2016/11/10

『Spectator』37号への手引き(1)


“テレビやインターネットの情報をもとに書く記者が増えていることを懸念する。ハイテクはジャーナリズムを殺す毒だ。記者は「歩兵」であり、自ら歩き直接、聞いた話を書くべきだ。”
-ゲイ・タリーズ(坪内祐三『文庫本宝船』より)

“また、70年代に、アメリカで勃興した「ニュー・ジャーナリズム」という新しい「声」による文芸運動をとりあげた「ニュージャーナリズムとは音楽の世界でいえば強烈なロックなのだ!」という刺激的な記事もあった。ライターは、前出・北山耕平氏。トルーマン・カポーティ、ゲイ・タリーズ、トム・ウルフ、ハンター・トンプソン、そして日本では、『新・阿房列車』における内田百閒や、前出・坂本正治氏といった、新しい意識を持った書き手の動向について、6ページで紹介していた。”
-赤田祐一(赤田祐一『証言構成「ポパイ」の時代』より)

“鍵はね、たぶん〈声〉にある。その〈声〉をどうやって伝えるかということが、すべてのいろんなジャンルにおいて、アーティストみたいな人たちの仕事なんだと思う。だからその〈声〉を持ってる人は、類は類を呼ぶじゃないけど、呼び合う〈声〉によって引っぱられるし、その〈声〉はハートからハートへ伝わっていく。”
-北山耕平(北山耕平×曽我部恵一「それでも街で自立して生きるには」『Quick Japan』vol.55より)

“〈声〉—汎人類的な、ある種の人間が共通して持っている一種の意識。その意識に目覚めた者同士が同時多発的に繋がった時、文化的にも社会的にも巨大なムーヴメントが起こる。”
-北沢夏音(同上)

北山耕平を特集した『Spectator』37号への手引き、道先案内となるようなテキストを自分なりに選び、ここで紹介していこうと思う。いま、いきなり“ニュー・ジャーナリズム”と言われても、ピンとこない人のほうが多いんじゃないだろうか。でも、上に引いたゲイ・タリーズの「歩兵」の思想や、「ニュージャーナリズムとは強烈なロックなのだ!」なんて言葉があれば、読みすすめる上でヒントになるかもしれない。

もし、これらの〈声〉に少しでも興味をもってくれたなら『Spectator』を手にとってほしい。立ち読みでも構わないので、気軽かつお気楽に。そこでもし〈声〉を感じ取ってもらえたなら、とても嬉しい。どうにも抽象的な表現になるけれど、単純にワクワクしたり、忘れられないテキストをみつけてみてほしい。

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