2014/05/31

WHO!


アートブック『WHO』を編集発行している杉原州志さんはPEOPLEのご近所さんでした。
これはなんとも嬉しい偶然。というわけで、『WHO』全号を取り揃えております。各号1200円で販売中。
杉原さんとの企画も準備中です。どうぞご期待ください。

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about who

毎号一人を特集するアートブック

WHOは、毎号一人の現代美術作家を特集するアートブック。まるごと一冊かけて一人の作家を徹底解剖します。作品に関してはもちろん、彼らのアトリエ、普段の生活にもお邪魔して、そこから見えてくる作品と作家のきってもきれない関係を紹介していきます。

アート素人が発行するアートブック

WHOは、アート初心者によって作られるアートブック。美術に関する専門的知識はないけれど、目の前の作品について知りたい。そんな想いとともにつくられた、読みやすく、とっつきやすいアートブックです。

WHOが選ぶアーティストたち

WHOで紹介するアーティストは、独特の世界観を持っている人たち。世界観の方向性が明確で、その感度がものすごく強いから吸引力もあるし、すごく魅力的。かれらの世界観が凝縮された作品とともに、WHOが作家と出会って触れた魅力ある世界を紹介していきます。

2014/05/30

祭りって、なんだい




“祭りが好きだ、と言う人たちは多い。私もその一人だが、けっこうなことだと思う。踊る阿呆に見る阿呆、どっちだっていいじゃないか。いいものは、いいんだ。好きなものは、大好きなんだから、理屈や由緒(いわれ、と読んどくれ)は、どうでもいいさ。そりゃあ知ってるほうが、感じ方がずーっと深いだろうし、そんなこと常識だもんな。でも、このごろは常識様が多すぎて、ちんまり、むっくりになりすぎた。もう一度、祭りを根底から見直してほしい。ほんとはね、祭りは見るもんじゃないよ。その町の、その村の、その人たちの、深い祈りの儀式なんよ。” 

祭りって、なんだい。これは素晴らしい文章だ。
書き手の唾が飛んできそうな、焚火を囲んだ酒の場のようなテンションで語られる、祭りのこと。
欲望と信仰心、燃えて燃えて燃えるような生への執着心、さまざまな炎が入り交じって花火となる、それが祭り。
ときに穏やかに、ときに狂ったように。人びとが日常から昇華する、聖なる儀式。そういう祭りに出会ってみたい。
この本のページをめくりながら、ボクはそんなことを考えている。そして、ドキドキしている。

“祭り曼荼羅とは何か、私は建築家としてそれを考えてみた。情報化社会が、人間をサイボーグ化しようとしている。情報の処理、伝達手段を地球から宇宙にまで拡大し、人間の知覚し得ない世界まで機械装置が記号におきかえてしまった。”

本書、『祭り曼荼羅』は西川驍氏が日本中を歩き、写真におさめ、声をあつめた、お祭り読本。
西川氏自身が「ぐっと迫って、ガチガチ激写」したという粒子の荒いモノクロ写真の力強さ、カラー写真の生々しさをご体験頂きたい。
そして人びとの生活と祈り、信仰心が静かにかたく、結びついていた時代に思いを馳せてみてほしい。スピリチュアルは身近にあった、と気づけるような気がするから。もちろんボクも信仰心や祈りからほど遠いところにいる。全く関係ない生活を送っている、と言っても過言ではない。それでもなぜか、いま、現代の管理、画一を迫る社会の力に対抗しうるのは祭りの力なのではないかという気がしているのだ。

いま必要なのは、踊ること、歌うこと。
いや違う。言い換えよう。こんな状況でも、踊ってしまい、歌ってしまうこと。その熱に思いっきり浮かされてしまうこと。
それぞれが好きなように、自分のリズムで、調子はずれな音頭を取るのだ。そこから始まることが沢山ある。きっとそれは間違いない。
“フェス”という言葉で置き換え切れない、祭りの力。いまこそそれを学ぶ時機なんじゃなかろうか。

