手をつっこんでつまみ出すと何が出てくるやらわからぬのが面白さであろう。そういう風に酒の詩をつめこんだ。整理整頓してもつまらないと思う。–富士正晴
この数年、探していて、ようやく見つけた。富士正晴・編著『酒の詩集 おさけにゃ ふかい あじがある』。冒頭の挨拶文と言うべき「はじめに」を締めくくる、上記の言葉に触れて、嬉しくなる。こんな風に書く人、今はそう多くない。
富士正晴の『桂春団治』を読むと、春団治というのは日本のジャズだなあという印象を、つよく受ける。ジャズの魅力というのは即興演奏でしょう。その即興演奏を支えるのは、弁証法なんだ。ジャム・セッションの音楽なんで、春団治の落語はまさにそうなんだ。人びとのジャム・セッションとしての話芸だったんですね。–長田弘
同時に読んでいた、長田弘×鶴見俊輔×なだいなだ× 山田慶兒『歳時記考』で見つけてオッと思った。富士正晴のその本、講談社文芸文庫版があそこの古本屋にあったはず。次に行ったときに買わなくては。
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