2024/01/02

小阪靖子が2023年を振り返る

 〇〇の小阪靖子です。この〇〇の部分は年々複雑になる一方。iroiroというタイで服を作っているブランドのデザイナー兼代表をしておりまして、タイ仕入れ中に街の景色なんかの写真も撮っています。それとは別に小さな本も昨年は自費出版で作りまして(タイトルは『これがわたしのINSTAGRAM』という小さな白い本です)その本をPeopleBookStore店主植田氏にお願いして置いてもらったりもしてそのご縁で今回のお話も頂きまして…えぇ。…それからイヴェントやパーティのオーガナイズのお手伝いもやっておりまして、はい。そうそして少し前までは『群青』というお店(’21閉店)のオーナーでもあったわけで、、、複雑且つ難解の極み。すみません。こんな私なので2023年印象に残った事も複雑に絡まり合ってしまっているのでその糸を解く作業の様に失礼ながら皆様に何かをご紹介するフリをして自分の脳内と身辺整理をさせてもらいます。身辺整理ってなんか怖。ちなみにPeopleBookStore店主植田氏とはiroiroの展示会を時々開催して頂いておりますShingostar Livingの伊藤夫妻にどういう経緯であったかは得意の忘却の彼方へ葬り去るという技で記憶がないのですが何にしろ初めは「すげえ本屋があるから・・・」と連れて行って頂いたのが知り合ったきっかけです。
 
 いろんな事を複雑に絡めながら仕事をしている自分にとって、2023年もたくさんの人やお店や場所や音楽や映画、そして写真、読み物そういったモノたちとの出会いに溢れていました。中でも2024年の新年に植田氏のお店のBlogに寄稿できるモノやコトといったらこれかな〜?ん?どれかな〜?あれ?あっちかな〜こっちかな〜・・・と日記的要素もある自分自身のInstagramのストーリーズのアーカイブを2023年1月1日から遡ってみたらネタがどんどん出るわ出るわで収拾が付かずすっかり原稿が遅くなってしまいました(植田氏ごめんなさい)。収集がつかなかったので具体的な物の紹介の代わりに大きな自分の中の気付きの一部始終を少しお話ししたいと思います。

 タイという国しかり、なのですが私はここと思ったら同じ場所にひたすら通い続ける、というような粘着質な旅をする(ある意味ただの面倒臭がり屋)ので新しい場所に行ってみたい!となることがあまりないのですが昨年2023年は振り返ってみると今まで行ったことのなかった日本の場所2ヶ所へ行っていました。山梨と栃木北部の黒磯。山梨は甲府だけでなく山梨中の行ってみたかった要所要所を転々と。きっかけは福岡で私も主催をさせてもらっているタイ・アジア音楽の集い(パーティー)”SOMTAM WAN ANGKHAAN"(ソムタムワナカーン)。そのパーティーでも時々ゲストで招致しているOMK(One Mekong)という4人組のDJクルーのうち2人が、山梨の奇跡のムーヴメント(と私は思っています)Stillichimiyaのメンバーで、そのつながりから山梨に興味を持って彼ら(Stillichimiya )のラジヲ番組「困ッタ人たち」(YBSラジオ日曜深夜24:00)を聴きながらさらに行ってみたい!となりそのラジオで得た情報をもとに短い旅を1月と10月にして来ました。山に囲まれているからか何となく空に近いというか宇宙に近い感じ。夜が異様に暗くて長く(訪問した季節も相俟ってなのか)冷たい霧なのか煙なのかわからない目の前にある霞がとても心地よかったのです。お酒好きな人はお察しの通りワイナリーやブリュワリーも数多くそういった場所に行くのも勿論楽しかったのですが、単純に「面白い!」と思える何かをいつも発信している人たち。そういう人たちの暮らす場所へ同じ国内なのだから電車を乗り継いで興味津々で行ってみる。同じ国内なのに自分の暮らす街との違いを探しながら感じる面白さ。その土地で収穫されたものを食べて飲んで体動かして!ていうのが本当に良かったです。行ったことのない日本国内の地方都市へもっと目を向けて行こうと思いました。今は円安だし海外にリスクがあるのなら国内での旅や出会いはそれを回収できるかも知れないしもっとそれで自国自体の自信を持つことが出来るのではないかな?と単純に思います。魅力と旨みたっぷりの地方都市。そういう事に遅ればせながら実体験を通して気付いた2023年。振り返ってみると「どんどん自分の知らなかった日本の街に行ってみよう」と思った自分の心の中の変化が特に印象的だったなと。
 
 そんな流れからもう一つの初訪問都市、栃木・黒磯。2023年3月、インバウンドで徐々に都内の宿が値上がりしだしていた最中の東京出張。福岡に帰ってからのスケジュールに空きが出てもう1泊延長出来る事になり、都内に宿を取ろうとしたらホテルが異様に高く、そんな料金なら栃木辺りまで行って安いビジネスホテルに泊まった方が良いかも?という流れから行ってみたいお店のある黒磯に行くことにしたのです。親戚のいる宇都宮より北へ行った事がなかったということもあり、ほぼ東北地方のこの街なら3月だしまだ東北感を感じることが出来るかも!?という変な陸奥ひとり旅への憧れ心を含ませつつ黒磯へ。緯度のせいか何なのか光の角度が独特で写真を撮るのが快晴だったその日とても楽しかったのが印象的です。前情報がほぼなく(なく、というか何も調べて行かなかった)ただ歩いて見て回るだけで私はとても楽しかった。何せどのお家も庭が綺麗だったから。庭や家の周りの垣根の手入れが行き届いていて清潔感のある街並みがとても印象的でした。人影がどこに行ってもなくて寂れた感じは否めなかったけれど…なぜか私は映画シザーハンズに出てくるあの綺麗に剪定された木々の街並みを思い出したりしていました。遠くに見える力強い雪山も福岡に住んでいるとなかなか見れなかったりする景色なので写真を必死で撮りました。


 今までタイにいかないと出来ない仕事を生業としていた私です。そう、かれこれ30年近くになります。(細かくいうと27年)
でも昨年こうやって日本の行ったことのない場所に行って長年タイに通い続けて仕事をして来た私だからこそ僭越ながらですが感じる事の出来る日本という国の魅力、驚異、誇り、そういったキーワードがいくつも頭に浮かぶのでもっとそれを深掘りして知って行きたい、何かで表現して形にしようと新たな気持ちで今現在お屠蘇飲んでます。
 新年は目標も色々と頭に浮かびますがそれはただ単に1年のスタート地点だから。まだまだ先が長いと思っているから達成できるか定かでない大きいものから小さいものまでいろんな類いの目標を掲げたりしてしまいますが私みたいに人生自体が既に後半に入っていると1年なんかあっという間だから4〜5年を一括り一単位として捉えてもうすでに思いついた時がその目標へのスタート地点となる。明日から、来月から、来年から、ではなくて”今”から。いや2023年からとっくに始まっている新しい自分。

 そういう印象の2023年だったなあ。

※山梨のところで出た OMK (One Mekong・ワンメコン)気になる方はぜひこちらでチェックを→ https://www.audio-technica.co.jp/always-listening/articles/omk-sinso/
PeopleBookStoreでもOMKの発刊したタブロイド版「OMK新聞#001」は販売されていました。

小阪靖子
IG… @yasukoksk
iroiro website…  https://iroirostyle.com/

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