西川氏と同じ建築家、坂口恭平氏が踊りまくる『坂口恭平のぼうけん①』。
元祖・激写の篠山紀信氏が踊りまくり撮りまくる『オレレ・オララ』との併読もオススメ。

2014/05/29

『IMA』の最新号が入荷しました。




写真をゆっくり読む雑誌『IMA』の最新号が入荷しました。
vol.8となる今号の特集は“ストリートフォトのゆくえ”。古今東西を問わず世界中の路上で撮られた写真群。
覗き見、盗撮? 被写体のプライバシーは? なんて問題を孕みながらも世界中で撮られ続けている、ストリート写真の今を切り取ります。
アレックス・プレガー、アンダース・ペーターセン、ロレンツォ・ヴィットゥーリ、ダン・ソロモン、マーク・コーエン、ダグ・リカード。
特集で取り上げられている上記の写真家、どの作品が一番気になるのか、読んでみて話をするのも面白いと思います。

ボクが驚かせられたのは、ロレンツォ・ヴィットゥーリ。
彼の写真の色彩にハッとさせられ、あらたな目が開いたような感覚です。

以下、公式情報を転載します。

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小山泰介×PERRIER- JOUËT

巻頭ストーリー アダム・ブルームバーグ&オリバー・チャナリン

「Scarti」
「過去の偶然が予期した2人の未来」 インタビュー・文=伊東豊子

特集 ストリートフォトのゆくえ
「Face in the Crowd」アレックス・プレガー インタビュー・文=日比野靖代
「Soho」アンダース・ペーターセン 文=古川日出男
「Dalston Anatomy」ロレンツォ・ヴィットゥーリ 文=今福龍太
「Witness」ダン・ソロモン 文=小林エリカ
「Dark Knees」マーク・コーエン 文=フリーツ・ヒールズベルグ
「Tom」ダグ・リカード 文=若林 恵

「ストリートフォトの過去、現在そして未来」 文=スティーブン・マクラーレン
「エド・ルシェの『オン・ザ・ロード』」 文=青山 南

新時代のストリートフォトグラフィ
Fourteen-Nineteen 二人のキッズが立ち上げた気鋭の出版社
14都市で聞いた、写真集で知るストリートフォトの真髄
路上で闘う若手写真家たちの座談会

ファウンドフォトが写真にもたらす無限の可能性
PHOTO BOOK STUDIES 特別編
vol.8 「ファウンドフォト」 ホンマタカシ/井関ケン

VAN CLEEF & ARPELS 職人の対話が新しい芸術の価値を生む

「AUJOURD’HUI LE MONDE EST MORT」杉本博司 文=和田京子

What’s IMA CONCEPT STORE?

「Balthus-The Last Studies」バルテュス 文=高橋源一郎
節子・クロソフスカ・ド・ローラ「鉛筆に代わったポラロイド」
インタビュー・文=藤原えりみ

本城直季×Dior

Book in Book
『STEP OUT! vol.4』若き写真家のためのポートフォリオ集

桃井敦史/村越としや/宇田川直寛/若林勇人/喜多村みか+渡邊有紀

連載
Photo Planet 世界の写真ニュース
Vintage Photobooks
Best Sellers+1
Report 南仏イエールの写真フェスを現地レポート
New Books
The Great Master’s View vol.8 エドワード・マイブリッジ 文=阿久根佐和子
アートフォトコレクターへの道! vol.2
写真の新潮流を訪ねて vol.2 南アフリカ
PHOTOGRAPHER’S FILE 04 シャーロット・コットン


2014/05/23

PEOPLE Tシャツをリニューアルしました!




“パワー・トゥ・ザ・ピープル、人民に権力を! DO IT! 黒は美しい!
禁止することを禁止する! ハートに火をつけて!
なにかがおこりつつある、が、あんたにはわからないのさ、ミスター・ジョーンズ!
オール・ユー・ニード・イズ・ラブ! EVERYBODY MUST GET STONED!”

