2018/10/18

『彗星の孤独』


何かに固執した途端、それは古び始めるのだ。なぜなら現実は常に複雑であり、いつも変化しているから。複雑で微細な現実のうち、ひとりの人間が見ることのできる部分なんて、あまりにもわずかなのだ。
−「楕円の夢」より

寺尾紗穂『彗星の孤独』が届きました。
稀有な声をもつ人、寺尾紗穂さん初のエッセイ集にはこの世界にある温度、人の体温が込められているように感じます。だから当然、暖かさだけではなく冷たさ、常温のぬるみも含まれていて、するすると読めるところがあれば、ぐっと腹に力を込めて向き合いたい箇所もある。そう簡単には読み終えられない、人間的な書物です。

販売価格は2052円(税込)。入荷分はすべてサイン本、特典冊子「エゾシカとの再会」も付いています。

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