くトークイベントのポスターを渡す。山名さんはこのお店の常連らしく「今、店にいてもいいくらい」と話してくれる。なんと言うか、それだけで嬉しい。いい空気に触れて、刺激をもらう。
吉祥寺を後にして、阿佐ヶ谷の〈古書コンコ堂〉に行き、まずは店主・天野さんにご挨拶。ポスターを渡して、立ち話をしてから、棚を見る。圧倒的な良心価格! 気がつけば片手には持ちきれない冊数の本になっている。小林信彦『一少年の観た〈聖戦〉』『冬の神話』等々を購入。古書店としての正しすぎる姿勢を感じ、恐れ入る。店として影響を受けるとかそんな話じゃなく、直接的に参考にさせてもらっている。本当に有難い存在である。
帰路はへとへと。どうにか店まで帰ってきて、荷を解いたのち帰宅。近場の蕎麦屋で瓶ビールと熱燗をちょっとだけ。暖かな心地になる。自分は今、やるべきことをやっている。そう思えたのなら、今日のところはいいじゃないか。
それにしても、よく歩いた。
2022/10/23
10/23 店日誌
10月23日、日曜日。午前中に雑務を済ましてバタバタと開店した昨日。昼食の菓子パンを咀嚼する間もなくご来店、パンくずが付かないようにお会計、その方を送り出したあと数時間……誰も来ない。約3時間、ひとりっきりの店内でキングジョー『EVERYDAY LOVE』を一気読み(当店では売ってません)。ああ、面白かった! と独りごちて、『音盤時代の音楽の本の本』を手に取り、ラジカセのCDをSADE『LOVERS ROCK』に入れ替えた。
16時過ぎ。ひとり、若い男性が来店すると、ほぼ同時に何人かがやって来る。常連Mさんも来てくれるも、同時に対応しきれない。参った。100円と400円の文庫本の会計を済ませて、店内を見渡すと誰もいない。
野田努、三田格、湯浅学。三氏のインタビューを読み繋ぐうちに日が暮れる。ぽつり、ぽつりとお客さんが来て本を買っていく。また、よろしくお願いします。声をかけて送り出す。週末にしては暇な日があれば、平日なのに忙しいこともある。一日一日。ぜんぶ違う。これもまた、店の醍醐味かなと思う。
古本の入荷、多数! オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり!
2022/10/22
10/22 店日誌
“-デキは悪くてもええさかい、自分のものを書くこと。ただし、泥棒(盗作)はせんとき。あれはクセになる。”-曾我廼家十郎
10月22日、土曜日。大阪市東淀川区にある自転車店であり音源、書籍なども扱う〈タラウマラ〉。自分は、この店から生み出される作品群のとりこである。つい最近リリースされた、キングジョー『EVERYDAY LOVE』とmoanyusky『JUST RELAX AND』は購入済み。次号(vol.4)でいったん終刊となる『FACE TIME』も毎号、楽しみに読んでいる。
タラウマラ作品と、上記した曾我廼家十郎の教えには近いものがあると思う。ちょうど読んでいた、小林信彦『喜劇人に花束を』所収「第二部 藤山寛美」で見つけた言葉だ(「十七歳で酒と女におぼれている(渋谷)天外に、ものを書くのを教えたのは曾我廼家十郎だったという」という行に続く部分)。
今日明日は13時開店! 書籍や音源に入荷、補充あり。
2022/10/21
『SETAGAYA TALES 2』(CD)
10/21 店日誌
10月21日、金曜日。朝、用足しがてら歩いていたら、犬の散歩をしている美容室〈街の中〉のヨウスケさんと会う(犬を見て、ティンプクトゥーを思い出す)。歩道橋を使って大通りを越えて、家々が並ぶ街区では知り合いの女性が庭の整備中。いい天気ですねーと声をかけ合い、また歩く。ブーンと知り合いが車で通り過ぎる。爆音でラジオを聴いていた。
数年前まで原っぱだった土地は小綺麗な住宅街になった。地面の土はアスファルトで固められ、灰色っぽい色が増えていく。どんどん、街の隙間が消えていってる気がする、この界隈。これでいいんだろうか。
今日も通常営業! 間借り中のオンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり。
2022/10/20
『なnD 9』
