ふとした瞬間に、さまざまな場所で目にとまる“椰子の樹がある風景”。それは私にとって植物というよりも、言葉にできないある種のイメージだ。たとえ自分や世界がどんなふうに変わっていったとしても、その風景のなかには、いつも気楽でのんびりとした南の風が吹いている。
MAYU SAKAZAKI『SCENT OF PALMTREE』が届きました。
ライター兼フリーエディターの坂崎麻結さんがライフワークのように撮りためた椰子の樹がある風景──国内外問わず、看板や写真、遊具も含めて──を集めたZINE。自分が行ったことのある場所は皆無なのに、なぜか懐かしい。かつて、どこかで見たことのあるような気がして、ジーンとした感情も沸いてくる。
“湘南”と呼ばれる辻堂の町で育ったからか、片岡義男さん、秋山晶さん、永井博さん、細野晴臣さん、佐藤秀明さんといった、ある種のイメージを持つ作家たちに惹かれてきたからか。どちらが先でどちら後なのか、自分のことはやっぱりよくわからない。
なぜ、椰子の樹を撮るのかを説明した上記文中にある通り、アメリカ的日本を思わせる風景と空気が切り取られている。流行のエキゾチックではなく、ながく残るある種の文化の香りも漂っている。
販売価格は2000円。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。
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