2026/06/21

6/21 店日誌

6月21日、日曜日。先週末の「NRQ祭り」を主催した猿田なつ奈さんは「natunatuna」名義でイラストレーター/画家として活動していて、夏前に京都市左京区の〈gorey cafe〉で個展をするのが毎年恒例になっている。今年は6月23日(火)〜7月12日(日)の会期で、その間にライブがなんと6本(7公演)! すべてにライブペインティングで参加……って、かなりすごい! 演奏家は全10組。それぞれ色が異なるわけで、音に絵を乗せるのも簡単じゃないだろうし、相当なエネルギーを使うはず。一体なぜ? そこまでやるの? って聞くのは野暮だけど、そのうちにじっくり話してみたいなーと思ってる。

お隣のカフェでは、さとうさかな個展「Slow Dry」が開催中。ぱっと見て「いい」とか「すてき」とか言葉にできる作品じゃないから面白い。じっと観察したり、暮らしの場に置いてみたり、長い時間をかけて付き合ってこそ感知できる要素があるのかな。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。

2026/06/20

6/20 店日誌

6月20日、土曜日。小林信彦『袋小路の休日』所収の短篇「隅の老人」を再読。話の中心に置かれるのは、狩野道平───大正末期〜昭和初期の伝説の編集者、真野律太をモデルに造型された人物であり、世の中と完全にズレてしまった老人として描かれる。狩野いわく「読者なんてものは保守的だから、食いつかせるのに時間がかかる」「都会趣味ということよ。……『新青年』のカラーを創ったのは二代目編集長のヨコセイってことになってるが、私に言わせりゃ、助手の渡辺温の力が大きかった」。

小林信彦が江戸川乱歩の誘いに乗り宝石社に入社、『ヒッチコック・マガジン』編集長に就任したのは1959年。26歳のとき。その経験を基にして小説化された「隅の老人」では主人公・上村宏の感慨として、著者自身の雑誌観の肝が語られる。「雑誌が生き物だということ(…)それは、編集の中心になる人間の生理の反映であった。その人間が少しでも疲れれば、誌面に疲れがあらわれる。まして、時代からズレてしまえば、誌面は現代の読者とは関係がなくなってしまう」。

この一冊におさめられた人も、モノも、街も、一九六〇年代半ば以降、われわれの生活から失われた、あるいは無用とみなされるようになったなにか───といってよいように思う。書物もまた、同じことである。(小林信彦)

いまも雑誌が編まれ続けるのはなぜなのか。情報を得るだけならスマートフォン、SNS、サブスクリプションがあれば充分なのに。自分はなにを期待して、今も雑誌を手に取っているのか、改めて考えてみる必要がある(ポパイに不平を言ってる場合じゃないのだ)。

*
古本はもちろん、新刊と新譜、中古音源にも入荷あり。オンライン・ストア〈平凡〉で紹介できるのは、そのうちのごく一部。もので溢れた店内ではありますが、興味を持って見てもらえれば、何かしらにピンとくるのでは? ご来店の上、お確かめください。

そうそう梅雨ってこうだよね〜って感じの空模様。湿度がないのが幸いでしょうか。

2026/06/19

6/19 店日誌

なにせ、いろんな人間が自由に編集部に出入りできていた時代は、何かこう猥雑なエネルギーが編集部に満ちていたからだ。/そんな雑多な空気は、記事作りにおいて有利に働くこともある。企画のアイデアをひねり出す時も、名前も知らない業界筋の人が打ち合わせに突如乱入し、なかなか鋭い意見を述べ、風のように去って行くこともしばしば。(佐々木徹)

6月19日、金曜日。いや〜これはめっけもん! 先週末に買い取った、佐々木徹『週刊プレイボーイのプロレス』は有名レスラーの内にある葛藤、誇り高き哲学を知らしめるプロレス本にして、1980年代後半〜2000年代初頭の編集者の在り方、仕事術を伝える重要資料でもある。読みながらビビッときて付箋を貼ったのは上記箇所に加えて「読者に伝えられるのは、よくてたったひとつ。そのひとつを伝えるためだけに全力を尽くしなさい」っていうところ。

ポパイが50周年、気合いの入った号をつくったらしいと聞いて書店に赴き、立ち読みするも「う〜ん、これじゃ買えねえ!」とガックリくる。かつての名記事、先人への敬意は伝わる。書影が並ぶページはワクワクもする。だけど、背中を押すだけのパワーがないのは何故だろう。編集者個人の自発性の欠如か? 広告主への配慮なのか? 各方面への目配せが上手いだけじゃ、読者は掴めないと思うのだ。

そのあとで届いた『Sb』46号に興奮させられたのは、誌面全体に関わる人(編集長/編集者/ライター)それぞれの好奇心が反映されていたから。有名か無名か、ルーキーかベテランか、売れているか否か。そんな線引きとは異なる熱源で各コーナーが作られているから、読み手も自然と引き込まれる。安全策だけじゃないからドキドキする。

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ジョン・カサヴェテス、今野雄二、小林信彦、ダディ・グース。オンライン・ストア〈平凡〉にあげた古本への反応がよくて手応えあり。買い取りがあってこその古本商売ってことを改めて実感している。大事な本を売ってくださった方々に感謝、感謝。今後ともよろしくお願いします。

今日は晴れて、暑くなるのかな。いつも通りに開けてます。

2026/06/18

6/18 店日誌

6月18日、木曜日。6大会連続出場のメッシがハットトリック、かたやクリスティアーノ・ロナウドは空振。後者には少なからず批判もあるらしい。はてさて、日本代表の長友佑都は5回目の出場で役割はチームを元気づけること。さらに吉田麻也にも同じような役割を期待されていて、南野拓実はメンターとしてチームに帯同。ニュースに耳を傾けながら、どうも腑に落ちないのは、今時の選手ってそんなに支えが必要なの? と思うから。若い選手でもたくましく見えるし、試合ぶりも堂々としていたと思うんだけどなァ。

