2023/02/06

2/6 雑記

天候に恵まれた週末、いつも以上の来客があった。嬉しいのは、文学的な文庫を数冊買っていく人がいたこと(会計時に微笑みながら「後味のわるい話が好きなんです」と話してくれた)。店外の100円の文庫本、500円以下の単行本を組み合わせて買ったいく若者が何人かいて、話ができた。彼らは中古盤CDやレコードにも興味を示す。スマートフォンを使って検索などせず、気になったものを手に取っていく。安価ではあれ、いい買い物に立ち合えて、喜びを感じた。

昨日は開店直後の10数分でものすごいエネルギーを使ってしまった。大いに慌てた。自分の小ささを感じるのみ。

※読書メモ。読んでいたのは、小林信彦『回想の江戸川乱歩』(文春文庫)。巻末の坪内祐三の解説まで、整えられた構成で一気に読んだ。最近の中公文庫は本書をネタ元にしているのかな、と思った(中上健次『路上のジャズ』、古山高麗雄『編集者冥利の生活』あたり)。

2023/02/05

「続・セタガヤママ展 小さなメディアの40年」

本展は、「セタガヤママ」を中心に、子育て中の女性たちが試みた“生活の実験”をご紹介する初の機会となります。1979年に平野公子が自宅マンションを開放した文庫「子どもザウルス」、そこで出会った主婦たちが公園や友人宅で展開した「あめの会」、その活動や日々のことを綴った「あめの会通信」。ここでガリ切りを担当した田上正子は、現在も「あめつうしん」というミニコミをガリ版で発行しています。

「続・セタガヤママ展 小さなメディアの40年」
会期 2023年1月31日(火) −4月23日(日) 9:00~21:00 ※月曜休館
会場 生活工房ギャラリー(東京都世田谷区太子堂4–1–1 キャロットタワー3F)

『水牛のように』

興味があるのはなんといってもお酒と怠けることだ。ふたつとも人類の歴史にずっと併走していて、お酒を飲む話は禁酒の話よりもおもしろいし、勤勉より怠惰のほうが魅力的だと思うのだ。(「急ぐことはない」)

八巻美恵『水牛のように』が届きました。
うん。これはいい本。判型、紙質と内容が響きあっていて、手にするだけで、まず嬉しい。書かれていることも、素敵だ。都心の駅の長いエスカレーターを上がって、見えた夕方の空。好きなお酒。友人とのかかわり。たくさんの本も紹介される。綴られた言葉、ひとつひとつ、ゆっくり味わってほしい。

販売価格は1980円(税込)。刊行元「horo books」の仕事に拍手。長くしっかり売っていきます。

2/5 店日誌

2月5日、日曜日。来客と入荷が多かった昨日、夕方前からバタバタして落ち着かなかった。最中に届いた、八巻美恵『水牛のように』を今朝手に取って、はーっと息が出た。なんと味のある本だろうか。刊行元「horo books」のお二人の顔が浮かぶ。仕入れるのが遅くなって、すみません。この本は、ながく大事に扱っていきたい。同時に『小島武イラストブック』も再入荷したので、ご注目を。

君方は新時代の作家になるつもりでしょう。僕もそのつもりであなた方の将来を見ています。どうぞ偉くなって下さい、然し無暗に焦ってはいけません。ただ牛のように図々しく進んでいくのが大事です。(「千駄木以降の漱石」)

読み終えたばかりの、森まゆみ『千駄木の漱石』で印象的だったのが、弟子にやさしい夏目漱石。「憂鬱な若者たちを励ます漱石」の章で紹介される沢山の手紙、励ましの言葉にふくまれたユーモアに心がゆるんだ。上記は芥川龍之介への手紙から。

さて、今日はどんな日になるだろうか。19時頃まで開けています。

2023/02/04

Today’s YouTube #466

https://emrecords.shop-pro.jp/?pid=93410934

『The Reconstruction of “Na Mele A Ka Haku” 』(EP)

60年代の電子音楽が太平洋のハワイに渡った軌道と、80年代米エレクトロが大西洋ヨーロッパを越え極東に行き着いた軌道が都内の同氏宅でドッキングした、戦後日米摩擦の因縁のもとでしか生まれ得なかった作品といえましょう。

Compuma meets HAKU『The Reconstruction of “Na Mele A Ka Haku” 』が届きました。
2015年のリリース時から約8年ぶりの再入荷。70年代ハワイアン・ニューエイジの怪盤とされる『ハクの音楽』をコンピューマが再構成したもの(「限りなくコンピューマ・オリジナルになった行き場のない逸品」って惹句、最高)。五木田智央×鈴木聖によるアートワークを含めて、創造性に富んだレコードです。

販売価格は2200円(税込)。2021年リプレス、価格改訂盤。

『エコロジカル・プラントロン』(CD/LP)


「植物からみた生きものたちのインターフェイス」。植物の視点から我々の身体を包み込む生態系の連鎖を音によって体感させるインスタレーション、『エコロジカル・プラントロン』(1994年)を再検証復刻。

銅金裕司/藤枝守『エコロジカル・プラントロン』が届きました。
植物学者の銅金裕司が1987年から研究開発した装置・プラントロンは「植物が話し、植物から話しかけてくる」ような効果を目的にしてつくられたもの。公式解説によれば「植物から電位変化を取り出して人間の知覚できる音や映像にかえるこの装置は、ソフト面でもハード面でもかつて遭遇したことのない世界を提出する」。本作は作曲家・藤枝守のサポートで構築したインスタレーションを記録している。

販売価格は3520円(2CD)、2860円(LP)。ともに税込価格。