2016/10/26

『理解フノー』


“とくに夢や希望や、就きたい職業があったわけじゃない。蹴つまずいて転んで、地べたに手をついたところにあった石ころを拾うように、会社や仕事を選んだ。”
-“五十年目のタワゴト”より

鎌倉の出版社「港の人」から新刊『理解フノー』が届きました。書き手は“エンテツ”こと遠藤哲夫さん。
エンテツさんといえば、大衆食堂、ぶっかけめし、「気取るな! 力強くめしを食え!」のスローガン。ボクは完全に飯に関するものだと思い、本書を発注し手にとりました。が、読んでみてびっくり。こんなに乾いた本だとは。こうして転がり生きてきた人だったのか。と、驚きながらもしずかな筆致にぐいぐい引き込まれてしまいました。そのまま一気読み。「ジャンルや好みの垣根も含め、あらゆる「境界」は、囲われるためではなく、越えるためにあるのだ」とは、上にも引いた“五十年目のタワゴト”より。カッコ良いです。

販売価格は1296円(税込)です。「四月十月文庫」シリーズすべて在庫しています。

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■本書の特色
◎「大衆食堂の詩人」エンテツこと遠藤哲夫。日々の台所で繰り返される「生活料理」や「大衆食堂」など、ありふれたものをおいしく食べる庶民の快食を実践、追求する。長きに渡ったプランナー稼業、現在の肩書フリーライターなど、多彩な仕事や人との関わりを経てきた著者が、率直軽妙に綴る世相、故郷、上京物語、家族、そして老い……。

◎白黒つけない物の見方に納得、くすっと笑わせ、ときにほろり。美術同人誌「四月と十月」で2008年より連載の「理解フノー」に加筆、書き下ろしその他を収録。

◎絵は「四月と十月」創刊以来の同人、田口順二。中学校の美術教師をつとめながら創作活動を続ける。地元小倉の風景、日々接する中学生たちの姿、心象など、学生時代の作品から制作途上の作品、描き下ろしまで、カバー、表紙、カラー口絵含め30点を収録。様々な画材で画風も変化に富み、自身による言葉とともに、さながら小作品集の趣。

◎文章の世界、絵の世界を行きつ戻りつ、濃密な空気に満たされながら、不思議に爽快な読後感。「理解フノー」な人間の存在が、たまらなく愛おしく思えてくる一冊。

◎大好評のシリーズ「四月と十月文庫」第7弾!!

http://www.minatonohito.jp/products/191_01.html

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