なんだかんだ言っても試合があれば気になるわけで、ワールドカップやサッカー選手を揶揄するつもりは全くない。だけど、日本代表をとりまく雰囲気になんとなく馴染めないのは、安易な物語化が行われてると感じるからか(グループリーグでそんなに感動しないでしょ……)。

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まあまあ調子よくやれてるかもな〜と、呑気に過ごしていると落とし穴。年を重ねてみないと体感できないブルースがあるってことなのか。ハァァ〜とため息をついてたら、「Popeye web」での1ヶ月限定連載「Town Talk」第2回が公開されていた。正直に言って、うまく書けなかった回である。反省。

朝から雨、本格的な梅雨模様。今日もいつも通りに開けてます。

2026/06/17

6/17 店日誌

6月17日、水曜日。半袖短パン、ビーサン解禁。庭の草刈りもシーズンイン。いよいよ夏に向けての準備がはじまった。なーんて書いても明日からは雨続き? 今週いっぱいはジメジメの梅雨空になる? って天気予報が伝えていたから油断はできない。気温の変化に気をつけつつ、体調はもちろん心身のコンディションに敏感に。無理せず慎重に、日々を重ねていくのがいちばんだ(ンなの当たり前だっつーの! そうツッコミが入りそうだけど、こうして書いて、意識しておかないとすぐに調子に乗るクセがあるので……)。

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ワールドカップはDAZNじゃなくてNHK ONEがいい。自分は後者の2分間ハイライトでのみ、大会の情報を得ている。でも日本代表の初戦、オランダ戦の引き分けはいいけど、すでに感動と興奮の反芻が始まっているのに違和感がある。名場面、名台詞ばかりを繰り返さなくてもいいんじゃないか。

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昨夜の地震はドン! ときた。震源地を確認すると茨城県南。やっぱりな〜とは思ったけど、震度3より強い揺れだったのでは。店にくると雑誌が数冊落ちてるだけで、危ういバランスで積み上がってるCDには変化なし。よくもまあ崩れないもんだな。他人事みたいに感心している。

では、今日も開店! 新譜、新刊、古本に入荷あり。今週もよろしくどうぞ。

2026/06/16

6/16 雑記

先週から今週にかけて読んだのは、坪内祐三『一九七二 「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』と『文学を探せ』、『古くさいぞ私は』。青色ひよこ『彼岸花』を経て、小林信彦『袋小路の休日』(に収録されている「隅の老人」)から『横溝正史読本』へと流れる。今日、新刊書店で買ったのは山田稔『もういいか』。個人的定番とも言える作家の本を読み直すことが多く、改めて唸っている。

2026/06/15

6/15 店日誌


6月15日、月曜日。先週末に大量の本の買取があり、レジ前には最高峰の雑誌タワーができている。MR.ハイファッション、装苑、ブルータス、ポパイを中心にしたファッション関連誌が主で、こんなにも買って、集めたのはすごいなあと感心するのみ。内容を見て仕分けしたのち、3分の1以下の高さにするのが今日の目標。その他、近年もっとも多くの著作に触れて、意識的に読み込んでもいる作家、小林信彦の著作もまとめて買い取った。映画や小説、芸能評論に加えて時評、対談などがあり。

雨が降ったと思うと、ぱーっと陽がさしたりと、どうにも読めない空模様。均一価格の本を店前に出したいのだけど、油断すると濡らしてしまいそうでもあり、動きだせない。もうちょっと様子を見ることにする。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目ください。

2026/06/14

6/14 店日誌

6月14日、日曜日。某ラジオ番組でNRQ関連の曲が流れたみたいですね。そう言葉をかけると、吉田悠樹さんの眼が光る。「よくぞ聞いてくれました! その件は隣にいる中尾さんに話してもらうといいんですよ!」と中尾勘二さんに水を向けると「いやあ、あれはたぶんね……」なんて感じで笑いながらことの顛末、推測をいろいろ話してくれる。流れのままコンポステラのLPについても質問すると勿体ぶらず、あれこれ教えてくれて、びっくり。話しながら笑いだしちゃう感じが北沢夏音さんとダブって、言葉を交わすほどに親近感が増していく。なんとも味のある方なのである。

コントラバスを持つ服部将典さんを見ていたら、不意にガンジーさんを思い出して、声をかけてみる。「ベース弾きのガンジーさん、知ってますか?」「ああ、学生のころ聴いていましたよ。シネマ・ダブ・モンクス」って返してくれるだけで、ジーンとくる。そりゃ知ってて当然かもしれないけど、飾らずに話してくれるのが妙に嬉しい。

2度目のつくばとあってか、メンバー(NRQ・牧野琢磨トリオ・みたらし団子ズ)の方々はちょうど良く力が抜けていて、会場にも自然に馴染んでいた。今回もステージはあんまり観られなかったけど、片岡敬さんの音響あってか廊下でも音がよく聴こえて、不満なし。いい夜だった。

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先週からまた、本の買取依頼がぐーんと増えている。買い取った本をインスタグラム、ツイッターで紹介すると、それらを求めて人がくる。売って、買って、売って、買ってのリズムがいいと店にいるのが楽しい。古本屋としての手ごたえも大きい。

今日は久しぶりの通常営業(11時~19時)。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/06/13