前号の販売をお休みしてしまったので、2020年9月入荷の7.5号以来の入荷! 美術、編集、映画、音楽、都市論……等々、文化的で多彩なテーマ、短めのテキストが並ぶ誌面をバシバシ読んでいくのが楽しい。『EL CINNAMONS』編集人・田中元樹によるグラフィティ観察記「幻の渋谷徘徊団」も収録。サブ・カルチュア魂を感じさせる仕上がりにニヤリ。
販売価格は880円(税込)。制作期間は約3週間とのこと。
10/20 店日誌
10月20日、木曜日。ただ今開催中! Caffeine House「TOMU TOMU STORY イラスト展」の会期は28日(金)まで。新作コミックZINE『TOMU TOMU STORY』の原画16点に加えて、イラストカード5種セット、過去作ポストカード、ブックノートも販売中。昨年刊行の『エリオット・スミスのあれか、これか、それか』も在庫あり。来週26日(水)にはCaffeine Houseこと門谷風花さんが来店予定。
今日はリトルプレス『なnD』や『オフショア』の入荷と補充あり。その他、各種音源(レコード、カセット、CD)にも動きあり。古本の買取は常時大歓迎。
今日明日は15時開店! 土曜日曜は13時開店、大体20時まで営業中。
2022/10/19
老練で自由な逃亡者
“1980年、スペシャルズのメンバーとしてリコが初来日した時に、サインをいただけますか、とこの英盤を差し出したら、彼は、その金文字の下の小さな「余白」に、律儀で、綺麗な、誰でも読める、スターっぽく書き崩したりなどしない筆跡で「Peace&Love」と記すのであった。「キミの名前を入れておこうか?」などと言いながら。”(*)
ここでの「英盤」は、リコ・ロドリゲス『マン・フロム・ワレイカ』のイギリス盤LPで、裏ジャケットにはLesなる人物の詩が印刷されていて(CDでは判読不能)、「Veteran free refugee(老練で自由な逃亡者)」という言葉が書かれているらしい。
この「老練で自由な逃亡者」という言葉に触れると、なぜか山名昇さんのイメージが頭に浮かぶ。あちこちでテキストには触れているものの、また一度も会えていない、山名さん。ご本人は老練で、自由な、逃亡者か、否か。11月5日(土)のイベントで探ってみようと思っている。
トークイベント「伝説の書、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』を著者と紐解く
(*)リコ『ワレイカ・ダブ』日本盤CDライナーノーツより
10/19 店日誌
10月19日、水曜日。昨日、開店早々に買い取った『ハロー!プロジェクトの全シングルを集めちゃいました!(2013)』所収の「つんく♂ インタビュー」を読み出したら、止まらない。メロン記念日、タンポポ、プッチモニとか懐かしいなあ……と値付けをして、棚に出した。数時間後、ビールを持って来た最長常連Oくんに何気なく、モーニング娘。は好きだった? と聞いてみて、驚いた。
好きも何も、映画収録があった駅伝大会を見に行ったとのことで(中学生の頃)、推し曲を色々と教えてくれた。前記インタビュー中でも取り上げられていた、タンポポ「乙女 パスタに感動」と「恋をしちゃいました!」のモッド調に驚き、モーニング娘。の「ザ☆ピ〜ス!」には圧倒された。遅まきながら、つんく♂は凄いんだなあと思い至った。
天気は上向き。店内には動きあり。お暇があれば、ご来店あれ。
2022/10/18
ルポ、ザ・スペシャルズ
「なにかい、てえとオレ達のアルバム嫌いなのかお前。オーバー・プロデュースどころか、コステロはオレ達の音を録音しただけなんだ。たいした仕事はしなかったさ」と江戸弁みたいに話すのは、ジェリー・ダマーズ。
1980年6月のザ・スペシャルズの初来日時に行われた取材、インタビューをルポ形式で書き起こした「ルポ、ザ・スペシャルズ」。本稿は、山名さんご本人が「ほとんど失敗だったインタヴューをボツにさせないで、それこそスペシャルズらしさを伝えることになるじゃないか」(*)と意見を通し、『ミュージック・マガジン』1980年8月号に掲載されたもの。『寝ぼけ眼のアルファルファ』の中でも人気のある記事じゃないかと思う。
“奴らから見たら、スペシャルズなんてファッキン・グループさ。イギリスじゃオレ達の客はいつもステージに上がってくるし、それが理由で演奏やめるなんて考えたこともないね。”-ジェリー・ダマーズ
