吉祥寺の「タムラ堂」から届きました。
第二版がPEOPLEでも大好評だった、絵本『夜の木』の第三版です。
各刷りとも千部限定。そのつど表紙は変わります。それがインドの版元である「Tara Books」の意向とのこと。
そして、今回の表紙は“12本の角のある木”。黒字に映えるエメラルドが目を惹く配色。
封入の『「夜の木」通信』も丁寧につくられています。
訳者である青木恵都さんによる『夜の木』との出会い、本文を訳すまでの経緯と工夫を綴ったエッセイには、思わず感服。
タムラ堂の田村実さんはもう、『夜の木』に導かれた人なのだなあと思わされます。この本と一緒に枝葉を伸ばしていらっしゃるんだな。
本書と併せて読んでみると、ぐっと沁み入る言葉に出会えるはずです。
『夜の木』は生きている絵本。
その手で触って、感じてみてください。
***
“完璧な佇まい。
この本は生きている。手触り、匂い、色合い、すべてが新鮮。
ゆっくり、ゆっくり、ページをめくる。静かな夜に、ひとり味わう。
感覚を研ぐような、贅沢な時間が訪れるはず。”
『夜の木』
シャーム/バーイー/ウルヴェーティ 青木恵都 訳
定価:3360円(税込み)
2008年のボローニャ・ブックファアで絶賛され、ラガッツィ賞(ニューホライズン部門)に輝いたインドの絵本The Night Life of Treesの日本語版が2012年7月についに出版されました。
発売するやいなや、たちまち品切れとなってしまい、ご迷惑をおかけしましたが、2013年3月に第2刷が出来上がってきました。
世界中で注目されたこの絵本は、中央インド出身のゴンド民族の最高のアーティスト、シャーム、バーイー、ウルヴェーティの3人によって描かれた木をめぐる神話的な世界です。
夜になるとその本性を現すという聖なる木。人々から畏れられ、また崇められている木。神が住むと言われる木。そのような木々が、ページを繰るたびに目を見張る美しさで次々と姿を現します。プリミティブでありながら洗練され、繊細でしかも力強く美しい世界です。
全てがハンドメイドという画期的な絵本。手漉き紙に、シルクスクリーンで一枚ずつ刷られ、製本は手製本。インドのチェンナイ郊外の工房で、一冊ずつ丁寧に仕上げられました、まさに工芸品とも言うべき絵本(シリアル・ナンバー入り)。ずっと手元においていつまでも眺めていたい一冊です。
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