6/13 店日誌

数あるリー・ペリー・プロデュースのアルバムの中で、僕が最も愛する1枚。/全編にフィーチャーされたドン・ドラモンドJr.こと、ヴィン・ドーゴンのトロンボーン。このトロンボーンは、リー・ペリーの手による乾きまくったリディムに乗ることで哀愁度が急旋回して聴く者の鼓膜にがっちり食い込み、強烈なアクセントを心に残す。(武田洋)

6月13日、土曜日。先週日曜にオザワさんに託された、リー・ペリー&アップセッターズ『ミュージカル・ボーンズ』を聴いてびっくり。こりゃ、めちゃくちゃ良いじゃないか! 所蔵しいる『定本 リー・“スクラッチ”・ペリー』をひもとくと、上記した武田洋さんによる解説が掲載されていて、作品と同じくらいに素晴らしい。続く箇所をそのまま引くと───「悠々としながらも情感豊かなフレーズでメロディを奏で、枯れたドラムとの見事なコンビネーションを見せるヴィンのトロンボーンは、男気や武骨といったものを音で表現したものの最高峰に位置するだろう」。

干涸びたドラムと、絶妙なタイミングで顔を出すキーボード、センチメンタルなメロディが絡み合った「5 Cardiff Crescent」と「Voodoo Man」の極上な2曲を是非直感で味わってほしい。

自分が盤から受けた印象を書き足せば、武田さんの書く「乾きまくったリディム」を堪能できるのは、主にB面。スウィートかつモンドな「5 Cardiff Crescent」「Four Of A Kind」「Voodoo Man」を通して聴いて、リー・ペリーのセンスとアイデア(霊感×音感×直感=創造性!)を思い知った。大袈裟じゃなく、キーボードの出てくるタイミングが絶妙すぎて、悶絶しそうになる。

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さて、今日は天久保1丁目の地下スペース〈aNTENA〉で開催される「NRQ祭り/つくば再訪」に出店するため、11時~15時の短縮営業! 牧野琢磨トリオ・パッカサタン、みたらし団子ズ、NRQの3組が一同に会するのはかなり珍しいようなので、ぜひ遊びに来てほしい! 当日ふらり参加も大歓迎ですので。

さあ開店! 今週に入って古本の買取りが増えてきていて、ありがたいです。

2026/06/12

6/12 店日誌

6月12日、金曜日。午前中の用事があっという間に終わったので、予定変更! 11時に開けて、18時に閉めます(来週以降は11時〜19時の営業に戻るつもりなので、今週いっぱいはご勘弁ください)! 傷がどんどん癒えていく。あっという間に皮膚は再生して、かさぶたになり、腫れは引く。当たり前なんだけど身体ってすごいな〜と思ってる。

今日もよろしくお願いします。オンライン・ストア〈平凡〉もご利用ください。

2026/06/11

6/11 店日誌

6月11日、木曜日。目が覚めて軽くうがいをして鏡を見る。上唇の腫れが引いてきた。コーヒーが飲めて、細切りにしたパンが食べられる。ジャンプこそ思いっきりできないものの、ラジオに合わせて体操もできる。ちょっと前進。だいぶ安心。焦らず、少しずつ、元に戻していけばいい。日曜にオザワさんに託された『Studio One Classics ROOTS』はお約束というべきかレーベル面が真っ白で、ぱっと見じゃA/B面か分からない! ルーツ・レゲエという括りでも、地面から湧き上がるような低音、裏打ちのギター・カッティングは曲によって差異があるのを感じ取る。

「Popeye」ウェブ版での小さな連載が、今日から掲載開始。全4回。上手く書こうとせず、正直に、虚飾なく。まっすぐに書けたらいい。今月はいくつかの雑誌と縁があり、某達人誌、某プレミアム誌にも記事が掲載される。どちらも20日前後の発売らしい。どこかで見つけたら、ぜひ。

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2026年3月16日、21時頃に二泊三日の韓国旅行から帰宅した。荷ほどきは後回しだ。上着だけ脱いで、スーツケースからクラブ極楽のパーカーを取り出し、着込む。レコードプレイヤーの前に腰掛けてヘッドホンを装着する。/レコードに針を落とす。途端に始まるぶっといベースライン。/これこれ……これです!(キングジョー)

キングジョー×松永良平『おれの心に絨毯を敷いて』が到着。2026年3月、2泊3日の韓国旅を記録した小冊子にはページ数以上の厚みあり。キングジョーさんのテキストには、読み出すと止められなくなるパワーがあるのが不思議です。ピープル・ブックストア店頭とオンライン・ストア〈平凡〉で販売中。

今日は11時~18時、明日は13時~18時、明後日は11時~15時(その後、NRQ祭りに出店)と変則営業が続きます。ややこしくて申し訳ないのですが、ひとつご容赦ください。

ではでは開店! お隣カフェではあらたな展示がはじまりますよー!

2026/06/10

6/10 店日誌


6月10日、水曜日。近年最大のダメージを受け、心身ともにボロボロだった日曜、どうにか店を開けられたのは14時頃。こりゃまともな営業にならんだろな……と思ってたら、常連オザワさんがすぐに顔を出す。おお、こんな日にありがとうございます(ありひゃほうごじゃます)っと言うとニコリと微笑んで、2枚のレコードが差し出される。見ると、大好きなシリーズ「Studio One Classics」のルーツレゲエ編、リー・ペリー&アップセッターズ『ミュージカル・ボーンズ』。周年祝いです、と伝えられてジワーッと心が熱くなる。やさしくされると泣きたくなる。

ひさびさにきてくれたヤナ先輩、ダンサーのナイスカップル、足利のマキタさん、ナツナさん。もうこれで充分。大感謝。急遽閉店して帰宅したのは18時前、そのまま布団に入って翌朝6時までどっぷりと眠った。

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ペンペンドンピーの最新7インチ! 『Mama go shopping to Thailand/干せ(Jose Sangria)』は6月17日(水)発売。ただいまご予約受付中。その他、多くの方がお待ちかねのサマー・ミックスも待機していますので、乞うご期待。

さあ改めて! 今日明日は11時~18時、明後日は13時~18時の短縮営業です!