-『宝島』1979年3月号 “10IMAGES-Memorandum of `60s-”(構成 小島武/征木高司)より

PEOPLEのTシャツをリニューアルしました。
好評のステッカーと同じデザインをプリント。はっきり言って良い仕上がりです。
ボディはDaluc Standard、白と杢グレーの2色。サイズはS、M、L、XLの4種類。

洗って乾かすと少しだけ縮みます。ボク、植田(約170cm・細身)は一回洗ったMサイズが良い具合です。女性にはSサイズをオススメしています。

販売価格は税込で2800円。通信販売にも対応します。

□通信販売をご希望のお客様へ:
Tシャツの送付には「レターパック・ライト」を使います。送料360円。
本体価格2800円+送料360円=3160円に加えて、お振込み手数料はお客様にご負担願います。
まずはmojomojo.people〇gmail.com (担当:植田)までお問い合わせください。



2014/05/22

「事件は現場で起きている!!」 -終了しました!


「事件は現場で起きている!!」

写真家・阪本勇氏のトークショーにお招き頂きました。
オレでいいのか・・・という恐れ多さと同時に、なんだか面白そうだな〜と他人事のように楽しみにもしています。
植・植繋がりの植本一子さんとお会いできるのも嬉しいです。色んな話を聞いてみたい。

そう! 事件は現場で起きている!!
なにはなくとも、銀座ガーディアン・ガーデンで開催中の阪本勇写真展「天竺はどこや!!」をご覧頂きたい。
ああも天晴な写真展は珍しい。あんな空間をつくれる人は阪本氏以外にいないだろうとボクは思っています。
素敵すぎる告知フライヤーをPEOPLEでも配布していますので、是非、お手に取ってみてください。
そして、会場までお出かけください。

以下、開催概要です。


***


※いまはウェブでみれません。

阪本勇展 「天竺はどこや!!」トークショー
「事件は現場で起きている!!」

“からだの中から溢れ出る「衝動」という名の表現意欲にただひたすらに突き進む現場主義の三人。
今回のトークでは、古くから阪本を知る二人をゲストにお招きし、阪本の写真の周辺に潜む数々のエピソードや、各々の「衝動」の正体についてお話しいただきます。”

出演:
阪本勇
植本一子(写真家)

植田浩平(PEOPLE代表)

会場:
ガーディアン・ガーデン
東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル B1F
http://rcc.recruit.co.jp/gg/index.html

日時:
2014年5月29日(木)
19時10分-20時40分

入場無料
要予約(予約TEL 03-5568-8818)

http://rcc.recruit.co.jp/gg/exhibition/gg_sec_ph_201405/gg_sec_ph_201405.html

2014/05/20

今日の一枚。



とにかく最高。最高なんだ。
なにがって、ピーター・ゴールウェイの『ハロー・ストレンジャー』だ。
聴きながら、昼間っからビールをあおって小躍りしてしまった。そりゃあもう、とんでもなく幸せな時間だった。
いつまでも包まれていたくなるやさしい音、歌、ジャケットも素晴らしい。この季節にぴったりなんじゃなかろうか。
いま、いちばん好きなアルバム。まったく飽きない。何度も何度も聴いている。

ボクはフィフス・アヴェニュー・バンドはほとんど知らない。しかし、知らないってことは素敵だなと思う。
まだまだ、たくさん、出会うべき音楽はあるってことだ。なんつーのか、そりゃあ幸せだ。



2014/05/19

日曜の朝のコーヒーワークショップ


オーツボさんが「コーヒーと向き合う」と言いだした。
ほうほう、そりゃあいい! と思っていたら、日曜の朝のコーヒーワークショップがはじまるそうだ。
レッスンではなく、ワークショップ。ここが重要。教えられるのではなく、自分で考える。何が美味しいか、自分の舌で感じてみる。
味とはいったい何なのか。のどごしか、舌ざわりか、はたまた香りか。いやはやその日の気分なのかもしれない。
そんな感覚をいま一度、精査してみる良い機会になると思う。

そして、これが続けばいいなあ、とボクは勝手に心配もしているのだ。

***

今月から、毎月1回コーヒーワークショップを開催いたします。

今回は、ハンドドリップ講座です。
とはいっても僕から美味しいコーヒーの淹れ方をお伝えするようなことはしません。
お湯の温度や、豆の挽き方、お湯の落とし方の違いが香味にどのような影響を与えるのか
いろいろ試してみて、一人ひとりが自分の好きなコーヒーの淹れ方を探っていく機会になればなと思っています。

