2015/11/25

『日本のポータブル・レコード・プレイヤー CATALOG』


“こんな風にポータブル・レコード・プレイヤーに注目するようになったのは、ぺらぺらのソノシートを本格的なステレオ・セットで聞くのがどうもしっくりこないなと感じたことがきっかけでした。これらのレコードは、そもそもポータブル・プレイヤーで聞いていたのではないか。その方が体感的にとてもしっくりくるのです。”
-田口史人 (“みんなこいつで聞いていた!” より』)

“ポータブルで音楽を聴くと、ダブでも第九でもみんな同じになってしまう部分があるじゃない? その中で、差異を比べていこうということになるから、すごく民主的な装置なんだと思う。リー・ペリーでもカラヤンでも、同じ土俵に乗ることになるからね。これで聴くと、特別なものが無くなるっていうか。”
-湯浅学(“日本のポータブル・レコード・プレイヤーは、オーディオではない”より)

高円寺・円盤の店主、田口史人さんの新著『日本のポータブル・レコード・プレイヤー CATALOG』が入荷しました。
これはズバリ、タイトル通りの本。ページを開くと黎明期、全盛期、番外編と3つの括りに分けられたポータブル・プレイヤーが粛々と紹介されています。そこに機種によって分量は異なりますが、田口さんによる最小限のコメントが添えられる構成です。察するにこの本は質を「読む」というよりも、量を「見て」、なにかを感じられるように作られているのだと思います。なので、まずはとにかく手に取って本を開いてみてください。

「この本は、こうした「過去」と「物」との付き合い方をハード(プレイヤー)の面から試みたもので、ソフト(レコード)側からの話を『レコードと暮らし』(夏葉社)という本で書いていますので、合わせて読んでいただけたら幸いです」と、田口さんもあとがきで書いているとおりに『レコードと暮らし』や『三ツ沢通信』と一緒に楽しんでほしいです。本書の販売価格は2700円(税込)。総天然色でお楽しみ頂けます。

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