雑誌づくりの夢は、いつしか、経済の夢にすり替わってしまった。雑誌とは、単なる紙の束でもないし、広告を載せるだけの容器でもないはずなのに。(略)経験上言わせていただくと、「なんだかよくわからないけど、おもしろい」と言って、つくりあげようという精神がないと、雑誌はおもしろくならない。-赤田祐一(「はじめに」・『証言構成 ポパイの時代』より)
1月20日、水曜日。昨日の朝、前触れなく『証言構成 ポパイの時代』の一説が頭に浮かんだ。そう言えば、最近読んでいなかったと思い、家の本棚から取り出してパラパラとめくってみるとすぐ面白い箇所にぶつかった。上記のテキスト中の「雑誌」を「店」に置き換えてみると、なんとなく物足りなさを感じる状況を説明できるような気がする。ほどよくお洒落で経済的なバランスもとれた場づくりは珍しいことではなくなった。ただ、そういう場所には、数値化できないものの気配は宿りづらい。自分としてはその傾向を面白いとは思えない。
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