千年一日のワークショップでは、僕から何かを伝えたり、教えたりするのではなく、
コーヒーに関する事柄を各自が体験的に発見してもらうことを目指しています。

 日 時 5月25日(日) 9時~11時頃まで
 料 金 2,000 円(コーヒー豆 200g 付)

予約・問い合わせ
メール 1001coffee@gmail.com  電 話 029-875-5092


2014/05/17

本屋ブルッックリンに入荷がありました。




オンライン・ショップも始動した「本屋ブルッックリン」の新着入荷。
これ以外にも面白い本が入ってきています。ヴィジュアル本や黒人本をお探しの方におすすめです。

2014/05/16

indigo spiceに感謝を込めて。


突然届いたインディゴ・スパイス
クーーールすぎるバッヂと一緒に。黄金町の丘の上に住む、ヨーヘイ君はセンス抜群だ。
彼の住処は心地よい。選曲も最高だ。枠に捉われない発想と大胆な行動、丁寧な生活にも憧れる。
ありがとうありがとう。友人に料理してもらいます。

そして、なんとなんと、インディゴ・スパイスが感謝祭を開催するとのこと。
日時は6月1日、4時20分から(YEAH!)。会場は江の島オッパーラ。
YO! CHECK! よろしくです。

***

””Grains of Paradise 2o14”” 〜∞indigo spice∞感謝祭〜 2o14.6.1(SUN) 江ノ島 16:2o start! ¥2ooo(w/1GIFT) [LIVE] FLY Indus&Rocks

[DJ]

horiken
Isojin Boys
[LIVE PAINT] tAt [CURRY] ∞indigo spice∞ info→→→ indigospice.om@gmail.com

2014/05/14

お知らせ


今週の日曜日、18日はイベント出店のため11時から16時までの営業です。

2014/05/13

em recordsのCDが入荷しています。


em recordsのCDが入荷しています。
『レイド・バック』と『キャプテン・カリプソのブードゥー・パーティー』。タイトルもジャケットも最っ高にイカしてます(もちろん音も)。
梅雨から夏ををゆらゆら、ぐらぐら楽しむために仕入れました。ムスッとしてもしようがない。ヘッポコでいい。踊りましょう。
マイペースにつんのめってお楽しみください。

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コーキー・キャロル&フレンズ『レイド・バック』

「コーキー・キャロルはサーフ史上初のプロ・サーファーであり、1966年からビッグ・タイトルを総ナメし、サーファーマガジン誌より「ナンバーワン・サーファー」の称号を与えられた猛者。そのナンバーワン・チャンピオンだったキャロルが、プロ・サーファーから引退する契機ともなったサーフィン史においても重要なアルバム、それがこの『レイド・バック』(1971)だ(彼は1972年に勝負の世界から身を引く)。」

「本作の核心は演奏者が本物のサーファーであることだ。キャロル曰く、「それまでのサーフ・ミュージックといわれるものは、たまにサーフィンもするミュージシャンがやったもので、本物のフルタイム・サーファーが演奏するものは無かった」。」

ワイルド・ビリー・チャイルディッシュ&ザ・ブラックハンズ『キャプテン・カリプソのフードゥー・パーティー』

「英ガレージ・バンド、ジー・ヘッドコーツ/ミルクシェイクスを率いたボヘミアンでビート詩人でミュージシャンのビリー・チャイルディッシュが、ラテン/カリビアン音楽をプレイしたものだが、これはカリプソなのかルンバなのかニューオリンズなのか、あるいはロックステディなのか判然としない怪しい演奏が繰り広げられる。」

「実はこのアルバム、ビリーがアイディアを思い立ってすぐにメンバーをかき集め(初対面3名含む)、会ったその日にいきなり録音して1日で仕上げたという勇ましい伝説を持つ(しかもリハ無し)。」

http://emrecords.shop-pro.jp/

2014/05/11

Today's YouTube #99



“マーシー”こと野田昌志さんに会ったのは3年前
のこのこと出かけていった葉山でだった。マーシーさんがカメラとビールを抱えていたのをよく覚えてる。
流れていったカフェで、いろいろ話をした。なにを話してかは覚えてない。

