4月28日。午前中、店に来てスーツケースに本を詰める。既に二箱発送してあるので、前回までのようにパンパン、ギュウギュウにしないよう心がける。新刊から入れていって、古本、レコードを入れて完成。だいぶ少なくしたつもりだが、けっきょく重い。リュックを背負っていざ出発。
つくばエクスプレス〜東京メトロと乗り継いでいく。前日に買ったばかりの、小林信彦『読書中毒 ブックレシピ61』が面白い。副都心線がみなとみらい線に接続して、横浜に入ったあたりでほぼ読み終える。終点、元町・中華街駅で降りると、人が多い。平日ゆえか若者のグループが散見される。修学旅行か? ってくらいの大集団から友人たちの少グループまで。ながい、ながいコンコースを端まで歩いて地上に上がる。街もまた人! 浮かれ気分の若者たち。誰が悪い訳ではないのだが、毒づきながら通りを歩く。
会場〈神奈川芸術劇場〉に到着。エレベーターで上がって、大ホールに。ちょうどリハーサルの真っ最中。そろーと入って荷物置いて外に出る。歩けばすぐに山下公園。快晴、新緑、気持ちがいい。前回気に入った店に入って生ビール、パスタランチ。窓際の席で本の残りを読む。15時前にホールに戻り出店準備。お隣は雑貨店〈Aquvii〉、挨拶をしてお互い手を動かす。慣れているものの、やはり時間がかかる。16時半過ぎに準備完了。
曽我大穂さんと軽く話して、17時ちょい過ぎにドアが開く。サーカス出店でいちばん緊張するところ。ばらばらと入ってくる人たち、本に興味を持ってくれるだろうか。どんな風に声をかけようか。思案しながら立っていると、ぽつぽつと人が来る。へーって感じで通り過ぎる人が多いなか、じっと本を見つめる人がいる。一冊ずつ手に取って読んでいる。数冊を吟味して、ラニ・シン『ハリー・スミスは語る』と古本を一冊、ナイスチョイス! そこから、いいペースで本が売れていく。今日は大丈夫だなと安堵したあたりで、客電が落ちて一部開演。
ゲストの打楽器奏者・芳垣安洋さんの佇まいが決まっている。歌を口ずさみ、布を触っているだけで職人然とした雰囲気。スズキタカユキさんの役割が減って、いつもより軽やかに見える。照明の色数も抑えめで渋く進むパフォーマンス。率直に言えば、謎。何をやろうとしているのか読み切れない。でも、何かが始まりそうな気がして期待させる。ここ数回の公演でも出色の導入だった。音が止まり、恒例の出店者、メンバー紹介をして休憩。ここでもまた、本がいいペースで売れていく。
多要素がまとまらず、バラバラのまま進む2部。芳垣さんの演奏がすごい。細かい音でつくるビートがあれば低音を加えたリズムもある。圧倒されるが、仕立て屋のサーカスの舞台としては。どうなのか。やや単調な舞台に思えて、眠くなる時間もあった。大工も大塚さんの印象が薄い。たまに聞こえる作業音は印象的なのだけど。「木を叩く、布を叩く」と題して、目論んだ意志は感じた。バタバタと片付けをして、この日は終了。電車に乗り、武蔵小杉へ。
明日から、どう変わっていくのかが楽しみだ。
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