2017/09/01

『埴原一亟 古本小説集』


夏葉社の新刊『埴原一亟 古本小説集が届きました。
「埴原一亟」と書いて、「はにはら・いちじょう」と読むそう。(おそらく)多くの方とおなじように、ボクもまったく知らない作家です。是非、ゆっくり繙いてみてほしいと思います。

販売価格は2376円(税込)。本書にあわせて、品切れていた『すべての雑貨』、『美しい街』も入荷しました。

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『埴原一亟 古本小説集』
著者:埴原一亟
デザイン :櫻井久
価格:2200円+税
版型:四六判上製
頁数:272頁


埴原一亟と聞いて知っている人は、よほどの
文学通だと思います。
読み方は、はにはら・いちじょう。
戦前に3度も芥川賞にノミネートされるも
いずれも受賞を逃し、古本屋や保育園を
経営しながら、ずっと小説を書き続けました。
この作家を知ったのは『昔日の客』のときと同じく、
京都の古書店「善行堂」主人、山本善行さんが
きっかけです。
「埴原はいいよ」と聞き、さっそく古本屋さんで
この作家の短編集を買い求め、そして作家の
実直な小説世界に夢中になりました。
小説は、おそらく埴原の実生活がベースになっており、
主人公は東京のはずれで小さな古本屋を営んで
その経営に四苦八苦したり、または「せどり生活」に
思い悩んだりします。
大傑作だとはいいません。
しかし、埴原一亟が描く小説世界にひたっていると、
文学はいいなあ、本はいいなあ、としみじみ思います。
日本の文学の片隅に、埴原一亟という作家がいた、
と知るだけで、きっと、なにか心に満たされるものが
あるはずです。
撰者は、山本善行さん。
ぜひ書店にてお求めください。

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