2021/12/01

『記憶のちぎれ雲 我が半自伝』

錯覚の光栄にありつくことなしに、人間は生きていけないが、錯覚は錯覚だ。

草森紳一『記憶のちぎれ雲 我が半自伝』が届きました。
若き著者と交流のあった真鍋博、古山高麗雄、田中小実昌、中原淳一・葦原邦子、伊丹一三(十三)の5組との記憶、その時々で生まれた感慨を淡々とした筆致で描き出した、ポルトレ集。え、この人にこんな顔があったのか、と驚かされる部分があれば、そうか、草森さんはこう捉えたのか……と、唸らさせるところもあり。読むほどに味わいが増す、厚みのある一冊です。

本作は2004年〜2007年の3年間、『クイック・ジャパン』誌に連載されたものを2011年6月に書籍化したもの。10年以上のときを経て、当店でもようやく販売開始です。

販売価格は3080円(税込)。和田誠による装幀が、本当にすばらしい。

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