2024/03/19

3/19 雑記

店日誌を書きながら、そういえば〈Sheyeye Records〉はだいぶ前にコースケが教えてくれたなあと思い出していたら、本人が現れてびっくり。コースケも日誌を読んで、桃山晴衣の名前を見つけておどろいたらしい。いろいろと話して、カルロファッションのレコードを買って帰っていった。

強風のなか、店に来てくれた人には感謝しかない。

2024/03/18

3/18 店日誌

3月18日、月曜日。池田さんが売ってくれたレコードに針を落としていく。フリージャズみたいな演奏が始まったり、水音だけが入っていたり、純邦楽をダブ化したようなものだったり。この人はいったい誰……と検索してたどり着いたのが、〈Sheyeye Records〉のホームページ。厚みのある紹介文とジャケ写が生みだす豊かな世界に眼がひらく。レコードは聴くだけじゃなく、読んで、見てこそ、楽しめる。当たり前だが、奥が深い。

今、私は何故うたうのかわかっている。うたうことがなにより好きだから。そして心からうたえる歌が欲しいからオリジナルを創っている。日ごろの生活のしかたと、人間のつきあいが、私のエネルギーの基。ということもわかっている。(桃山晴衣)

上記したのは、桃山晴衣『弾き詠み草』封入の解説冊子に収録されている「うたうことがなにより好きだ」からの抜粋。なにげなく買い取ったレコードを通して、こんな言葉にぶつかるとはまったく予期していなかった。凄いな、と思う。

本の査定をしながら営業中。それにしても、風がつよい。

2024/03/17

Today’s YouTube #479


3/17 店日誌

3月17日、日曜日。小川美潮&山村哲也の“犬の日々”がとても良い。フィッシュマンズを思わせるイントロがいい。「やっと日が暮れる、キョウチクトウの花がうなだれる」って歌い出しのムードがいい。なにより、北村太郎の詩にメロディーをつけて歌にするって発想が、とてもいい。ヴォーカルを引き立てる楽器の演奏も絶妙にやわらかい。ぬるい風呂につかって、ゆれる湯面を眺めているような、いい気分。

この曲が入ったCD、『江戸屋百歌撰 1997/USHI』は冒頭3曲が飛び抜けている。Silhouettes(まったく知らない名前! 誰でしょう)、金子マリ&BIKKE、小川美潮&山村哲也って流れにはまったく文句がつけられない(4曲目の、こなかりゆ&尾上文もなかなかいいなあ)。

オンライン・ストア〈平凡〉の常連であり、店にもよく顔を出してくれる池田さんが売ってくれたもの。他にもレコードを何枚か買い取ったのだが、魅力的な盤ばかりで参った! いやまあ、こんお客さんがいるから、店って面白いよなーと思わせられた。

今日も書籍に入荷多数。レコードもそこら辺に転がっています。

2024/03/16

3/16 店日誌

神田が気に入っていて、三日にあげず出掛けて行っては、お茶の水の橋の上で、激しい人通りにも構わず、地面に坐りこんで何時間でも写生を続けた。そんなふうだから土井さんの洋服はすぐ汚れてよれよれになり、それにろくに物を食べず、コーヒーばかり飲んでいるせいか、足の甲が腫れ上がってしまうのであった。(「土井虎賀壽──素描と放浪と狂気と」)

3月16日、土曜日。なんとなく、洲之内徹『気まぐれ美術館』を読みはじめたら、止まらなくなった。画家や作家、哲学者など知らない名前ばかりが出てくるのだが、誰もが人間的で、魅力があるように思えてくる。真面目なようでふざけているのか判別しがたい語り口──洲之内節というのか──にハマると抜けられない。上記した一節は今朝読んで、魅了された。土井虎賀壽(どい・とらかず)という人物はまったく知らなかったのだが(*)

読んでいて頭に浮かんだのは、佐伯誠『遠く、近く 掛井五郎のこと』だった。「神田が気に入っていて、」とはじまる語り口が、佐伯さんになんとなく似ている気がする。『遠く、近く』は内容量よりゆたかな質量、そんな惹句をつけたい本。今も店に並べてあるので、ご注目を。

今日明日、明後日は13時開店。お暇があれば、ご来店ください。

2024/03/15

「帰ってきた橋本治展」

当館は、2019年以降、橋本治の直筆原稿をはじめとする資料をご家族、ご関係の方々から寄贈いただき〈橋本治文庫〉として保存しています。本展は、時代を先取りし、さらに、人間と人間の生きた時代を描きだそうとした橋本の生涯を、所蔵資料を中心にたどります。

「帰ってきた橋本治展」
会期 2023年3月30日(土)〜6月2日(日) 9時半〜17時 月曜休館 ※4/29、5/5は開館
会場 神奈川近代文学館(神奈川県横浜市中区山手町110)

3/15 店日誌

3月15日、金曜日。だーーーれもこなかった一昨日から一転、昨日はやけに来客が多かった。知人、友人もまじえてはじめての人、何度か見たことのある人などが立ち替わりにやってくる。油断して隣の店で油を売っていると、ガラッとドアの開く音がきこえて慌ててもどる。NRQつくば公演のポスターを持ってきた友人、卒業式を間近に控えた大学院生など、それぞれの話をきけて嬉しい。

身近な人がつくる小さな音源に反応する人が増えている。その大半がお手製ゆえ大量につくられるわけではないので、店頭で見つけて、ピンときたときに買ってほしい。

それにしても、昨夜の地震はこわかった。店に積み上げたままの本の山、崩れてるかなーっと心配したけど、まったく動きなし。安心しながらちょっと驚く。いい積み方しているのかな。

今日明日、明後日、明々後日は通常営業。お暇があれば、ご来店を。