2月3日、金曜日。数ヶ月ぶりに店に来た、同世代の建築士・Sさんが本をしっかり買っていく。数少ない、言葉がしっかり伝わる人。話ができて嬉しい。小林信彦『コラムは誘う』を終えて、同著者の『うらなり』を棚から取り出し読み始める。夏目漱石の名作『坊っちゃん』を、脇役のうらなりを主役に据えて書き直した、創作小説。あっという間に引き込まれて、一気読み。
かなり前に読んだ『坊っちゃん』は古典らしからぬ、軽い手触り。そんな印象だけが残っていた話が地味な男、古賀の眼線で語られると、かつての主人公、坊ちゃんこと五分刈りの異物感が際立つ。これは、年末に観た映画『SLUM DUNK』と同じ作用だと気が付いたのは、本編読後の「創作ノート」を読んでいるとき。文学って面白い。
今日は15時、明日明後日は13時開店。お暇なときにご来店あれ。
0 件のコメント:
コメントを投稿