2024/01/03

河合浩が2023年を振り返る

今年を振り返る、とは言ってみても、はて今年は何をしただろうか。

何でもすぐに忘れてしまう。
年始に目標を立てたりもしないし、書初めをしようなんて環境にも今はいない。
会社勤めもしていないし、土日は極力出掛けるのやめよう、そんな沢山の人が集まる場所を避けがちな私のような人間にとっては、年末年始もある種そんな感じではある。
渋谷なんかで人がわぁーっといたりするのに出会したりすると、この皆善い人に見えるような人々の投票であるとか日頃の生活によって作られた社会がこんな有様なのだなぁとか思ったりもする。

どこかいつも醒めたような感じでもって、物事に対峙してしまう。
子どもの頃、あがり症というのか、そんな感じだったから、端から興味がないように振る舞えばそういった緊張感から解放される。そんなふうにして身に付けた術なのかもしれない。
でもある時から私は、そのような性格も含めて、常に自分を裏切りたいと思いながら生きている。何だか自分が信用できない。そうすることで成長し続けることが出来る気がしている。

成長といえば、猫と暮らすのも、そんなところがある。去年の夏、猫を飼い始めた。
猫が何を考えているかなんて殆んど分からないし、こちらの都合など当然お構いなしである。猫を躾けることなんてこと、私は出来るとは思ってないし、大体猫を躾けるって、嫌な思いをさせてこちらに従わせるだけな気がする。
家の中で起こるあれこれに、猫のほうに否があることなどあるわけもなく、招き入れたからには環境を整える必要があり、それが出来ていない事の結果だと思っている。そうやってこちらの都合を押し付けずに受け入れることで、苛つきやすい自分に耐性がつき、少しはましな人間になってるような。

猫に人間のような感情があるかのように言うのもなんか好きではない。まぁその人の勝手なんだけど。とはいえ私が作業中に、猫がミャアミャアと煩く鳴き、ちょっとあっち行ってほしいなぁなんて時にこちらに無理矢理抱き寄せてギュッとやると、大体は嫌がってどこかへ行ってくれるのだが、ギュッとやっても嫌がらずに、ただ私に抱きしめられて静かにじっとしているような時があり、そんな時にはどうも何かが通じ合っているような気分にもなる。
しかし動物とこんな風に暮らせるというのは本当に不思議なことだ夜になれば私の腕のなかで丸くなり、ゴロゴロといってたかと思うとやがて眠る。

さて、私の2023年だ。といってはみても正直そんな風にメリハリのある日々を送れていない。
ラジオなど聴いていると、今年最後の放送だったりすることで年末を感じたり、特別な時期であることを実感するし、なんだかんだそんな感じが好きではある。とはいえ、目の前にやって来た事柄を投げ返していくような日々のなかで、年を跨ぐことも日付を跨ぐことも大して変わらないという思いもある。年が変わったからといって、何かが突然出来るようになるなんてことは多分ない。

今日は2023年12月30日。最寄りのファミリーレストランでこれを書いている。
いつもはおばちゃん達の悪口で渦巻くこのファミリーレストランも、今日は昼飲みのオヤジで騒がしい。そんな客層にも年末感が漂っているわけだが、どうやらそんな昼飲みオヤジは私の近くにいるだけで、他の席には年末に集まった家族や、地元に帰ってきて同窓会状態の若者といった感じ。気がつけばオヤジ達のテーブルの周りにいるのは私だけ。酔っ払いオヤジらは当然避けられている。そんなオヤジ達が馬鹿でかい声で話す内容もやはり悪口なのである
ここのファミリーレストランはいつもそんな空気が充満している。
選択肢があるのならもっとちがう店に私は行きたい。

展示でも振り返ろうと思えば、調べればいろいろと思い出したりもするだろうが、なぜだかそれをしようとはしない私がいる。絵で生活しているなんてすごいですね、なんてことを言われることもあるけど、頼まれ仕事ならいざ知らず、売れるともわからぬ絵を日々描いているのは、何だか確かにすごいことだとは思う。

今私から絵を取り上げたらどうなってしまうだろう。
絵を描くことで、その日1日を終わらせることが出来ている気がする。
もちろん描きたくて描いているけれど、それを求めてもらえるからというのも大きい。
まだ続くならば、来年もそうやって生きていきたいと思う。

12月に行った京都の珈琲ヤマグチで流れていた音楽がいい感じでそんな午前中の店内を何となく思い浮かべて作ったプレイリストをこの取り止めのないよく分からない日記の最後に付け加えておきます。カセットのA面B面みたいなつもりが、随分長くなってしまったけど。
何かがはじまりそうではじまらない感じのまま終わるというか、
どこか1月の空気にもあうようなものになってるかも知れない。わかんないけど。

apathy/Gia Margaret
Suffolk/Jeff Parker
Emi&Mrs Evans/Reiko Kudo
River Dream/Otto Benson
Blondes and Redheads/ Michael Hurley
Flight/George Cromarty
Face to Face that I shall know Him/Joseph Spence
Why Me Craf Vex with Me/Emery Cournard Serenaders
No Rancho Fundo/Bole Sete
Opening/Bruce Langhorne
6 Choräle von verschiedener Art,BWV 645-650:Meine Seele erhebt den Herren,BWV 648(Arr.Thomas)
Les Be Honest-Live at Rough Trade/Connan Mockasin
Arpeggio/王舟
Weighted Down(The Prison Song)/Alexander 'Skip' Spence
Am I Lovery-Live/Eric Chenaux
Sweet-Bedded/The Wooden O
Prairie Home Suite Part 1/the sleeping beauty
Abismo de rosas/Luiz Bonfá
Improvisation in Dashti(Golha-ye Rangarang #162B)/Morteza Mahjubi
Ven Mamacita/Frankie Reyes
Hou-la-la-houp/Alain Goraguer
Afterwards/Maxine Funke
homeward/Ann Annie
Ceylon/K.Leimer
Red Bird Pt.2 (Morning)/Florist
Uhohtrouble/Michael Cera
Everyday-Demo/Housecat
Set Me Free/Mal Waldron Trio
The Future/Tara Clerkin
Flamingo-Piano/Solovox,1950s/Sun Ra
Memórias/Joana Queiroz
Compositions 1960:Piano Piece for David Tudor No.3 /La Monte Young,Noël Akchoté
Imagine Something Different/Johan Lindvall Trio
Mellowtime/Peter Walker
Ever New-Reworked by Bon Iver & Flock of Dimes/Beverly Glenn-Copeland,Bon Iver Flock of Dimes
Echoes of Spring(Piano Solo)/Willie "The Lion"Smith
Limba/Fools
Microtronics 20/Broadcast
Guitar Blues/Sylvester Weaver
Pottery Fragments/Christina Vantzou,John Also Bennett
Maggi's Flute-Lifting Off/Joanna Brouk
Untitled-Forgotten Works 1/øjeRum
Jam for Bwengo/naran ratan
Home Before Dark/Nora Guthrie
Simple Times/Frank LoCrasto
Kamakani Kaili Aloha/Arthur Lyman

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