4月30日、金曜日。明日から本格的にはじまるゴールデンウィーク。極端に混み合うような場所がなければいい。人がそれぞれに行きたい場所を見つけて、自分なりの方法で足を運ぶようになればいいなあと思う。優先すべきは、情報よりも直感。損得感情との距離の取り方を、少しずつでも学んでいければ、もうちょっと余裕を感じられるんじゃないかなァ。
明日から5月。11日(火)以外は通常営業する予定です。
4月28日、水曜日。昨日は開店直後に一人、本の買取依頼の学生さん。歌集など粒ぞろいの本を持ってきてくれる。査定をしている最中に長野県伊那市〈黒猫〉からの荷物が届く。その荷を解く間もなく友人たちが登場。…ビールをガサガサぶら下げて。虚をつかれて狼狽していると、外になんとなく見覚えのある人が立っている。よく見ると、ああ、数年前に一度お邪魔した酒場の店主じゃないか! なんとまあ、不思議な連なり。いろんな場所から人が同時にやって来た。
1964年メロディヤ設立から1991年ソ連解体までの四半世紀あまり、15の共和国を有する巨大な多民族共産主義国家ではどのようなジャズのレコードが作られていたのか。鉄のカーテンの隙間から覗き見る米国のスタイルを規範としながら、いまや世界音楽となったジャズは冷戦体制下の微妙な蠢きとして多様な発展を遂げていた。
岡島豊樹・編『ソ連メロディヤ・ジャズ盤の宇宙』が届きました。
カンパニー社がまた、やった! 今回はなんと、ソヴィエト連邦の国営レコード会社「メロディヤ」の主要タイトルをほぼ網羅したという、本邦どころか世界初(!)のソ連ジャズ・ディスクガイド。ページを繰ってみても自分に知ってる名前は見当たらない。されど、なぜだか心をグッとつかまれる。巻頭のジャケット図版だけでも見ごたえがあります。
販売価格は2200円(税込)。同社の前作『AA 五十年後のアルバート・アイラー』の初版(赤版)も在庫しています。
咽び泣く抒情、目眩く旅情、どこでもないどこかへ思いを巡らす妄想の夜。愛いとなみ。紳士と淑女、ラウンジ、シャンデリア、グランドピアノ、楽団、カクテル、ウイスキー、ロック水割りストレート、VIDEOTAPEMUSICが放つ、まやかしエキゾチック・イージーリスニング・ムードミュージックBGM決定盤ミックスCD。-COMPUMA
VIDEOTAPEMUSIC『Hello Stranger』が届きました。
BLACK SMOKER RECORDSのミックスCDシリーズ、最新作。VIDEOTAPEMUSICによるエキゾチック・ラウンジへの招待状。すぐそばにある異界へ誘いこむような雰囲気で、再生中に脳内に浮かぶ景色、色彩はドニョリとしていて面白い。何気なく流してみても、よーく耳を傾けても楽しめるはず。
販売価格は1650円(税込)。通販希望の方はメールでお問い合わせください。
雑誌って本来は写真でも詩でもなんでもページに加えていい、やりたい放題やれるメディアだったわけじゃない。なのに最近は、ZINEだってマジメな内容が多いもんね。–青野利光(『Spectator』編集長)
『つくづく別冊①トーク・ショウ スペシャル』が届きました。
当店ではこれまで『つくづく』vol.1から派生した『自家中毒』、タオルブック(vol.6.)、セルフカバー(vol.8)、カメラブック(vol.37)を扱ってきましたが、ここに来て、ようやく雑誌めいたものが到着! 「友だちと互助会」というテーマで語られた11本の対談、3つのコラム、巻頭グラビアで構成されたペーパーバック。特異な重力を感じます。
販売価格は1320円(税込)。左右雑談からの編集後記にいたる流れ、お見事です。
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『つくづく別冊①』特集=友だちと互助会
◆巻頭グラビア エリイ( Chim↑Pom)&ザ ベストフレンズ ◆トークショウ ① 青野利光×植田浩平 ② 戸田真琴×飯田エリカ ③ 能町みね子×サムソン高橋 ④ 岩井秀人×池田亮×田中祐希 ⑤ 神谷圭介×大谷皿屋敷 ⑥ 喰始×コラアゲンはいごうまん ⑦ 荻原魚雷×金井タオル×木原基行 ⑧ コメカ×パンス(TVOD) ⑨ 若林恵×宮田文久 ⑩ エスペランティストの皆さん ⑪ 爪切男×高石智一 ⑫ プロボケ ◆エッセイ ・下井草秀 ・植田将暉 ◆無限階段 ・竹内厚