2026/06/09

6/9 定休日

今日は定休日です。

2026/06/08

6/8 臨時休業


今日は臨時休業です。

2026/06/07

6/7 短縮営業


今日は短縮営業(14時〜17時)です。

2026/06/06

6/6 店日誌

この本のなかで、草森さんが、《サブ・カルチュアなんて無かった。仮にあったとしても、政治や資本に全部絡めとられていく。》と言っているんだけど、本当にそうだと思いましたよ。七〇年のあの頃、若者が考えたこと、やろうとしたことが、今となってみるとほとんどが商業化して、日常化している。(本間健彦)

サブカルチュアに属した新劇や純文学の停滞は当然としても、政治や経済すらも、サブカルチュア化し、空洞化しはじめている。あたかも私が王道のように、それまで無視されたサブ文化を正面に据えて啓蒙してきたこと、ただ世界規模の愚民化に手を貸したに過ぎない。(草森紳一)

6月6日、土曜日。北沢夏音『Get back,SUB! あるリトル・マガジンの魂』を数年ぶりに読み返して、引き込まれる。もともと付箋が貼られていた箇所はもちろんなのだけど、時勢もあってか1973年のオイル・ショックに関して書かれたところが気になった。特に草森紳一の跋文のなかで上記引用部につづく一節───「オイル・ショックとその後の世の変化に対し、そう象徴化として考えるようになっていた。マクルーハンの指摘が、ロコツに現実化してきたのだ。世は不景気だったが、グローバル化の準備が着々と準備していた」。

最初のオイル・ショックから33年が経った現在にも似たような状況があるのだろうか。表面化されない領域で何が起きて、誰が暗躍しているのだろう? 過去の事象から学べることがあるのは間違いない。今こそ1973年が検証されるべきなのでは……そう感じている人は多いのかな。とりあえず、坪内祐三『一九七二 「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』を読み直してみる。

思いどおりになるかどうかわからない未来への投資より、思い出の反芻は目減りのしにくい娯楽だ。ベスト盤のCDが売れるのも道理である。この境地に辿り着けたら大成功だ。(ナンシー関)

ナンシー関の書く「思い出の反芻」がビッグ・ビジネスになって久しい。かつての人気バンドの再結成、大規模フェス、どれもこれもが「思い出の反芻」に絡めとられている。そういう自分も? どうしたって現行の音楽に付いていけてないわけで、反芻行為に陥っているのが実情なのである。

*
そろそろ梅雨入りなのかな。先週よりもぐっと温度がさがって過ごしやすいけど、寒暖差(涼熱差と書きたい)が大きくて、どうも気持ちが落ち着かない。こういうときは無理せず、動きを抑えておくのに限る。ぐだぐだと日誌を書いて、くたびれているのは馬鹿らしい。

ではでは、開店! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜。

2026/06/05

6/5 店日誌


6月5日、金曜日。ナンシー関を読んでいる。まとめて買っておいた文庫本をてきとうに手に取っていく。『聞いて極楽』『耳部長』『何をいまさら』『顔面手帖』『記憶スケッチアカデミー』(⇦今ここ)。どれを読んでもハズレなし。グサリと刺されるようなテキストがあれば、ダハハ! 思わず声が出てしまうコラムもある。時期によっては消しゴム版画作品に光が当てられていて、文庫ながらも作品集って趣のものもあって面白い。『顔面手帖』所収の「桂歌丸」「朝まで生テレビ」「内藤陳」の連作は実にお見事(かなうならば、原画を見てみたい)。

フリークス性と呼んでしまってもいいくらいに、それぞれに奇妙な形に発達した歌手の「人前で歌う人間」性の品評会。そのせめぎ合いの中から流行歌が育つというのは、歌番組の幸福なかたちだった。(『何をいまさら』所収「歌番組不在の時代が生んだ「人前で歌うべきでない」歌手たち」より)

皆さんすでにご承知のことだろうが、日本テレビはどうゆうわけかフリークスが好きだ。日本一フリークス好きのテレビ局と言い切って間違いない。(『ナンシー関の顔面手帖』所収「愛川欽也」より)

際立つのは、上記した「フリークス(性)」を捉える感性だ。プロレス鑑賞/観戦で育まれたと思われる奇矯な人物へおくる眼差しは、たとえ用のないほど独特だ。安っぽく揶揄(からか)うわけでなく、子供じみた愛を語るわけでもない。読みやすく、分かりやすいのに深みがある。魅力のある文章なのだ。

*
きのう届いたDoveの2作が好発進! メロウな歌ものを主に構成された『LATE NIGHT』、友人の残したレコードを気の向くまま再生し合った『NO PROBLEM』。どちらにも愛と洒落っ気あり。気になれば、ぜひお手元に。

今日明日、明後日、明々後日としばらくは通常営業。お暇があればご来店ください。

2026/06/04

6/4 店日誌

ニュールーツというわりには人懐っこいサイン派ベース+エレクトロ・ダブで、世界のダブ・アディクトたちの話題をかっさらったMERMAIDのLP『DUBMAID』。2025年のリリースから1年、早くも『DUB FOREVER』なる新作がここに。/カヴァー=ヴァージョニングの妙たるレゲエのうま味を出汁に使いつつ、これまた人懐っこいアシッドの熱風が低音とともにスピーカーから吹き出すダブ・アルバムに。(河村祐介)

