自分の店、〈PEOPLE BOOKSTORE〉を開店して丸10年。特別な感慨はないのだけれど、質問されて振り返ってみると、あれやこれやの記憶がよみがえる。遊びっぱなしだった頃に比べれば、だいぶ真面目な本屋になった今現在。店や街に対する率直な気持ちと4月23日(日)に開催するパーティー「PEOPLE’S PARK」への意気込みを、盟友・トニー李(EL CINNAMONS)を相手に話してみた。(植田)
今年は無事に「宣伝」の役割を果たせるか!?
――今年もまた「PEOPLE’S PARK」が開催されますね。という台詞は、何と6年前のインタビュー冒頭のコピペでして。
植田 え、最後に2人で話したのって6年も前なんだ!?
――正確には2020年に『EL CINNAMONS』のリリースパーティをやってもらった時に、連続放談をやりましたよね。
植田 もともと「PEOPLE’S PARK」の宣伝として始まった企画で。一番最初の年のインタビューはパーティ前日の朝に上がってきたんですけど(笑)。
――……。
植田 いや、嫌みじゃなくて、あれはあれで面白かったなと。
――でも、その翌年は植田さんが記事のアップにモタついて遅れたんですよ! ほら、「私植田の怠惰がたたり、このタイミングでの公開となりました。インタビュアー・トニー李にはなんの責任もありません!」って断り書きが書いてある。
植田 ……。
――両者痛み分けということで、久しぶりの記念放談を始めましょう!
PEOPLE BOOKSTOREが10周年!
――今年の「PEOPLE’S PARK」は何と言ってもPEOPLE BOOKSTOREの“10周年記念”。まずはおめでとうございます! オープンは2013年でしたか。率直にどうですか、感慨とかってあります?
植田 それが、感慨はないんだよなあ。カッコつけてるわけでもなく。
――ギリギリ20代で出会った僕らも今年で40代! この10年でつくばの街の変化って感じますか?
植田 やっぱり他所から移ってくる人たちが増えてるのかなーと思うことはある。うちの店も、ここ数年で改めて発見されているような気もする。で、そういう人たちの反応が良かったりして。店やってて良かったナーとか、たまに思う。
――周りのお店とかのレベルではどうですか?
植田 10年前〈古着屋may〉は無かったし、その隣の焙煎所もなかった。〈Club OctBaSS〉は移転前だったし、レコ屋〈Good Near Records〉なんて気配すらなかった。リソグラフ印刷工房〈えんすい舎〉も出来た。自分の店がある天久保地区に限れば、いい変化が多いと言えるかもしれない。信頼できる個人店が増えていくのはやっぱり嬉しい。
――そういえば去年、PEOPLE BOOKSTOREの元店員の中村ちゃん(中村友貴)に会いに鹿児島に行ったんですよ。その時はまだカフェの店長だったんですけど、その半年後に〈食堂湯湯〉って自分のお店をオープンさせて。
植田 うんうん! あれはね、すごく嬉しい。なかなか行けないけど、応援してる。
――PEOPLEから巣立った後輩が、鹿児島の地で新たにインディペンデントなお店を始める。これもまた10年という時間を感じますね。植田さんはよく“周年は口実”って言ってましたけど、今年の「PEOPLE’S PARK」はどうですか?
植田 そうだよね! 実はその言葉を今回も使いかけたんだけど、今の自分はそれを許さなかった。言い出しっぺが照れて、はぐらかしてもいいことないだろ! って。だから今は「おめでとう」と言ってくれたら「ありがとう!」と応えて「(これからも買い物してね)」「(いや、もっともっと頼むよ!)」と心の中で思ってる(笑)。
出演者紹介その1(小西康陽、ロボ宙、YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)
――では、今年の出演者をメインフロアの〈OctBaSS〉からおさらいしていきましょう。まずはDJの小西康陽さん! そもそもどういった経緯で小西さんをお呼びすることになったんで
植田 小西さんはまず、2020年の企画が流れてしまったのが大きくて
――その前年に一度「What are you doing this weekend?」というパーティ(某雑誌の名企画から!)
植田 いやー! 凄かったよ! あのときはマジで驚いた。小西さんの本 (『
――つくばで小西さんのプレイが体験できるのは貴重ですよね。続いてはラッパーのロボ宙さん!
植田 ロボさんはね、なんだろう。守り神かな(笑)。いてくれると安心できるし、ライブも楽しい。場にいてくれる感じも好きなんだよね。一人でいても自然でね。OctBaSSの店長でラッパーのエスプラ(SPRA)のリリパに出てくれたときも楽しかったね。あのとき、ロボさんは赤玉パンチをたくさん飲んでいたらしく、出店者が喜んでたな。
――代田橋駅前にあるロボ宙さんのお店にも行ってみたくて。
植田 うんうん、〈OMIYAGE〉は本当に楽しい。隅々までロボさんのセンスが感じられるし、あのテキトーな雰囲気がいい。売ってるけど値段がついてないものけっこうあって、それをいちいち「いくらですか?」「えーと、○○○円」「買います!」みたいなやり取りがね、いいんだよね。ああいう店があるってことが励みになる。
――〈OMIYAGE〉の並びにある本屋〈バックパックブックス〉も出店するんですよね。
植田 そう! あれは俺なりの代田橋への愛情表現。あの辺の雰囲気すげー好きなんだ。店主のユウトは元々、筑波大生でラップもしてた。中村くんとかエスプラくんとかと同じように知り合ったのかな。卒業してまともな仕事に就いたと思ってたら、いきなり本屋を始めてた(笑)。いいよね、あそこもうちの店と同じ“ぽっと出系書店”。
――“ぽっと出系書店”(笑)!
植田 同業で先輩面ができる唯一の存在。ユウトも頑張ってるから応援してる。
――続いてライブアクトでYOSSY LITTLE NOISE WEAVER。
植田 今回、パーティを組んだきっかけはヨッシーさんたちなんだよね。開店以来、ほぼ毎年つくば市のどこかでライブをやってくれていて、「2023年の4月あたり、またやれないかな?」と声をかけてくれて、じゃあ「ピープルズ・パークに来てもらおう」と思ったんだ。そこからイメージを作っていった。
――いつもとは違うセットなんですか?
植田 今回は最小編成のデュオ・セット。ヨッシーさん、イッチーさんの鳴らす音は本当にいいんだ。俺は“耳が喜ぶ”と表現してるんだけど。じっくり楽しんでもらえたら。
――そういえば、小西さんは2018年にJET SETの「アーティスト・DJが選ぶ2018年ベストディスク!」という企画で、YOSSY LITTLE NOISE WEAVERの『GHOST/TALKING ABOUT LOVE』を“ダントツ1位”に選んでましたよね。
植田 おお! よくそれを言ってくれた! あの出来事があったから、今回は一緒に出てほしかったんだ。まだ、共演はしていないと聞いているし。
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