出会いは不思議だ。予期もせずやってくる。
葉山のわんぱく坊主、トト君も偶然出会った。知人が営む酒場のカウンター。彼はひどく酔ってた。
でも、面白かった。信用できる奴だなと思った。その後、あちこちで会って、話して、酒を呑んだ。
豪快に金をばらまく酔っ払い。トト君は良い奴だ。

ようこそ、いらっしゃい。
そんな二人がつくばに来てくれ、この記録が出来た。
ありがとうありがとう。なんだかとっても嬉しいぞ。

2014/05/09

また、土曜社の本が入荷しました。




――小笠原訳で目の前に現れた『ズボンをはいた雲』は、私のささやかな先入見を微塵に打ち砕き、底知れぬ魅惑の力で、次へ次へと行を追わせた
(入沢康夫「マヤコフスキー『ズボンをはいた雲』讃」より)

――全く、こういうものは空前絶後というか、一九一五年当時の「二十二歳の美男子」マヤコフスキーにのみ発生した一種の奇跡みたいな現象で、それ以前には決してなかったし、それ以後の二十世紀が二十一世紀に変っても、当分はあり得ないのではあるまいか
(小笠原豊樹「訳者のメモ」より) 


また、土曜社の本が入荷しました。
今回の目玉はなんといってもマヤコフスキー叢書の『ズボンをはいた雲』でしょう。
とにかく表紙写真が格好良い。そして、それを開いた扉ページも最高。とにかく素晴らしい。
恥ずかしながら、マヤコフスキーを全く知らなかったボクですが、これで彼にかぶれてみようと思います。
薄くて軽い、洒脱である。ペーパーバックの醍醐味を活かしきった、この造本に痺れてください。

同時入荷は大杉栄の『獄中記』と坂口恭平の『坂口恭平のぼうけん』、『Practice For a Revolution』。
どれも思っているよりずっと面白く、生々しい。胸ぐらを掴まれるような気分になります。


さあさあ、はやく! 街に出ろ!
見逃しちゃいけない景色を見に行こう、出会うべき人にも会いに行こう。とにかくその部屋を出よう。
美味しい空気を吸って、気持ちの良い道を歩いて、美味しいご飯を食べようじゃないか。どこにもないなら、探しに行こう。
あきらめずくじけず探し続けよう。金はなくても頭を使おう。人生の当事者であろう。

そんな気持ちにさせられる、土曜社の作品たちに出会ってほしいです。
そして、どこにでも持ち歩いて、ボロボロにして、メモをしたりして、一冊を使い倒してみてください。
本って面白いなあ、なんて思えるかもしれません。

2014/05/08

阪本勇 写真展 「天竺はどこや!!」



コンセプトはなく、衝動がある。
衝き動かされては走り、衝き動かされては撮る。
じゃあその衝動は一体なんなんだと問われたら、いっぱいあり過ぎて答え切れない。
-阪本勇

知人の写真家、阪本勇氏の展示のお知らせが届きました。
このお知らせ、チラシというのかDMというのか、うまく言い表せないんですが、本当に素晴らしい出来なんです。
手に触って嬉しくなる。広げて、鮮やかな表面にはっとする。ときめく。心に栄養が届いているのを確かに感じる。
そして裏面。阪本氏直筆の展示概要に加えて挨拶文。これまたとにかく素晴らしい。
心から「良いなあ!」と思える、稀有な展示の招待状です。

阪本勇の写真展「天竺はどこや!!」は5月12日から、銀座ガーディアン・ガーデンではじまります。
これは現場で目撃するべき。きっと良いものがみれるから。
是非、お出かけください。

以下、開催概要です。

***

The Second Stage at GG #35

阪本勇展「天竺はどこや!!」

2014年5月12日(月)~ 5月29日(木)
11:00a.m.-7:00p.m. 日曜休館 入場無料
ガーディアン・ガーデンでは、「The Second Stage at GG」シリーズ第35弾を開催する運びとなりました。若手表現者を応援しようと1992年から2008年まで開催した公募展『ひとつぼ展』、2009年にスタートした「1_WALL」の入選者の中からは、各界で活躍する作家が数多く登場しています。このシリーズは、そうした『ひとつぼ展』と「1_WALL」の卒業生たちのその後の活動を伝えるための展覧会です。