6月4日、木曜日。発売日よりも一足はやく届いた、MERMAID『DUB FOREVER』に針をおろして、まず浮かんだのがPottmann(ポットマン)。音楽だけを聴いてれば、マーメイドとポットマンを横並びにするのは何の不思議もないはず。自宅の部屋で録音されたようなローファイ・サウンド。歌未満のヴォーカル。するりと耳をぬけるメロディ。心地良いんだか悪いんだか、簡単には判断させない感じが似てるのかな。A面ラストの「NO WAY」を聴いてたら、ロボ宙&DAUを真ん中に置くと分かりやすいかなーと思ったり。

B面冒頭の「BABY」「GAVOTTE」の可愛げ、人懐っこさはダブと言わずとも、多くの人の耳を引く気がする。後者はクラシックの有名曲(「ガヴォット ニ長調」は、フランソワ=ジョセフ・ゴセックが作曲した小曲)らしいけど、ここに「生き延びよう」って言葉を被せるセンス、チョイスに賛同。軽くていいんだよなァ。

*
来週末13日(土)に開催される「NRQ祭り」に向けて、主催者・猿田なつ奈(natunatuna)さんへのインタビューを公開しました。なぜ今、NRQ? またアンテナで、またまたピープルなんすか? って率直な疑問に応えてくれたので、ぜひご一読を。で、興味がわいたら遊びにきてほしいっス。

今日からようやく通常営業。入荷がたくさんありますよー。

2026/06/03

6/3 臨時休業

台風接近のため、今日は臨時休業です。

2026/06/02

NRQ祭りって何だろう? 企画者・猿田なつ奈 インタビュー④


撮影:大宮麻比古

-では、最後にもうひとつ。出店のピープル・ブックストアなのですが、なぜ毎度声をかけてくれるのでしょう? こうしたライブの現場に本は必須じゃないよなーと自分でも思うのですが……。

いつもありがとうございます! とは言え、〈PEOPLE BOOKSTORE〉に声をかける時、その時その時で、いろんな理由があってお声がけしている気がします。そもそも、音楽と本ってものすごく相性のよいものだったと思うんだけど、今そこの結びつきがあまり見えなくなっている気がしてそれが見えたらいいなあというのがひとつ。

これは私の勝手な偏見なのかもだけど、近年いろいろ便利になって、音楽や本が、データや情報として捉えられた結果なんじゃないかな、と思っていて。わたしはそこには小さくとも抗っていきたいなあと思ってこうして企画をやっている気がします。

良い音楽聴いた帰り道に読もうかとふと手に取った本に、人生変えられちゃったよ、とかそういうアクシデントがあったら嬉しい。

-なるほど。たしかにそうかもしれません。ライブが始まるまでの時間で本を読んでる人を見つけると嬉しかったりしますね。会場に本が並んでたら眺めるだけで時間が経つし。

あと〈aNTENA〉のイベントの時は特になんだけど、ピープルがあの場にいてくれることで、つくばという街との地続き感が出ると思ってます。ふらっと何やってるの?と立ち寄れるような空気であるとか、ライブを観に来てるのか飲みに来てるのかわからんような、通路ですでに楽しそうにしてるお客さんがいたりとか、目指してもやっぱりすぐには作れない。つくばに根差している店の力はおおきいなあ、と思ってます。

自分の住む街で何かをやるって、その先が重要だと思っていて、ライブ後今度はピープルに本を買いにつくばに行ってみようとか、足を運ぶきっかけになればいいなあと。

結局話長くなってますが、コンポステラ*のレコードがアナログ化されて、ピープルが取り扱いを始めたこととかも、とても自分にとっては嬉しいことで、そうやって街の店や人の共通言語のようなものが増えていくのが、うれしいことだなあと思います。

-おお、それは嬉しい。実際ライブ前後に店に来てくれる人もいますからねえ。コンポステラはもう、この企画に関わるなら無視できなかったです。イベント当日に見つけてくれる人がいたら嬉しいですね。……と、ここまで長く話してきましたが、最後に「NRQ祭り」に向けての意気込みとナツナさんの今後の活動情報があれば、教えてください!

都市部でのライブに比べ、地方のイベントってある一日のために長い時間をかけて準備することができたり宣伝できることができるなあと思っていて、実はその過程こそが大事なんじゃないかな?と思ってます。

集客の人数は結果でしかなくて、当日そりゃ満杯になったら気持ちもいいし、お金もたすかりますけども、それよりも、NRQという唯一無二のバンドに出会うきっかけをそこかしこにつくれるのが企画者冥利に尽きます。今回はさらにみたらし団子ズと牧野琢磨トリオ・パッカサタンにも出会えますし。そういう機会つくれたこと、それがまず嬉しい。あとはこの感じを面白そう! って、つかまえてくれる人と出会いたい。自分のアンテナは衰えてなかった、と感じてもらえるような日になったら嬉しいです。

わたし自身はこの後6月23日(火)〜7月12日(日)の会期で京都の〈gorey cafe〉で毎年恒例の個展**があります。今年で9年目、いま追い込み中です。期間中にライブイベントも6本ほど予定しているので是非ぜひ遊びにいらしてください。

−ありがとうございます! ここまで読んでくれて、当日〈aNTENA〉に来る方がいるならば、NRQメンバーやナツナさん、あっちゃんに声をかけたくなるでしょう。見つけたら気軽に話してみてください。みんなやさしく応えてくれると思うので。

ではでは、来週13日(土)に会場で会いましょう!