My loads are lightの新作靴下が届きました。
メリノウール素材で、これまで以上にやわらかなはき心地。的確に一箇所、ロゴを縫いつけただけのシンプルなデザイン、3色展開。ご自分ではくのにも、贈りものにも、ちょうど良い上品さ。ぜひ一度、足を通してほしいです。
「あ、できた!」という体験を子どもには何度も味わって欲しいです。
興味があったら二の足は踏まない。考え過ぎてできた試しがないからやればいいよって。
平野公子・編『聞かせてください、あなたの仕事』が届きました。
香川県に拠点をおく8人、それぞれの仕事についてのインタビューを収めた一冊。花屋、健康運動指導士、芸術祭支援サポーター、ベーグル屋、ダンサー、本屋、パフォーマンスユニットと紹介される職種は幅ひろく、自由な雰囲気がただよいます。そして、登場するどの方も身の丈で奮闘中ってところが素敵なところ。特別でない話だからこそ、聞き手・読み手に響くんだろうなあ。
販売価格は1430円(税込)。刊行元は「horo books」。700部限定です。
4月14日、水曜日。昨日は開店してすぐ、「仕立て屋のサーカス」に託していた本たちが返送されてきた。その荷を解く間もなく「MAD LOVE records」の新譜各種、「My Loads Are Light」から新作靴下が同時に届く。そのとき店には筑波大を退官されたばかりのU先生。聞かせてくれるお話がどれもこれも興味深い。今、自分が考えていること、読んでいる本の内容とも響き合う点が多く、会話を止められない。
届いたばかりの音源を聴きながら、古本を並べていく。元あった場所に戻すつもりで手を動かし始めても、微妙に場所が入れ替わる。この本はここ、あの本はあそこ、今の気分に任せていく。並び終える頃には、本棚の顔つきが変わっている。その作業が落ち着く頃にO君がビール片手にやってきた。ベリーナイス。
江の島の暮れゆく美しい海をバックに、メロウに滑走し、幸せに捻じれながら上昇して、極まっていくフロア!正にその瞬間を切り取ったかのようなミックス!
Latin Quarter『Hearty Party』が届きました。
新作と同時に届いた最新ミックス。江ノ島〈オッパーラ〉で毎年12月に開催される名物パーティー「Hearty Party」の空気を再現するような曲調、選曲! 全体から伝わってくるハッピーなヴァイブス! CDからあふれ出す音に触れれば、きっとわかってもらえるはず。試しみてほしい。
販売価格は1100円(税込)。パーティーの主宰者ABESTREEMのレーベル「A・B・E records」からのリリース。
自身のMIXやDJプレイとも共通するスムースでメロウなバイブスも持ちつつ、独自のユーモアでサンプリング&コラージュされたオルタナティヴなディスコ・ハウス6トラックを収録。夜の街にうごめく最高にクールな泣きの傑作ハウス・ミュージックの誕生です。
Latin Quarter『pattern01』『Mock』が届きました。
横浜ベイエリアを中心にDJ/トラックメイカーとして活動する、Latin Quarterの13年振りの新作。粒のたったビートがファンキーな「Don’t Care」(A1)で幕をあけるディスコ・ハウスを6曲収録したカセットテープ。同時に2015年製作の未発表埋蔵音源を収録した『Mock』も入荷しています。
販売価格は1650円・1100円(共に税込)。どちらもダウンロードコードが付いています。
4月11日、日曜日。朝起きて、身支度をして武蔵小杉を出発したのが9時半前。そこから東横線(副都心線直通)、千代田線、つくばエクスプレスと乗り継いで、つくばに着いたのが11時頃。早い。あっという間に着いてしまう。ただ、つくばに近づくほど電車内がのどかな雰囲気になっていったのが印象的。東横線の若かった車内が、千代田線の日比谷を過ぎたあたりで落ち着いてくる。つくばエクスプレスに乗るために北千住のホームに上がると、ホッとひと息。一人あたりの空気量が潤沢にあり、安心感が高まる。好天の早春、日曜日の午前中という条件がそうさせたのか、はじめて覚える感覚だった。