今回の第35弾では、写真家の阪本勇をご紹介します。阪本は「天竺はどこや!」で第27回写真『ひとつぼ展』に入選しました。阪本は一貫して、自身の根底から溢れ出る「衝動」に突き動かされながら、シャッターを切り、制作を続けてきました。「三蔵法師が、どこにあるのかわからない天竺へ向けて歩いた一歩一歩。それが自分にとっての写真一枚一枚だ」と語るように、この世のありとあらゆる現場や現象を写真におさめたいと、様々な被写体と真正面から向き合います。しかし、それはただ刺激的な視覚体験を追い求めるものではなく、親しい友人がふと見せる表情や、身近な風景のなかにも、見たことのないものへの「衝動」を見出します。言い換えれば、それは阪本自身が紡ぎだす、人との繋がりや想いの中から現れる、喜びの有り様なのかもしれません。「人は皆、それぞれの手段で、それぞれの天竺を目指しているのだと思う」と言うように、写真を撮ることで、自身の天竺に向かって歩く阪本の行き先を、ぜひ会場でご覧下さい。

2014/05/05

どっさりあるね。


リトルマガジンの鏡と言うべき、大橋歩さんの『Arne』がどっさり入荷しています。
1号から30号までほぼコンプリートです。

2014/05/04

『アイ・アム・ヒッピー』(増補改訂版) -品切れ中!

※『部族新聞』創刊号の復刻版が付いてきます!
2500円+税で販売中!

ヒッピーってなんだろうか?
ラブアンドピース、ロン毛に花、ドラッグ音楽フリーセックス、いやいや、それらはマスコミがピックアップして編集した流行としてのヒッピーに過ぎません。背虫の絵付け職人だった著者の山田塊也(ポン)さんが新宿の路上に立ち、何万人もが押し寄せる祭りをひらくお祭りポン太になるまでを綴ったこの本は、私達が生まれる少し前、60年代から80年代という戦後激動の時代をひとりの人間の生きた目で追うことのできる良書です。
震災後を生きる私たちは70年代のような熱気のカウンターカルチャーは叩き出せないかもしれないけれど、もっとゆるやかで持続可能な共同体、生き方を提案することができるのではないか、アイアム・ヒッピーを読んでそんなことを思いました。ポンさんどうもありがとう!

-古山菜摘

とても重要な本が入荷していました。
“ポン”こと山田塊也による『アイ・アム・ヒッピー 日本のヒッピー・ムーブメント'60-'90』の増補改訂版(森と出版刊)。
ヒッピーとして生き抜いたポンさんにしか語り得ない、日本のヒッピー文化の成り立ち。その栄枯に寄与した人物、事がらが網羅された一冊です。
この本のすごいところはポンさんの個人史でありながらも、権力に付随する排他的な組織から虐げられ続けた層による、裏日本史でもあるところ。
学校やテレビはもちろん、まともな大人は教えてくれないいろんな事実。国に対する新しい視点、考え方。自由であることにのしかかる多くの圧力。
この日本でオルタナティブな存在として生き抜くことのハードさ・・・。その一つ一つにボクは衝撃を受けました。

とは言え、読んでいて辛くなるような内容ではありません。
日本史の授業では知らされなかった出来事。誰も教えてくれない生き延び方、旅の仕方、人との出会い方。などなど。
まだまだ自分は何も知らない! と、脳みその初期化を促す刺激たっぷりの、強烈な書物です。
ポンさん自身によって編まれた丁寧な注釈も読み応えがあり、勉強になります。

ヒッピーという言葉が含有するあらゆる事象は、この本があれば、総ざらいができるはず。
当店大推薦のがっつり向き合い甲斐のある超強力な一冊です。

□参考:
対抗文化専門古書 気流舎 http://www.kiryuusha.com/blosxom.cgi/shop/event/131202a.html
模索舎 http://www.mosakusha.com/voice_of_the_staff/2014/04/post-217.html

2014/05/03

『Spectator』最新号が入荷しています!

※952円+税で販売中! 8%ってやっかいだ!

