『Clan Caiman(カイマン族)』が届きました。
バンド名の由来となったワニの皮膚、その一部をズームアップしたようなジャケットに発見できるのは異世界への入り口を思わす不思議な裂け目。そこから漏れ聞こえるのは、カリンバフォンなる自作楽器とゆる〜いリズムで構成された抑揚のない奇妙な音楽。これが、聴けば聴くほどクセになる。この夏いちばんの発見となるかもしれません。
販売価格は2160円(税込)。来月にはアナログ盤も出るそうです。
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アルゼンチン音楽ファンには説明不要のマルチ・インストゥルメンタリスト作家、エミリオ・アロがこの10年で発表したソロ作『Panorámico』(2007)と『Estrambótico』(2012)は、音響派以降の新世代がフォルクローレ・リバイバルの影響下に制作した完全なスタジオ作品だった。しかし、ここにきてシーンのキーマンがあえてバンドを結成したのは極めて重要。南米のワニの名をもじったこの怪しいバンド名<カイマン族>のデビュー・アルバムとなる本作は、架空の部族の奏でる音楽を空想した、あるはずの無い秘境に流れる音楽というコンセプト。カリンバを改造したカリンバフォン(名前も最高!)というアロの自作楽器を中核に据え、ゆったりした波動でメローかつ幻想的に、徹底してミニマルに演奏されるバンド・グルーヴにはかなりの催眠性と中毒性がある。アルゼンチン音楽ファンだけに独占されるのはもったいない、ハイラマズやVIDEOTAPEMUSICのファンも絶対にハマること間違いなしのユル~いエキゾ幻想音楽!
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