なるほど、ここで活写されるジェリー・ダマーズ、テリー・ホールのインタビューの受け答え、さりげない仕草(テリー・ホールの鼻歌がピストルズだったり)なんかに触れてみると、見慣れたはずのスペシャルズのジャケットの見え方が変わってくる。これぞルードボーイ・フェイス。白と黒の2トーンで構成された7人組のバンドの音がより生々しく伝わってくる。
同ルポ内で自らの来し方、音楽家としての遍歴を穏やかに語るリコ・ロドリゲスの存在も印象深い。リコとの心暖まる交流が記録されている意味でも、貴重なテキスト。
(*)『ブルー・ビート・バップ!』所収「リコ・ロドリゲス、インタヴュー」より
読売新聞(茨城版)
本日、10月18日(火)付の『読売新聞』茨城版に当店がちょこっと載っています。記事のメインは明後日20日(木)にオープンする〈コーチャンフォー〉のつくば店。なんでも、戦艦クラスに巨大なお店で、本はもちろん文房具や食材なんかも扱う「複合店」とのこと。反面、ゴムボートばりにちっぽけな「個人店」としてうちの店も紹介されています。
記事いわく「書籍約2000冊はヒップホップやワールドミュージックなどの本で」って、いつの間にうちの店は音楽書専門店になったんだ! と驚かされたけど、そんな店があったら面白いなーと思うので、笑い話にすることに(これはこれで、ありがたい)。
某大学・出版学の教授の分析によると「店主の目が棚の隅々まで行き届いた個性的な書店は生き延びるだろう」。小さい店にしか出来ないこと、生まれ得ない状況を大事にしながら、今後も店をやっていきます。今後とも、どうぞよろしく。
2022/10/17
10/17 雑記
早川良一郎『けむりのゆくえ』、藤澤清造『根津権現前より 藤澤清造随筆集』、小林信彦『喜劇人に花束を』、坪内祐三『シブい本』、『音盤時代の音楽の本の本』。ここ数ヶ月、ちょびちょびと読み進めていたり、今日の午後に古本屋で見つけたもの。〈日本の古本屋〉で購入して、つい先ほど受け取った本もある。読み散らしているのは、男性著者の本ばかり。いいバランスだとは思っていない。
16時からの「世界の快適音楽コレクション」を聴きながら、ぼーっとしていた。本を読んだり眠ったり。10月に入って、暗くなるのが早くなった。
今日はビールを飲まないと決めている。
2022/10/16
ブルース・ビフォア・サンライズ
山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』の第1章は「ブルース・ビフォア・サンライズ」と題されたブルース・パート。リロイ・カー、ハウンド・ドッグ・テイラー、リトル・ウォルター、ロバート・ジョンソンなどを取り上げるなかで、スリーピー・ジョン・エスティスのライブ盤ライナーノーツとして執筆された「ブルース・ライヴ! スリーピー・ジョン・エスティス」が群を抜いて魅力的だ。
“悲しみを忘れる為に悲しみを歌う、辛さを忘れる為に辛さを歌う、絶望を忘れるために絶望を歌う。この点における共感こそが、僕とブルースとの、一番深い所での係わり合いである。”
巻末にある生年月日「1954・9・30」と照らし合わせてみると、本稿執筆時の山名さんは22、3歳。その年若い男が、ここまで切実に黒人の歌うブルースに感応するとは! 自らのブルース愛を感傷的に、されどセンチメンタルに浸りきらずに言語化し、他者に訴えかけてしまうとは。読み込むほどに驚かされる。
“俺達に明日はない、なんて今じゃ当たり前の話だし、僕には今日って物さえない様にも思える。黒人達が絶望を忘れ去るのに絶望を歌う事しか残されていなかった様に、今の僕には虚軸の上をただ突っ走る事しか残されていない。”
この一節に関して、若書きの要素は否定しきれない。だけれど、ある時期にしか生じ得ない感情をここまで的確に書き起こせるなら、単なる記録以上の意味がある。
こんなテキストに触れてしまったら、目に入ってくるスリーピー・ジョン・エスティスの名前は無視できなくなる。引き抜いた盤のジャケットが好みだったら、なおさらだ。午前中、買い物途中に立ち寄ったリユース店で見つけた『スリーピー・ジョン・エスティスの伝説』は、1960年代のエスティス再発見後の第一作らしい。今日は、この盤を聴いて過ごそうと思う。
