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日課
三時間、あと三時間しか生きられないとわかったら
ときどき、大きな息をするだろうな、
薄紅の爪の色でもじっと見ているだろうかな、
うろたえたりしなければいいがな。
三箇月、あと三箇月生きているとわかったら、
朝の牛乳を飲んでからカレンダーをめくる、
それが日課のひとつになるだろうな、
だれかに手紙を書くひまもあるな。
三年、あと三年生きられるとわかったら、
いままでに読んだ本を読み返して、
もう一度、おなじ青春を経験するのがいい。
その間は、人にやさしくしような。
夜の酒もほろ酔い程度にして、
日に三時間は、詩を書いていたいな。
“日課” 中桐雅夫 (『会社の人事』より)
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