誰よりもボクが待っていました、『Spectator』の最新号が入荷しています。

前号から続いての「ホール・アース・カタログ」特集の後篇です。
表紙がとっても素敵な今号の肝は、何と言っても編集部がサンフランシスコに行ってきた! ということでしょう。
そして、そこでスチュアート・ブランド、ロイド・カーン、ケヴィン・ケリー、ハワード・ラインゴールドの重要人物と会ってきた! ということ。
会いたい人に、会ってきて、話を聞いてきた。これはすごく大事なことだと思います。誰かに聞いた話ではなく、自分が聞いた話が載せれるわけですから。情報の収集が容易くなった現代であっても、直接当事者の声を聞きに行く。この気概こそが今も『Spectator』が熱を帯びれる理由なのかな、と思っています。
そう。出来事は現場で起こっているんです。そこが一番熱いんです。

「『ホール・アース・カタログ』について、世界に大旋風を巻き起こしたように語られたことは、大部分が「二次情報」でしょう? オレたち、『ホール・アース』のことをさも知ったように書いてたけど、考えてみたら、じつは何も知らなかったんじゃないか・・・・・・。」と。そこで――これだけは是非、聞いておきたいと思った「一次情報」、つまり雑誌編集の現場で当時何が行われていたのかを知りたいと思い始めた。
-赤田祐一 (「「注目すべき人びと」に会いに行く」より)

サンフランシスコ篇の4人の証言はもちろん、その後に続くホール・アース論考も読みごたえがありそうです(未読です)。
どのメディアにも真似できない、『Spectator』のジャーナリズム魂に触れて頂きたいなーと思っています。
そしてその後に、あれはこうだ、いやいや、こうだ、なんて話が出来たら嬉しいなあとも。

とにかく、ボクはこの「新しい読み物」に興奮しているんです!

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スペクテイター30号・2014年4月30日発売

特集「SEEK & FIND Whole Earth Catalog《2》」

伝説の出版物『ホール・アース・カタログの真実を探る3号連続特集。
その後篇にあたる今号では、カタログの創始者スチュアート・ブランドをはじめ4人の歴代編集者の証言を集めるべく、サンフランシスコ、ベイエリアを取材訪問。
カウンターカルチャー・ムーヴメントを底で支えた伝説のカタログは、どのようにして作られたか? ホール・アース・カタログとは一体なんだったのか? いよいよ、その深層に迫ります

スペクテイター 30号 CONTENTS

■ 特集「SEEK & FIND Whole Earth Catalog《2》」
サンフランシスコ狂詩曲 ホール・アース歴代編集者を訪ねる旅

取材・構成 スペクテイター編集部(赤田祐一/青野利光)
スチュワート・ブランド(ホール・アース・カタログ 創刊編集・発行人)
ロイド・カーン(ホール・アース・カタログ編集者・シェルター出版主宰)
ケビン・ケリー(『Whole Earth Review』、『WEC Signal』編集長)
ハワード・ラインゴールド(『Whole Earth Review』『Millennium WEC』編集)

■ ホール・アース・カタログ 最後の夜

大谷秋人

■ ホール・アース・カタログを通読する

桜井通開

■ ヒッピーたちは、なぜパソコンに魅せられたのか?

文/仲俣暁生 (文芸評論家)

■ ヒッピーたちは、お金とどう向き合ったのか?

細川廣次(作家)

■ 『ホール・アース・カタログ』ともうひとつの出版史

浜田光(アマナクニ代表・『名前のない新聞』編集発行人)

■ アレクサンダー・テクニークと『ホール・アース・カタログ』の接点

片桐ユズル(京都精華大学名誉教授・アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル認定教師)

■ 「ニュー・ゲーム」の誕生と『ホール・アース・カタログ』

阿木幸男(非暴力トレーナー)

■ エディット運動としての『ホール・アース・カタログ』

室謙二(ジャーナリスト)

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■ 木滑良久、ものづくりを語る(前編) 雑誌づくりは「町工場」じゃなきゃダメ

構成:赤田祐一 撮影:伊藤和馬

■ 猟盤日記

戸川昌士

■ SMALL TALK OF THE TOWN

:鈴木鉄平/Yusuke Suzuki/タニナオコ/吉田慎司/紅梅亭こんび/坂本大三郎/tintin/粟嶋トオリ