日本歌謡史の足元にある、「人々の歌」は、保存された「民謡」なんかじゃなくて、こうした町町で綿々と作られ続けているものであるはずです。” -田口史人 http://enbannews.blogspot.jp/
直島といえば、アートの島。このブログを読む人の多くはそう思っているでしょう。
ボク自身もそうです。でも、かつて訪れたときにかすかに感じ取った島の生活感も記憶の片隅に残っています。
とは言え滞在したのはせいぜい数時間。はっきり覚えているのは美術館、おいしかったうどん屋さん、焼き板の壁くらいなのですが。
そんな直島の、知られざる歴史を掘り起こし、形にしたのは高円寺「円盤」店主の田口史人さん。
本作『直島ミュージックスタジオ作品集』は、かの地にいまも(!)存在するレコーディング・スタジオで録音された楽曲集。
その中心にいるのは佐義達雄というお方。収録されたほぼすべての楽曲の作詞・作曲を手がけ、スタジオをつくった張本人です(いまも現役とのこと!)。封入されたブックレットに佐義氏へのインタビュー、スタジオの略歴が記されているので、その独自の足取りを追うことができます。
入荷を伝えたばかりの『レコードと暮らし』を読んだなら、きっと聞きたくなるでしょう。
ボクは本を読まなければ聞けなかった。でも、聞いてよかった。思っていたよりもずっと良い楽曲が入っていたから。
いや、生意気いってすみません。ここにはすごく良い歌が吹き込まれています。どの曲もけっして明るくはないけれど、たしかな温度を感じるんです。
直島にあったカルトなレーベル! とか、演歌や民謡はこう聞けば楽しめる! なんてノリではなく、これはただの良い音楽なんです。ひねらなくていい。そういう楽しみ方を田口さんはおしえてくれた。上述した本や、雑誌のなかで。
演歌というには乾いてる。「いわゆる“民謡”ではない土地の歌」。
販売価格は2484円(税込)。「直島ミュージックスタジオ」の楽曲群を是非、あなたにも体験してほしいと思っています。
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