2012/10/21

『Rock "EXOTICA" Steady』


長久保寛之によるソロ・アルバム、『Rock "EXOTICA" Steady』。
これを聴くのが本当に待ち遠しい。曲目を見るだけでワクワクする。
ザラザラしてる。鈍く光る。音が揺れる。
いつかどこかで出会ったような感覚。懐かしい風景がみえるような気がする。
たぶん、そういう音楽だ。

うん。ボクはこんな音楽が大好きなのだ。
聴く前だけれど、確信してる。

以下、詳細。

***



HIROYUKI NAGAKUBO『ROCK "EXOTICA" STEADY』
2012年11月21日(水)発売
ROSE 142 ¥1,500(税込み)

トラックリスト
1.someday my prince will come
2.blue monk
3.me japanese boy
4.summertime
5.indian love call
6.mojo gun
7.still i dream of it
8.shangri-la
9.la mer
10.take the A train
11.smile
12.mojo gun blues


lake、曽我部恵一ランデヴーバンド、光風&GREEN MASSIVEでも活動するギタリスト、長久保寛之。本作『ROCK "EXOTICA" STEADY』は彼がこっそり録り溜めていたプライヴェート作品。盟友・小池龍平とのギター・インスト作品『GUITAR EXOTICA』(2012年)のレイドバックしたムードを踏襲しながらも、60年代のストレンジでエキゾチックなギター・インスト作品のような、同時代のジャマイカで吹き込まれたジャジーなロックステディのようなヴィンテージなムードをさらに強めた内容となっている。そして、そこには手作りならではの温もりも込められていて、長久保と小さなバーで酒を酌み交わしているような気分にさせられるのである。
 収録曲中9曲がカヴァー。[1]は“いつか王子様が”の邦題でも知られるディズニー映画『白雪姫』劇中曲。[2]はセロニアス・モンクの名曲。[3]はハーパーズ・ビザールらがカヴァーした楽曲で、作曲はバート・バカラック。[4]はガーシュウィン作曲のスタンダード、[5]はミュージカル 『ローズ・マリー』主題歌。[7]はブライアン・ウィルソンが70年代後期に書いたもの、[9]はベニー・グッドマンもカヴァーしたスタンダード、[10]は“A列車で行こう”という邦題でも有名なジャズ・スタンダード、[11]はチャールズ・チャップリンの映画『モダン・タイムス』劇中曲で、ナット・キング・コールらの名唱でも知られている。
 気取ったところのない、カジュアルなギター・インスト・アルバムではある。だけど、〈いい音楽を気兼ねなく演奏する〉というシンプルな喜びに満ちたその楽曲群は、リスナーにも〈聴く喜び〉を存分に与えてくれるはず。20年後もふと思い出しては聴きたくなるようなアルバム『ROCK "EXOTICA" STEADY』。そんな一枚と出会えて、僕は本当に嬉しい。
2012年9月 大石始

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