『PEOPLE’S RECORD CLUB』vol.1
10/16 店日誌
10月16日、日曜日。近所の〈古着屋may〉とのゆるやかな連帯が心地よい。手慣れた友人たちはうちの店に荷物を置いて「メイに行ってきますー」と出かけていく。そして銀色のビニール袋を片手に帰ってくる。散歩がてらになんとなくって感じで古着を買っているのを見て、自分も同じだなあと感じ入る(なぜか、あそこにいくと笑ってしまうんだよなァ)。
メイで流れる音楽の多くはうちの店で売っているもの。それを聞いて、足を運んでくれる人がいる。「はじめて来ました」と話す人もいる。気軽に行き来して、それぞれの店での買い物を楽しんでくれると、こちらも嬉しい。
空模様はやや不安定。当店は安定の通常営業。
2022/10/15
10/15 店日誌
10月15日、土曜日。一度しか会ったことはないものの、自分の中に太く強い印象を残しているマーシーさん(Lil Mercy,J.COLUMBUS,COTTON DOPE)。レーベル「WD sounds」の主宰者、読書集団「Riverside Reading Club」の一員でもあり、ハードコアバンド「PAYBACK BOYS」のヴォーカリスト、ラッパーでもある多面的な人。ある種の文化の体現者だと思っている。
マーシーさんの書くテキスト。その文字列は単なる情報、記号ではない。発想や思想をよそから剽窃せず、実体験を基にして言葉に置き換えているからか、読んでいて心が乱れない。ムーヴィーやヴィジュアルが入り混ざる編集感覚も、雑味があって、目にして楽しい(これとか、超好き)。
今年7月にCOTTON DOPE名義でリリースしたMIX CD『…AND LONG LIFE』は、切実な体験と軽やかな好奇心とがミックスされた音源集。店頭で引き続き販売中。
今日、明日は13時開店。20時頃まで開けているつもり。
2022/10/14
10/14 店日誌
10月14日、金曜日。間借り中の〈平凡〉が動かなくなったと書いたからではないとは思うが、昨夜から急に購入者が増えた。ほかでは新刊販売をしていない(はず)山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』はもちろん、特殊ダブ音源『SUBLIMINAL BIG ECHO』を買ってくれる方もいて、けっこう嬉しい。いつか訪れてみたい、遠い四国の街に住む方。どんな風に聴いてくれるのだろうか。
今日も書籍(古本・新刊)に入荷あり。通信販売、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。
2022/10/13
『HELLO I’m GENKI』(TAPE)
10/13 店日誌
10月13日、木曜日。一昨日、昨日と静かではあれ、人の出入りは少なくない。お客さんとして本を見に来る人がいれば、自身が作った作品や広報物を持ってくる人もいる。さいわいにも、その手の自主制作物が面白い。読めるし聴ける。店に置くことに抵抗がない。いま、近隣で行われている展示や催事も見応えのあるものが多い。時間がかかっても、天久保周辺の地力が付いていけばいい。
間借り中のオンライン・ストア〈平凡〉の動きが止まってしまった。まあ、そういう時もあるよねーなんて余裕は忘れないようにしたいのだけど、なぜ? どうして? と考えるのも大事だろう。
書籍、音源ともに入荷あり。お暇なときに、お出かけください。
2022/10/12
10/12 店日誌
10月12日、水曜日。先週の金曜(10/7)は風が強く、冷たい雨が降っていた。こんな日は誰も来ないだろうなーと思いつつ開けてみると、いきなりのご来店。しかも、しっかりとご購入。会計時に「実は……」と声をかけてくれ、話を聞くと、『おいしいが聞こえる』の著者・ひらいめぐみさんだった。つくば市内で収録のあったラジオ番組に出演したあとだったらしい。
いつ、誰がやって来るのがわからないのが、店の醍醐味。毎日毎日、予想がつかない。それを楽しめなけりゃ、やってられない。昨日は昨日で暇ではあれ、さまざまな用事を持って人が来た。
今日明日、明後日は15時開店。気が向いたらご来店あれ。
