①「ZENDA MI ZENDA」 ※ZENDAMANのYouTube番組
②YOUTH OF ROOTS『Jamaica EP』(Tree Of Fruits Records)
③ASOUND『Feel It』(Tree Of Fruits Records)
⑤MERIDIAN BROTHERS『Cumbia de la Igualdad/Cumbia del Relicario』(オクラ印)
○オリパラ&緊急事態宣言による自粛期間だった2021年の夏、遅ればせながら大ハマりした①は、弱冠21歳のレゲエDeejay・ZENDAMANが単身ジャマイカに移り住み、現地のビッグアーティストやルードボーイ、ラスタマン、エロいお姉様、そして年齢職業不詳のストリートワイズたちと出会いながら、師匠や仲間とともに“ラガ道”に邁進する姿を記録したYouTube番組で、何よりZENDAMANのレゲエに対する真っ直ぐな気持ち(とキラキラした瞳)に心が浄化された。と同時に、そうした若者の煌めきに素直に感応している自分(の変化)も新鮮だった。
○そんなZENDAMANのチャンネルで、ともにジャマイカで武者修行をする仲間として紹介されたのがKON RYUだ。音楽プロデューサーである父と結成したレゲエバンド、YOUTH OF ROOTSのボーカル&ギターとして活躍するKON RYUは、ZENDAMANと同世代の若き才能で、バンドのメロウサイドの楽曲をまとめた②での甘い歌声にうっとり。余談だが、横浜の金沢区に引っ越した友人から、近所を散歩中にKON RYUパパのスタジオ(拳POWA STUDIO)を見つけたとのLINEあり。来年は海と山に囲まれたジャマイカにいちばん近い?ヘヴン=金沢区を散策したい。
○YOUTH OF ROOTSの存在を知った同じ頃、旭川の友達から教えてもらったバンドがASOUND。「ボーカルのARIWAの母親がZELDAのメンバーで、ドラムがOKIさんの息子で……」という情報量の多さに一瞬圧倒されたが、ライブ映像を見て一発でファンに。しかもYOUTH OF ROOTSともがっちり繋がっていて、レゲエ界隈での新世代の台頭を実感させられた。先月、PEOPLE BOOKSTOREの植田さんに葉山での矢吹くんの個展に誘ってもらった際、逗子の古着屋「ECHOES」に寄り道して残り1枚だった③を購入。CD限定で収録されているThe Cool Notesの「My Tune」のカヴァーがとにかく最高だった!
○ZENDAMANをきっかけに磁力が帯びてきた頃、「そろそろ誰かと『ZENDA MI ZENDA』の話で盛り上がりたい!」とネット検索をすると、2020年に同じように同番組にハマっていた人物を発見。何とそれが大好きな作家・戌井昭人氏だったのは嬉しい驚きだった。今夏読んだ④の解説で、エッセイストの石田千氏が「とろんとかけがえのないひまの匂いは、戌井さんの『すっぽん心中』や『俳優・亀岡拓次』にも共通している凪の美学」と、戌井氏の小説に感じていた魅力を見事に言語化してくれていて、痺れました。余談だが、本作には三ノ輪の老舗天麩羅屋「土手の伊勢屋」が登場する。今年、新人デザイナーのショーゾーくん(PEOPLEが縁で出会った友人)に弊レーベル「OFFICE Flaneur」の栞を作ってもらったのだが、その打ち合わせをしたのが伊勢屋で天丼を食べた日だったことを思い出した。
○その栞をインスタにアップし、「デザインのご用命は@shozoidetaまで」とポストした数十分後、「オクラ印」を主宰するヒデさんから「7インチのデザインをしてくれる人を探しているから紹介してほしい」とのDMが。それが、コロンビアの変態エレクトロ・クンビア・バンドの⑤となって届けられたときは嬉しかった。ショーゾーくんは処女作ながら大胆にも、元のアルバムジャケットのイラストから少女たちを消し、空っぽの部屋にするというマジックを披露。“東京からトロピカルミュージックを世界に発信するレーベル”オクラ印の作品には、ジャケットデザインを含め、今年も楽しませてもらった。余談は、もうない。
トニー李
編集者。EL CINNAMONSのメンバー。同名の雑誌をこれまでに4冊発行。現在冬眠中。
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