3月17日、金曜日。先週末に買い求めた随筆集がきっかけになり、西村賢太熱が再燃した。読んでいて快いわけじゃないのに、止められない。文章の魔力(魅力とも言えるが、ちがう)に取りつかれたように、むさぼっている。新刊、古本に関わらず、本屋に行けば「に」のコーナーを凝視して未読のものを探してしまう。
そもそも、西村賢太を知ったのは急逝後に編まれた『本の雑誌』2022年6月号の追悼特集。生前に興味を持たなかった作家に惹かれて、昨年中に何冊かを続けて読んだ。一読者として没入するにも力のいる、厄介な書き手に今また、引き込まれている。
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