(終わりです!)

*「篠田昌巳ユニット」のち「コンポステラ」:と名乗った楽団の音源、2タイトル(『COMPOSTELA』・『1の知らせ)』が今年4月にアナログ盤でリリースされた。ちなみに、NRQのメンバー、中尾勘二さんは両作に参加している。

**natunatuna solo exhibition 「「ゆめ」のあと/さき」:は〈goery cafe〉(京都市左京区浄土寺西田町82-1)で上記会期で開催。月曜定休。

NRQ祭りって何だろう? 企画者・猿田なつ奈 インタビュー③

PA:片岡敬さん(撮影:大宮麻比古)

-で、忘れちゃいけない! サポート陣のことも聞いておきます。今回もPA(音響オペレーター)として片岡敬さんが参加されますね。前回からの連続参加ですが、そもそもどんなきっかけがあったのでしょうか?

以前からNRQのイベントや音源でお名前をみていたり、〈senkiya〉のイベントで片岡さんがPAをしている時にご一緒する機会があり、お話をきいたりしていて、いろんな状況で最適に音を鳴らすことを得意としてるし楽しんでいるのを感じまして、この方なら一緒に1日を作ってくれるなあと思いお願いしました。

はじめは、NRQは自分たちでも音を作れるし、その規模なら自分がPAやらなくてもいいかもとおっしゃっていたのですが、ライブがたくさんはいりはじめた〈aNTENA〉で、プロにPAをお願いしたらどれくらいいい音できけるのか場所の可能性を知りたかったのもありお願いをしました。

2年前は、どれくらい人が来るかも未知数だったので、音のことをまるごとお任せできたのは本当に助かりました。

-では、会場となる〈aNTENA〉に関しても聞いていきます。今や焼菓子と名物店主あっちゃんのイメージが強いですが、どんな風に知り合って、どうやって関係が出来ていったか知りたいです。

あっちゃんとの出会いは、かなり変わってて。話すと長いんです。(聞き手の植田は)知っているとおもうんだけど、数年前にわたしはスパン子さんというピアニストの500枚手描きのCDというのをつくらせていただいていて、その完成記念の大阪のイベントで、「維新派」*の美術や舞台制作をしていた白藤垂人さんが、会場装飾をしてくださいまして。センスも熱意も、ものすごくて、勝手にかなり尊敬してる方なんですが、その後、映画のセットをつくったりするのにつくばに何日も泊まり込みできてるとおっしゃっていて、現場に覗きにいったりした流れで、夜みんなで飲んでる場に呼ばれまして。

そこで、紹介されたのがあっちゃんでした。あっちゃんと垂人さんは酒場で隣同士になって、垂人さんが関西弁で憂歌団の木村充揮**さんの話をしていたから声をかけたとのことでした。

多分天久保に出入りしていたら、出会うこともあったのかもしれないけど、わたしはもともと酒場に行ったりしないタイプなのでその日まで全くお互いに存在を知らず、あっちゃんもきっと謎だっだろうなと思います。お互いに共通していたのは、信頼する垂人さんの紹介だから、きっと大丈夫だろう、というところだったと思います。


2018年頃、アンテナ施工中。貴重な記録!

-あっちゃんと乗人さんの出会いの話、いいですねえ! 天久保での木村充揮さんのライブを観にいく直前のことらしいですね。それもまた運命的。

その時にライブスペースを手作りしている話を聞きまして、場所を見せてもらうんです。スナック二軒をぶち抜いた広いスペースに木材やらなにやらが沢山あって、ステージの上で使う木材に色を塗っていました。本当に手作りで、地下にこんなところがあるなんて、しかもこれから始まる場所だなんて、と、ものすごくワクワクしました。

そこが、今のaNTENAです。まだコロナ前、2018年頃だったと思います。

-おお、貴重な写真! この時から比べて、現在のアンテナはどうでしょう? 最近はいろいろライブもやってて貴重な場所になってると思うのですが。

いやあ、かなり貴重な場所だとおもいますね。はじめこの場所を見た時には、コロナ前、他にもライブできる場所はたくさんあったので、さてどんな音楽がここで鳴らされていくんだろな?と思ってました。本人の中でも、どんな音楽をやることになるかはまだイメージ無かったんじゃないかな。

あっちゃんは、どんどん良くしてこう、というタイプの人で、ライブをしては改善点を次々と直していくんです。「誰も気づかない」と口癖のように言いながら。壁の色もその都度の課題にあわせてどんどん変わる。結果、今かなりいろんな方が使いやすい場所になっていると思います。

風通しがよくて、いろんなお店の店主も足を運んでくれるのはかなり面白いなと2年前にNRQつくばを開催した時におもいました。

-とにかく楽しいことなら何でもあり! 宴会やるよーみたいな漠然としていたところに形を与えたのがなつなさんの絵だったり、デザインだったのかなと思ってます。

チラシをつくることで、当時まだ始まったばかりの場所の、お互いの共通イメージを作れた気がします。すごいのは、ひとつひとつ現実になっていること。とうとう今度祭りの開催もあるということで、あっちゃんも張りきっています!

(次回につづきます!)

