○2021年に当店に届いた新刊、自主制作の書籍で印象にのこった5冊。
○上記以外では、離婚アンソロジー『心がなければ幸いだ』には恐れ入った。作り手、書き手の顔の見えなさが興味深い。素朴なお話がつまった『聞かせてください、あなたの仕事』も好印象。二木信さんが紹介してくれた『ヒップホップ・アナムネーシス』を通して“コンシャス”なる言葉の意味、用法を再考できたのは新鮮な出来事だった。
○雑誌では『inch magazine』vol.1と『ランバーロール』04。小さくとも熱のある編集がされた前者に触れて、『フライデー・ブラック』と『ムーンライト』に出会えた。後者は古山フウさん、山本美希さんの作品に驚かされた。全体的に重みのある作品ばかりでいまだに咀嚼できた気がしない(安永知澄「価値ある魚」にもドスンとくらった)。
○その他、金井タオルによる『つくづく』の動きからも目が離せなかった。最新号であるvol.22の形態はステッカー。来年早々にも、次なる号が控えているようなので、楽しみにしてほしい(現在、番外編冊子の在庫あり)。
○カンパニー社が刊行する書籍群にも、毎度驚かされた。『AA 五十年後のアルバート・アイラー』、『ソ連メロディヤ・ジャズ盤の宇宙』、『東欧ジャズ・レコード旅のしおり』。いわゆるマーケティング的なそろばん感情では発行できないものばかり。年末にすべり込んだ『魂の形式 コレット・マニー論』も強力だ。
○『IN/SECTS』vol.14所収のインタビューを読んで興味をもった、尾道〈古本屋 弍拾dB〉の店主・藤井基二さんが書いた『頁をめくる音で息をする』。題名、装画、内容がひびきあっている。店主の詩ごころがつまった本。サイン入りのもの、数冊在庫あり。
○忘れちゃいけないのは、知人が定期的に発行する冊子『respelatrol』。日記形式の折りたたみ、ペラ一枚。簡素なつくりであっても力のある内容でしっかりと読ませてくれる。届くたびに一気に読んでしまった。
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