4月26日、水曜日。土井政司『ほんまのきもち』を通読した。小学3年生の「俺」の独白作文体で綴られる35ページ。語り出しの「なんでか知らんけどこの世の中のルールというか決まりごとでヌイグルミは生きてへんことになっていて」から「これはいまでもずっと変わらん、ほんまの気持ち」まで、止まらずに読んでいった。
いくつかの場面転換はある。だけど、ここに書かれた「俺」の声が聞こえてくると、全ての出来事が繋がっていて、命を持ったものだと感じられる。泣かせるわけでない。あくまで「俺」の感じたままの作分だ。なのだけれど、読み手の感情を刺激する。自分自身、閉じてしまった扉が少しだけ開くような感覚があった。
こうした自費出版にありがちな文化的装飾(一般にカルチャーと呼ばれるものをとりまく空気、周辺の人物への気配り、おもねり等々)をとり払い、本質だけで書ききった、著者の気概を讃えたい。ぼく、植田浩平は土井政司を尊敬する。
今日明日は通常営業。明後日28日(金)から30日(日)まで、店は休み。
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