* 「維新派」:1970年に大阪で活動を開始。維新派の最も大きな特徴として、巨大な野外劇場を建設することが挙げられる。この作業は、役者、スタッフの総勢50名ほどが50日〜60日を費やして自分たちの手で行う。 何もない全くの更地の状態から、舞台、客席、宿泊場所までを作り、上演時はカーニバルの異空間を作り上げる。公演後は釘一本残さず、再び更地に戻すという徹底ぶりは、架空性への強いこだわりでもある。http://www.ishinha.com/ishinha/

**「木村充揮(きむらあつき)」:日本を代表するブルースバンド「憂歌団」のヴォーカル。独特のダミ声に乗せる情感は唯一無二。2018〜2023年にはつくば市天久保にあった〈FROG〉でライブを開催していた。https://www.kimuraatsuki.info/

NRQ祭りって何だろう? 企画者・猿田なつ奈 インタビュー②

6/13「NRQ祭り」のフライヤーはこちら!(natunatuna画)

-NRQ、2年ぶりのつくば公演をこのタイミングで行うのは理由がありますか? たまたま? それとも、満を持しての日程なのしょうか?

実は第一回目のNRQつくばをやった時に、次をどのタイミングで企画するかすでに考えていました。前回の直後からNRQははじめての半年間の活動休止に入ったので、1年後にやるのはちょっとはやいかも?とは思ってました。

去年(2025年)の冬ごろに、「来年旧作4thアルバム『Retronym』がLP化されるのでまたつくばでライブしたいです」と言ってくださり、そこから計画を練り始めました。〈aNTENA〉店主あっちゃんもNRQやメンバーそれぞれの活動を追っていたこともあり、なんとなく、みんなで企画を組み立てていくような気運を感じました。

ほどなくして、「前回とちょっとアプローチを変えて前座として短めに「パッカサタン」と「みたらし団子ズ」も加えるのは如何でしょう、とメンバーの吉田悠樹さんから(ブッキング発案は牧野琢磨さん)提案をいただき、これはもう祭りだね、なんてことをみんなそれぞれに思っていたと思います。

-なるほど! そんな流れがあったとは。企画名の「NRQ祭り」っていうのは、自然と流れのなかで生まれたわけですね。もうちょい詳しくタイトルのことを教えてほしいです。やはり「祭り」ってのは特別だと思うので。

さっきの続きになるんですが、バンドからの企画案を受けて、タイトルに祭りと付けたいな。あっちゃんは祭りが好きだし、提案してみようかな、とは思ってました。

今のNRQをみた上で、その「NRQ祭り」と銘打ってもよいですか?とお伝えできたらなと思い、ライブに足をはこびました。MCでギターの牧野さんが、「6月13日につくばでNRQ祭りをします!!!」と言ってくださったのです。とても嬉しく、ライブ後ダッシュで帰り、その日のうちにフライヤーを描き始めました。

前回公演(2024年)のフライヤー。印刷は〈えんすい舎〉で。

−それはすごい(笑)! 神の思し召しみたいな話ですね。では改めて、今回出演の3バンド(NRQ、牧野琢磨トリオ・パッカサタン*、みたらし団子ズ**)の紹介をお願いできますか?

NRQは本当にバンドを組むために集まった個の集まり、みたいなバンドで、仲良しこよしから始まっていないし、バンドで一つの答えを出す、よりも、誰かの意見がでたらそれを100%尊重する、みたいに書いてあって、なかなかにすごい方々だなと思ってます。

わたしが何を紹介できるのだろう、プロフィールとはちがうよなあ、と。2年前も読んだんだけど、このインタビューに色々書いてありかなり面白いです。

−おお、ありがとうございます。(数十分、無言。インタビュー読む)このインタビュー、すごいですね……。これまでもっていたNRQ観がひっくり返ってしまいました。いやー、オレは何も知らなかったんだな(笑)。

(次回につづきます!)

* 「牧野琢磨・トリオ・パッカサタン」:2023年結成。NRQや湯浅湾、Summer Eye Sound Syndicateなどでギターを弾いている牧野琢磨のリーダートリオ。自身の好きな曲・演奏したい曲群、謂わば“人力プレイリスト”を演奏する。レパートリーはラテン、クンビア、ソウル、ジャズ、アメリカーナの名曲たち。https://www.youtube.com/watch?v=pY6zK8vjMIc

**「みたらし団子ズ」:吉田悠樹+服部将典のユニット。今回は中尾勘ニをドラムに迎え、NRQ4分の3。NRQとの大きな違いは歌心。NRQでは二胡のメロディラインが美しい吉田氏だが、みたらし団子ズではギター片手にボーカルをとり、服部氏も歌う。叙情的な味わい深い歌詞も必聴。名曲スプリングは前野健太氏作詞。

NRQ祭りって何だろう? 企画者・猿田なつ奈 インタビュー①

前回公演、終了時の1枚。真ん中が猿田さん(いい顔)!

2026年6月13日(土)につくば市天久保1丁目の地下スペース〈aNTENA〉で、NRQのライブが開催される。前回2024年4月に同会場で行われたワンマン以来、約2年ぶりとなる企画は「NRQ祭り」。……って一体、どうゆうこと? 今回は何が行われるの? SNSを介して広がる情報以上のことが知りたくなり、企画者の猿田なつ奈(natunatuna)さんに話を聞いてみた。まずは2年前の企画に関することから───。

-なつなさん、こんにちは。6月13日(土)に開催する「NRQ祭り」に向けて、いろいろ聞いていこうと思います。よろしくお願いします。

どもども、よろしくお願いします!
当日の出店も受けてくれてありがとうございます、すごく嬉しい。

-いえいえ、こちらも誘ってもらえて嬉しいです。開催まで2週間をきりました。いまのところの反響、予約状況はどうですか?

行くよ〜! みたいな声とか、楽しみ! って声は聞こえてきてます!予約が入ってくるのはここからだと思います!2年前も連絡来たの前日と当日がほとんどだったので。当日の朝までの予約で40人、当日で60人増えて、その感じがまた面白かったです。

とは言え、やっぱり予約してくれるとほっとしますんで、良かったらご一報ください!

