2016/08/29

『アルテリ』二号


“天災は、ない方がいいに決まっている。とはいえ、世界のほんのかけらでしかない私たちは、それに抗うことは出来ない。しかし、出来事を乗り越えた後には、何かしらの恩恵があるように思う。”
-『アルテリ』二号 編集後記より

熊本発の文芸誌『アルテリ』二号が届きました。
熊本地震が起こる前に企画され、執筆依頼もしていたとのことですが、どの書き手もあの出来事をどこかで意識し筆をとったのでしょう。地震そのものを描かなくとも、人の生き死にをテーマにした文章がおおく綴られています。そして、そのどれもが潔く凛としています。語彙が貧困なボクには「美しい」としか言えない、平松洋子さんの“黒曜石”。新井敏記さんが故・星野道夫を語った“旅をするいくつもの理由”には胸を打たれ、心を揺さぶられました。小野由紀子さんの“ひとりということ 江上茂雄さんに”も素晴らしかった! それ以外も唸らされるものばかりなので、是非手にとってみてほしいです。

文学は、屈しない。ジタバタする。カッコ良い標語だなと思います。
自分の店に足りていないのは、文学なのだと自覚したばかりの身としては、この『アルテリ』が大変に心強い存在です。販売価格は1080円(税込)。

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『アルテリ』二号・執筆陣

石牟礼道子
渡辺京二
伊藤比呂美
平松洋子
新井敏記
高山文彦
吉本由美
坂口恭平
坂村岳志
小野由紀子
浪床敬子
田尻久子


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