2022/10/11
『DEAL』19号
2022/10/10
10/10 雑記
朝、早い時間に予約していた〈Bespoke〉で散髪。店主の羽山さんと話していると、安心する。溜まっていたモヤモヤが晴れていく。髪の毛はサッパリ。気持ちもスッキリ。自転車での帰路、新刊書店と図書館、古本屋によって本を手に取る。立ち読みした『popeye』最新号の岡本仁さんの連載で、永井宏さんが取り上げられていて、ハッとする。
帰宅後につけたラジオに出演していた、橋本絵莉子さんの新曲「宝物を探して」がとても良かった。イントロのメロディが頭から離れない。名曲だと思う。司会者とのやり取りにも好感を持つ(SF小説にハマっているらしい)。もうずっと前に遭遇した、チャットモンチーのライブは痛快だった。メンバー脱退後のデュオ編成。ロックンロールでめちゃくちゃに遊んでいて、観ているだけで元気になった。
昼寝をしたのち散歩に出る。夕方の筑波大学は授業の合間だったのか、キャンパスを歩く人が多い。耳に入る言葉は英語、中国語、日本語、などなど。服装もさまざまで観察しているだけで面白い。午前中にすれ違ったお洒落な白人男性を、また見かける。白のコンバースの履きこなしがカッコいい。
今日はビールを飲まないと決めている。
2022/10/09
『O CÉU é Velho Há Muito Tempo』(CD/LP)
LUCAS SANTTANA『O CEU e Velho Ha Muito Tempo』が届きました。
トン・ゼーの甥っ子でジルベルト・ジルのフルート奏者でもあった、ルーカス・サンタナの2019年作。独特の響きを持つ声、ギターとで構成された楽曲群は簡素ではあれ、深みを感じさせます。この翳り、哀愁を言葉にすればサウダーヂ。ゆっくりとお楽しみください。
販売価格は2800円/3850円(税込)。パリのレーベル「NO FORMAT!」からのリリース。
10/9 店日誌
10月9日、日曜日。午前中、自宅の庭の草むしり。散らばった枯れ葉と草を集めてゴミ袋にまとめて、40リットルで17袋。動き出したら止まらなくなり、やれるだけやった。サッと昼食をとった今、とても眠たい。今日の仕事を終えた気分である。
昨夜告知を始めたトークイベント「Meet our "Celluloid Hero" in person !! ~伝説の書、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』を著者と紐解く
新入荷、色々あり。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。
2022/10/08
「伝説の書、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』を著者と紐解く午後」–終了しました!–
西川亮太 作品展「風邪をひいた時に見たもの」
10/8 店日誌
10月8日、土曜日。午前中、今日からはじまる「TOMU TOMU STORY イラスト展」(10/8~28)のチラシ、ポスターを刷るため〈えんすい舎〉に自転車を走らせる。5分ほどで着いて、コバちゃんに作業を頼むと30分も経たずに刷り上がり。 近所に印刷所があるとすごく便利だ。対面で作業できるのも、自分に合っている。
その後、〈えんすい舎〉と同じ天久保一丁目にある〈Gallery Y〉に行き、田川基成 写真展「海の記憶」(10/7~16)を見る。力のある展示。これは、多くの人に見られるべき。気になったのならぜひ足を運んでほしい。
今日、明日は13時開店。20時頃まで開けているつもり。
2022/10/07
2022/10/06
スペクテイターの栞、二種。
雑誌『Spectator』特製、二種の栞が届きました。
最新50号「まんがで学ぶ メディアの歴史」特集も大好評! 当店と同じつくば市に拠点をかまえるスペクテイター編集部から直納品。関根美有のイラストに「KNOWLEDGE IS POWER」「Follow Your Curiosity」の言葉を添えたもの。ちょうど良いサイズ、カラーなので使いやすいと思います。
スペクテイター最新号かバックナンバーをお買い上げの方に差し上げます(無くなり次第、配布終了)。