2012/10/17

書物雑感。


「チンケな客観よりもオレの独断!」

そんな言葉を吐いた、斎藤竜凰。
もの凄い人だ。本間健彦氏の『街頭革命』を読みながらしばし絶句。

「斎藤竜凰の街路を駆け抜けるツムジ風のような〈生きざま〉には、
ロックサウンドに似た叫びや狂おしさややさしさがあり、
彼はそういう評価をナンセンスと葬り去ったろうが、とても〈革命的〉であった。」

『街頭革命 新しい風を呼ぶ青春論』/ 本間健彦・著
『DO IT!  革命のシナリオ』/ ジェリー・ルービン・著  (田村隆一・岩本隼 共訳)
『ころがる石ころになりたくて』/ 火DARUMA BROTHERS

この三冊を同時に買えた喜び。そんな品揃えの古書店をみつけた幸せ。
しかもお手頃、よい値段。ああ、本当に素晴らしいお店だった。
またいくぞ。かならずいくぞ。どれもこれも読まなくちゃいかん。

読書は体験だ。
本棚は火薬庫なのだ。

人生を変える。道から外れる。どこか遠くに行ってしまう。
そんな可能性を秘めた言葉や人物と出会ってしまうかもしれない。
それぐらい、危険な代物なのだ。書物は。

図書館や本屋は、アブナい場所なのだぜ。

「活字の火焔ビンだ!」と『DO IT!』の帯にある。
「まず行動だ。分析はあとでいい」とも。この本は危険だ。
おそらく文中の"FUCK"はすべて「オマ○コ」と訳されている。
田村隆一・岩本隼による共訳が痛快。ブックデザインも秀逸。すべてがとことん生きている。
街に出よう。広場に集おう。そんな気分になってしまう

まったく有用でない熱情にとらわれること。
抗いようのない衝動に突き動かされること。ローマ蝋燭のように燃えて燃えて、燃えること。
一度にすべてを望むこと。意味不明の雄叫びをあげること。
それがすべてじゃなかろうか。

"passion"とは情熱であり受難である。
そんな話も思い出した。

書物雑感。

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