朝、起きて雑務を終えて宿を出る。仕立て屋のサーカス、二日目は昼・夜の2回公演。初回の開場は11時半。午前中からはじまるってのは中々大変だ。早めに着いて近隣を散策する。代々木駅周辺が歩きやすい。新宿の圧倒的な人の数たるや! さらに、各人からお金を吸い上げようとする欲望たるや! 区画自体が人、金、時間を吸引する渦みたいなものである。歩くだけで興奮させられ疲弊もする。刺激も受ける。自分なりに焦点を定めなければ、うまく歩けない。
昼公演の開場! ……したものの、のんびりした雰囲気。ぱらぱらとした客入り。飲食出店〈パラダイス・アレイ〉の到着が遅れている。もちろん〈つくばねファーム〉はまだ来ない。お客さんの動きは鈍い。本に関心を持つ人も皆無に近い。たまに来てくれる人とも噛み合わない。テンションがあがらない。
ほとんど売れないまま、開演。素晴らしいパフォーマンス。客層に迎合しない、身体表現。緊張感もある。フルート独奏が演奏であり演技でもある。布が人を引っ張る。照明の色数は少ないまま、進む。このままワンステージ、60分をどうやって見せてくれるのか。期待は高まる。されど、急遽を休憩を設けてしまい、自分は少々落胆する。あのまま走ってみてほしかった。
休憩でも本はほとんど見向きもされない。そうして後半、第二部の開演。弛緩しきらず、やりきった。照明の効果が的確で幾度かハッとさせられた。既視の手法であっても、段階を踏んだ上での演出だとここまで視野を広げてくれるのかと知る。終演後に照明担当の渡辺くんと話ができて、面白かった。
落ち着いたところで、パッと電車に飛び乗り下北沢へ。街に出て、あまりの人の多さに混乱する。なんじゃこりゃ。そう呟きながら、目的地〈PINK MOON RECORDS〉へ足を運ぶ。曽我部恵一さんとの約束を果たす。目当てのレコード、冊子に加えてもう一枚中古盤を買う。〈カレーの店 八月〉でカレーを買って、持ち帰る。
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