レコードを聴くということは、過去に誰かがリリースし、しかし、聴き逃されたままにされてある声を聴き取ろうとすることだ。現在を形作っている、いまは潜在化している過去に耳を澄ますためのトレーニング。「覚えていないことを思い出すために(レコードとは何か?)」
大谷能生『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』が届きました。
2001年から2013年までに書かれたエッセイ、評論、日記を少数のフォント、複数の段組みで構成したヴァラエティ・ブック。かの晶文社スタイルに比べれば、控えめではあれど内容はなかなかに幅広い(デザインも超クール!)。個人的に出色なのは「大谷能生日記抄」。軽薄な文体で書き捨てたような数ヶ月の記録は、でたらめにグルーヴィー。これをもっと読みたい人は少なくないはず。
販売価格は1980円(税込)。端正な筆致の署名いり。
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