-分かります! イベントの企画側はできればハラハラしたくないですもんね……。前回(2024年4月6日)のライブは100人超の集客で大盛況でした! 近い距離でみていて、告知としての「NRQポスター展」の効果が大きかったと思うんですが、あの反響はどんな風に受け止めていましたか?

あれは、つくばと、そしてNRQの組み合わせならではの企画だったなと思ってます。長くなってしまうんですが、あの少し前に〈千年一日珈琲焙煎所CAFE〉で〈AKUAKU〉の展示*をやっていましたよね。あれを見て、街の中にポスターがあって、バンドやアーティストの名前がかっこいいビジュアルを纏ってて、面白い場所に貼ってある、みたいな当時のつくばをイメージしたんです。羨ましかったし、すごいなあと思ったし、魅力的だなあと。

ポスターの大きさがすごく重要だと思いました。今はなんでも手のひらにおさまるから。ピントを手のサイズから壁のポスターに、街の風景に、合わせていけるようなことになったらいいなあと。

-ピントをずらし、広げて、街に向ける。その発想は面白いですねえ。

とは言え、あちこちの店を訪れて、ポスターを貼らせて欲しいとわたしは軽々しく言えない。やっぱりそこは、何を貼るかはお店の表現でもあるから。でも、NRQをつくばに呼ぶ企画だったからきっとみんな協力してくれる、と思いました。

結果22人だったかな、たくさんの人が参加してくれました。天久保1丁目の〈えんすい舎〉**と絡めたかったのもあったんです。今のつくばでは、そういう遊びができるということをみせたくて。大変だったけど、その一連の流れをお店の方々も把握してくれて、ポスターもたくさん貼ってくれて、目にする人も多く、集客にも繋がった気がします

2024年4月のイベント当日。廊下に沢山のポスターが貼り出された。

-そもそも、「NRQ ポスター展」っていろんな人にポスターを描いてもらう企画ですよね? なんにせよイベントのモチーフとなる絵ないし写真はひとつの方がわかりやすい。そんな声もあったと思うんですが、ああやって呼びかけた理由はなんでしょう? 単に集客目的以上のものがあった気がするんです。

みんながNRQを聴いてみるキッカケをつくれることかな。今は色々聴く方法があるし。あとは、自分だったら、私に描かせて欲しいって思っただろうな、と。ツテがなかった若い頃の自分へ投げたパスでもあった気がします。仲良しこよしじゃなくて、チャンスくれよ、って私だったら思うなって。

-「チャンスくれよ!」ってのは、とってもなつなさんらしい答えです……!



*〈AkuAku〉の展示: 「アクアクの時代 1979 - 2000   ひとつの つくば カウンターカルチャー史」(会期:2024年1月25日−2月5日) かつてつくば市天久保には「CREATIVE HOUSE AKUAKU」という文化的実験の場がありました。あえて分類するならば、ジャズ喫茶やライブハウスというカテゴリーにあてはまるのでしょう。ただ、そうした既存の言葉でこの場所の活動の広がりを表すことはできません。https://1001coffee.jugem.jp/?eid=672 

**〈えんすい舎〉: 「えんすい舎は、リソグラフとシルクスクリーンの印刷ができる体験型印刷所です。お客様自身で印刷をして作品を完成させることで、「ものづくり」の楽しさを体験してもらいたいと考えています。印刷後に加工するための色々な道具やスペースも揃えていますので、ワークスペースとしても使うことができます。」https://1001coffee.net/1-5

6/2 雑記

朝イチのレコードは、JOEY QUINONES『INNA SOUL STEADY SITUATION』。ジャケットの雰囲気からしてフィーリンっぽいのかなーと思ってたけど、軽めのレゲエではじまる。スカラチャ、スカラチャ、リズムを刻んで徐々にペースが落ちてきて納得。そうそう、期待してたのはこの感じ。マテオ・ストーンマンに似たシルキー・ヴォイス、チカーノソウル特有のテンポ、深みのあるグルーヴ。これは梅雨から夏にかけての重宝盤になるだろう。

怒涛の週末が過ぎて、ようやく日常のスピード感を取り戻した。これから健康診断を受けてくる。

2026/06/01

6/1 店日誌


6月1日、月曜日。連日の出店、それに伴う出来事に飲み込まれて、アウト・オブ・コントロール状態に陥る。こういう時には、北山耕平『自然のレッスン』に手を伸ばす。「満足を知るためにやっていいこと やってはいけないこと」の前半部をそのまま書き写す。「一、不平を言わない。だれかの不満の種にならない。 二、ひとつのことをくよくよと、いつまでも考えない。 三、自分の分け前を、他人のものとくらべたりしない。 四、過去を振り返り「あのとき、ああしておけば」などと絶対に言わない」。

このあとにも「七、ひとを見るときには、よいところをさがす。 八、やさしい気持ちで行動する」など、平明かつ簡素に言葉が重なられていくのだけど、すーっと受け入れられる。せめて今、数時間だけでもここに書かれていることを意識する。背筋を伸ばして、いい気分で過ごせるよう工夫してみる。

*
毎週末に催事参加、臨時休業が重なった先月でしたが、今月は13日(土)の「NRQ祭り」のみ。単なる出店ではなく、会場(アッチャン)と主催(ナツナサン)との三位一体、心を合わせて準備を進めています。「十、どんなに小さなことでも、どんなに大きなことでも、やるからにはベストをつくす」ってのを実践するのは今! やったるぜ。

今日は通常営業。お隣カフェで開催中の「メザメザメ 春 刊行記念展」最終日です。