植田さんから「2021年の振り返り企画、書いてみませんか?」とメールをもらって「いいですね。ぜひぜひ。書くなら『つくづく』ネタ以外がいいですよね?」と自ら言ってみたものの、今年を振り返ってみれば、ほぼ『つくづく』に繋がってしまう。というか、それ以外になにをしていたのか、ほとんど覚えていない。『つくづく』とは、ぼくは個人で出している雑誌のタイトルで『BRUTUS』と版元ドットコムで説明文を書いたので、ご興味あればそちらを。
で、2021年の振り返り。寄せては返す波のように、ふざけた号を出しては引き、出しては引きを繰り返していたら、12月31日になっていた。大方の人がそうであるように、世間の波に翻弄されながら、どうにかこうにか大晦日という岸にたどり着いた感じ。
今年も沢山の本を買い、そのまま積み上げている。先日、ピープル ブックストアで通販したこだま和文のレコードは、聴く前から行方不明。カバンのなかには劇場で渡される大量のチラシが入りっぱなし。それを整理しながら、「ああ、そうだ。『アナザーラウンド』はよかったなぁ」ということを思い出した。勧められなかったら観ない類の映画で、しかし冒頭からラストのカットまで、役者からなにからすべてが最高で、だからこそ事あるごとにひとに勧めている。
マッツ演じる冴えない高校教師とその同僚3人は、ノルウェー人哲学者の理論を証明するため、仕事中にある一定量の酒を飲み、常に酔った状態を保つというとんでもない実験に取り組む。すると、これまで惰性でやり過ごしていた授業も活気に満ち、生徒たちとの関係性も良好になっていく。同僚たちもゆっくりと確実に人生が良い方向に向かっていくのだが、実験が進むにつれだんだんと制御不能になり…。(オフィシャルサイトより)
つまり「友だちと互助会」がテーマで「自由研究」の話でもあり、「なんだか『つくづく』みたいじゃないか」と、やはり自分の雑誌に繋げてしまう。そんな思考状態ゆえに沈思黙考は程遠く、思いついたアイデアを片っ端から発表しないと気が済まない。でも、それではいけない。積読は積読でしかなく、やはり本は読まないとはじまらない。思いつきは思いつきでしかなく、練り上げたアイデアには敵わない。そんな当たり前のことに気がついた年だった。だから2022年は“ヴォリュームに気をつけ”ながら、“まとも”な雑誌をつくろうと思っている。
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