2017/10/26

『杉並区長日記 地方自治の先駆者・新居格』


“天下国家をいうまえに、わたしはまずわたしの住む町を、民主的で文化的な、楽しく住み心地のよい場所につくり上げたい。日本の民主化はまず小地域から、というのがわたしの平生からの主張なのである。” (本文より)

『杉並区長日記 地方自治の先駆者・新居格』が届きました。
本書を刊行したのは虹霓社(こうげいしゃ)。光回線すら来てない富士山の麓(虹霓社HPより)に居を構える編集工房の立ち上がったばかりの出版部、その最初の仕事が戦後はじめての杉並区長・新居格が著した『杉並区長日記』の復刊とは、素敵な話です。アナキスト、ユートピアン、ドン・キホーテを自称する新居の区長時代の日記と覚え書き、小松隆二氏による小伝、大澤正道氏によるエッセイを収録しています。

販売価格は1728円(税込)。カバー、表紙のデザインは〈Irregular Rhythm Asylumを運営する成田圭祐氏。

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(杉並)区には学者、文化人、知識人達が多く在住しているのであるから、わたしはゲーテや、シラーや、ヴィーラントやリストの住んでいたワイマールのような、芸術的香気の高い地区にしてみたいと夢みた。-新居格

◉戦後はじめて杉並区民が選んだ区長はアナキスト⁉
敗戦後の廃墟と混沌の中、日本一の文化村を目指して杉並区の初代公選区長に就任、政治・行政の旧弊打破に挑み、小地域からの民主主義を掲げた破天荒でユニークな〝アナキスト区長〟新居格。彼が目指した理想の地方自治とは。区長在任わずか1年、苦闘の記録が約40年ぶりに待望の復刊。
◉地方行政・地方自治の先駆者として
忘れられた文筆家・新居を、地方自治・地方行政、まちづくりの視点からの復権を試みた小松隆二氏(慶応大名誉教授)による渾身の書き下ろし小伝「〝地方自治・地方行政の鑑〟新居格の生涯と業績−典型的な自由人・アナキスト」ほか、ユートピアンであった新居の知られざる一面を当事者が綴った大澤正道氏によるエッセイ「新居格と「世界の村」のことなど」の2編を合わせて収録。

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