2020/01/04

「自分の仕事」


「自分の仕事」

自分の仕事を見失ってはならない。
どんな暗い夜がこようとも
暗闇のなかで目ざめていると
静かにわたしの仕事が話しかける。
のとき、それはわたしを勇気づける。
歩きつかれて
ふいに初めをふりかえるとき、
小さなむかしのわたしが住んでいて、
やさしく、こみあげるものを教えてくれる。
美しいものは人目につかず、
すべてはまずしく小さい。
わたしはいつも内側をふりむこう。
そこから自分の仕事にいそしもう。
どんなに幼くとも
つねに中身だけのところから出発しよう。

−『菅原克己全詩集』(西田書店)より

年始にめぐりあったのは、あたたかくぬくもりのある本だった。
その320ページに置かれていたのが、「自分の仕事」(1975年刊行の『叔父さんの魔法』収録)。色々と考えること、考えさせられることの多かった年末年始だったから、一読して感じ入った。信頼する誰かに背中をポンとたたかれたような感覚を覚えた。大丈夫。いま、進めべき道を歩みなさい。そう励まされたのか、すっと気持ちが楽になった。

まさかの2020年。今年も本屋として、生きていく。人間らしく、生きていく。

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