2019/11/16

「マーキュリーシティからの便り」開催にあたって


富田和樹さん。富田さんとは、もう10年ほどの付き合いになるだろうか。とある上映会で偶然出会って意気投合。お酒をガバガバ呑んで、上機嫌のまま二駅、三駅分くらい歩いたような気がする。独自のこだわりがあって俠気を感じさせる人だから、その後は呼ばれれば駆けつけて、いろんな催事の手伝いをした。そこで多職種の人たちに出会わせてもらったのは、自分にとってはとても大きな経験で、感謝をしてもしきれない。

永井宏さんが亡くなったのは2011年の4月、大きな地震後の混乱のさなかだった。その一報があった時、「ついに会えなかったな」と一抹のさびしさを感じたのを覚えている。とは言え、つくばでもまだ余震が続いていたし、そのとき働いていた農場の復旧作業に追われていたので、すぐに忘れてしまっていた。

そんな時、たまたま、何かの用事で富田さんとメールでやり取りをしたその末尾に、永井さんを悼む一文があって驚いた。喪失感とともに、故人との思い出が綴られた、みじかい文章だったのだけど、冷めてしまわぬ熱を感じた。富田さんが語る永井さんは、不良、とまでは言わずともどこか男っぽい、ロックなイメージ。聞くほどに痛快なエピソード。本を読むだけで勝手につくった人物像が徐々にこわれていった。

その後、なぜか自分は本屋をはじめ、今年で7年目。今も富田さんのレーベル「windbell」とのやり取りは続いている(3月にはカナダ人音楽家・MOCKYのつくば公演も実現した!)。ここでようやく、今回のトークイベント「マーキュリーシティからの便り」の話になる! なぜ、この企画が動きはじめたのか、ここから説明していきます。

年度毎の清算だったか新譜注文の相談かでメールをしている流れで「どう? 永井さんの本は動いているか?」と問われた。永井さんの初著作『マーキュリーシティ』の復刊とアンソロジー『サンライト』の刊行がほぼ同時だったゆえ、富田さんも何となく気になるようす。「うーん、まずまずです」と返信をすると、じゃあ、松永(良平)さんと話すイベントでもやってみるかと提案があり、いいですね! と即答した。そこから一気に動き出し、会場となる〈千年一日珈琲焙煎所〉の大坪さんも開催に同意してくれた。そして今、開催の経緯をしたためている。

愛しきアウトロー、富田和樹が語る、レイド・バックした永井宏。そこに不思議な縁が導いてくれ、松永良平さんも加わってくれる(その理由は、トークイベント本編で語られる、かな)。永井さんに教わった音楽、永井さんが好きだったバンド、シンガーについてお二人に存分に語ってもらいます。CDJとアナログプレーヤー、冷えたビールを準備しますので(もちろんあったかいコーヒーも)、みなさんも是非ご参加ください! きっと他では聞けない話が聞けるはず。

開催概要は以下の通り。ご予約も受け付けますので、ご希望の方はご一報ください。

PEOPLE BOOKSTORE PRESENTS
「マーキュリーシティ」からの便り( Letters from Mercury City)
「かっこつけすぎています」とダメ出しをくらった二人が今、読み返す永井宏
会場:千年一日珈琲焙煎所 http://1001coffee.jugem.jp/
日時:12/15(日)open 16:30 start 17:00
入場料:¥1,500+1ドリンクオーダー
http://windbelljournal.blogspot.com/2019/11/blog-post.html

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