2016/03/28

『ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア』


“象徴主義の詩人と同じようにコーネルも、経験は繊細で間接的な方法で喚起されるべきものだと考えていた。気質としても象徴主義者だった彼は、昼間よりも夜を、はっきりと見えるものよりも影を好み、真実を口に出すよりもその残響を大切にしていた。しかもコーネルはこの残響をいたるところに聞いた。他の人々が断片しか見ないところに連関を見た。物事のあいだに連関を見出そうとする強い衝動を持っていたコーネルは、人生を書物に、現代のマンハッタンを昔日のパリに、野生の鳩たちをはるか昔の芸人たちと結び付けていた。”
-デボラ・ソロモン(“第6章 新ロマン主義者の登場” 『ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア』より 林寿美、太田泰人、近藤学訳 より)

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