2013/10/11

ポケット詩集


PEOPLEでよく売れている本、『ポケット詩集』のこと。
買いやすい値段で、内容も良い。文庫本の大きさでハードカバーのような体裁。
鞄に放り投げておけるし、上着のポケットにだって入れられる。とにかく道具として優れた一冊です。
つい最近、はじめて帯が付いたものを仕入れました。

この本に巻かれていた言葉、それが本当に素晴らしい。
以下に引きます。

昔の少年は詩をよく読んだものだ。
それも、とびきりの上等の詩ばかりを、だ。そしてよく考え、「足る」を知った。
みんなへっぴり腰を恥じて涼しげな目の下に、素朴な正義感をひそかにかくしていた。
子どもよ、そして子どもの心を持った大人たちよ、この時代にとびきり志の高い詩を読みなさい。

まさしくこれが詩だな、と。
編者である田中和雄さんのまえがきを書き換えたのかな、という内容だけれど、こちらも無駄がなく力強い。
田中さんは詩を愛し、頼り、救われ、ときに憎んだ人なのかなと想像する。
この本でも思い入れたっぷりに、良い詩ばかりを選んでくれている。
押し付けがましいと感じる人もいるかもしれない。

でも、それでいいと思う。
厳しくも優しく。存分に生きて、迷って、なにかを愛した人の言葉は信用できる。
ボクはそう感じている。「こうあるべき」と迷わずに断言してもらってかまわない。むしろ、それを受けとりたい。
で、受けとった後で自分でよく考える。簡単な答えは求めずに、ながくながく付き合っていく。
言葉ってのは、それくらいやっかいで、めんどうなもの。

いい詩というのは、詩人が自分の思いをどこまでも深く掘りさげて普遍(ほんとうのこと)にまで届いた詩のことです。
詩人の仕事は生きる歓びをうたうことです。いい詩はみな、生きる歓びにあふれています。(略)
気に入った詩にであったらなんども読み返し、時には声にだして読んでごらんなさい。
読み返すたびに、階段をおりてゆくように、真実の底にたどりつくでしょう。
生きていてよかった、と思う時が、かならず、きます。

いまこそもっと詩を読もう。もっともっと言葉に触れよう。
望んだ通りの結果も答えも得られないかもしれないけれど、本を開こう。
心の眼を開いてほしい。映画を観て、音楽を聴いて、誰かの話に耳をかたむけよう。なにかに思いっきり心を奪われよう。
ほんとは、そういうことが大事なはず。

・・・なんて、考えながらボクは店にいます。
気が向いたらあそびに来て、いろんなことを話しましょう。
好きで好きでたまらんことについて話して、ゲラゲラ笑えたら嬉しいです。
くだらないことも聞かせてください。

とにかくひとつ。
『ポケット詩集』はオススメです。

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