2017/07/28

『川はゆく』

©赤々舎

7本の川が流れる街、広島。そのデルタ地帯に原爆を落とされてから、70年以上の時間が経過した。
「平和」が記号化し、風俗となってゆく街。眼差されるほどに空洞化してゆく原爆ドーム。
それらを背景としながら立ち現れる光景に、写真家の、スナップを撮る無意識は接続した。

自らも広島の川べりに生活しながら、写真家は、歴史といま、社会と個人の関わりを、写真のなかに、瞬間のなかに発見していく。ひとの貌のなかに現れる風景。風景のなかに揺らめく生気。「ヒロシマ」から解き放たれたこの街は、どのような時空なのか。
ときに逆行し、渦を巻き、決して直線的ではない、不可知の流れ。
永遠に新しい一瞬は、写真のなかに、私たちのなかに流れている。

藤岡亜弥の写真集『川はゆく』が入荷しました。販売価格は5400円(税込)。

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藤岡亜弥|Aya Fujioka

1972年広島県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業。2008年新進芸術家海外研修制度(文化庁)の研修員としてNYに滞在。2012年帰国、現在広島在住。写真集に『さよならを教えて』(2004年/ビジュアルアーツ出版)、『私は眠らない』(2009年/赤々舎)など。
2004年第24回写真『ひとつぼ展』入選、2010年日本写真協会賞新人賞、2016年第41回伊奈信男賞受賞。
http://www.akaaka.com/publishing/books/bk-kawahayuku-fujioka.html


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