2022/05/06

5/5 雑記(新宿出張記④)

仕立て屋のサーカス・東京公演の最終日。勝どき~代々木と大江戸線で乗り継ぐ。新宿で降りるよりもこの順路の方が負荷が少ない。のんびりと〈ルミネ・ゼロ〉まで歩いていく。12時前に到着。今日も一番乗り。昨日までで減った本の場所を入れ替え、面だしの場所を増やすなどして店を整える。その作業が済んだのち〈ディスク・ユニオン〉に行く。〈DA NOISE BOOKSTORE〉店主でSMIZDAT SKOOLの構成員でもある須藤さんと会えた。

代々木のカンボジア料理店で昼食(すごく良い店だった!)をとって、会場に戻ると今日のゲスト藤原辰史さんがリハーサル中。「中世欧州の居酒屋では〜」なんて声がもれてきて、つい聞き入る。その後すぐに藤原さんが店に来てくれる。耳にしたばかりのことを中心に色々と聞く。その後も準備、整理をするうち開場時間が近づいてくる。

出店者が出揃ったところで、開場! いいペースで人が流れてきて、それぞれがしっかり本に興味を持ってくれる。つくばの店で縁ができた方、旧知の人、見知った顔も多い。今回の東京公演に複数回通う人もいる。そうした方々と声をかけ合い、言葉を交わす。開演までの90分で手応えを得た。

本番が始まって、すぐに眠くなる。床に座ってウトウトするうち一部が終わり、休憩に入る。この時間でもまた本、音源への好反応があった。

いよいよ、最後のパフォーマンス。スケールが大きく、感情的にも多彩な表現を見せてくれた。序盤は集中力のある演奏。不在を感じさせながら、力強く走っていく。存在すら忘れかけたところで、ゲストの藤原辰史さんが登場。穏やかな語り口で食に関するゼミを始める。事前にとったアンケートから、当事者に話を聞いていく。緊張感が急に緩んだようで、戸惑いを覚えるも段々と楽に、話を聞けるようになる。暗転後のゼミ後半、サーカスの本質とも重なることを話していた(「冗談関係」という言葉が印象的)。

照明の効果、布を使った装飾、楽器の旋律、反響。それらすべてが噛み合ったシーンがいくつかあった。見慣れた自分ですら驚かされた。仕立て屋のサーカスが、ここまで深く、太いものを見せてくれるとは思っていなかった。根幹にあるのは哀しみだった。

終演と同時に地震がきた。大きく、静かに会場を揺らした。

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