私は今でも絶えず知らない人に話かける。それが未知の扉を開くことに他ならないから。
どこにどんな人がいるかわからないではないか。いつも言うのだが、恥ずかしがるというのは
知的怠惰のひとつでもある。怠け者になってはいけないと自分に言い聞かせる。
花粉が飛んで芽を出すように、どこでどんな一言があなたを冒険に誘うか、
また、あなたの一言が誰の心に一粒の種を蒔くか。すべては他人への一言から始まる。
私はいつも赤の他人に救われ、多くの人のお陰で今の自分ができあがった。
***
ヴァン・ゴッホやアルチュール・ランボーの天才を褒め称えるのもいいが、
私が興味あるのは毎日、駅やカフェですれ違う人々だ。私と同じ時代を生き、同じ空気を吸っている人々。
彼らの中にゴッホも北斎も必ずいる。知らないだけなのだ。
五感を開いて、未知のものに向かって、いつもスタンバイでいよう。
過去の天才の放った『ポレン(花粉)』は私たちを養ってくれたが、私たちもまた花粉を飛ばす。
花粉は肥沃の大地があれば、必ず芽を出し根を張る。
-ピエール・バルー (『サ・ヴァ、サ・ヴィアン 目をあけて夢みる者たち……』より)
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