駅から昼食を取りに行った店をはさんで一旦帰宅。少し休んで、店に立ち寄り、〈OctBaSS RECORDS〉に向かう。昨年末から延期になっていた「YOSSY LITTLE NOISE WEAVER spring live 2021」開催のため。10名限定。正直に言えば、少人数でのライブってのはどうなのか…と、振り切れない気持ちもあった。だが、やはり。音が鳴ってしまえば、迷いが一気に吹き飛んでしまった。リハーサル中の音を聞きながら、歩道でビールをのんだあの時間。お客さんが入ってからの雰囲気。これはやはり、かけがえのないものだなあと再認識。小さくとも、大きな意味のある催事になった。
ヨッシーさん、イッチーさんを見送った後は会場のオーナー、エスプラ君と久々にしっかりと酒をのみ、じっくり話した。その途中、途中に交ざってくる(乱入してくる?)隣店の先輩のお話、酔い方が素敵だった。自分はやはり、つくば、天久保が肌に合う。人との距離感、町の大きさ、どちらにもしっくりきている。そこでの自分の役割は何だろうか、と考える日々。
あらゆる表現には賛否があってしかるべし。そう考えている人は多いだろう。ただ、多数の観衆の前でそれを実践できる人たちは、なかなかいない。いざ、現前されると言葉に詰まる。それでも、時間をかけて考えてみると、あそこは良かった! とか、あの展開は嫌だった、とか色々な感情を見つけられるはず。今日の公演がそんな機会になればいい。数ヶ月経って、よみがえるシーンがあったりすれば、すごくいい。
今回の横浜公演、自分が立ち会えるのは今日まで! お買い上げくださった方々、声をかけてくれたり色々質問してくれた人たち、ありがとうございました。やはり、本や音源を介して人と交流するのは面白い。色々感じて、考えさせられる現場ってのは刺激的。
PEOPLE BOOKSTOREの出版部門「PEOPLE BOOKSTORE LIBRARY」を立ち上げ、第一弾刊行物として矢吹純作品集『LIGHT HERE,LIGHT NOW』をリリースします。カバー、ページレイアウト等のデザインワークを担当したのは佐藤拓人。膨大な量の原画を吟味し、ページに落とし込んでくれました。ページ数は300ページ超! 電話帳をイメージした判型、厚みになっていますので、是非現物を手にしてほしいです。
今日、お知らせできるのはここまで。と言うか、自分たちもまだ本そのものを手にできておらず、もうひと頑張りが必要な段階。ここから予約受付(特典をつける予定!)、発売日告知と少しずつ進んでいきます。今後のアナウンスにも、どうぞご期待ください。
この国の文化は、メイン対サブという区分が意味をなさなくなって以降も、消費されるスピードに創造が追いついていないという点で、ますます疲弊しているように見える。古典だけじゃない。この国では、ありとあらゆるものが絶ち切られたままだ。(「長いお別れPART2」)
出版などというヤクザ稼業に足を踏み入れたからには、じぶんがやりたいことをやるのが先決。いくら売れるからといって、他人がやったことのまねをするようなやつはバカにされてもしかたない。そんな暗黙の原則がごくあたりまえのこととして通用していた。(「汝、まねするなかれ」)
YOSSY『HONEY』が届きました。
YOSSY名義での初ソロ作品。本人による多重録音、ピアノだけのインストゥルメンタル、ゲスト(icchie、栗原務、伊賀航)を迎えた楽曲等で構成された、6曲入りのミニアルバム。YOSSY LITTLE NOISE WEAVERでの演奏・音源に比べると、やや小さく内面的な世界をあらわした作品集です。
販売価格は2200円(税込)。同作のアナログ盤(10インチ)も在庫しています。
あれこれ想定し、万全の手配をしても、土壇場で、どうなるかは分からない。人と比較する同じ物差しでは、推しはかれない。死だけは、みんなと一緒に渡れば怖くない橋ではないのだ。そんな事を考えて見る映画は、時に苦く、耐え難いが、素晴らしくもある。−秦早穗子
mmm『safe mode』(CD-R)が届きました。
池間由布子との共作音源『パープルフール/透明な箱』も好評! 2014年発表の宅録音源はときに激しくも、しっとり聴かせる部分もあり、小さくとも幅のある感情を封じこんだ充実作。英語と日本語が交ざるゆえか、聴くたび異なる印象を受けます。力のある音源。
販売価格は880円(税込)。今は小雨、しずかな日曜日の午後にすごく合います。