2012/12/12
未知のパリ、深夜のパリ
ともかくあったかい人柄らしい。どんな人とも愛情のある、しかし決してベタベタしない眼でつき合う。
乞食であろうが、ならずものであろうが、一個の人間として眺め、気がねまでする。実によく気のつく人なのだ。
基本的感覚としてこの人はオプチミストで明るい。のんきなところがある。
要領も決してわるくない。敏捷なところもある。ただのお人よしではない。
要するに友だちにしたいような人柄である。 (*1)
『未知のパリ、深夜のパリ』。
ブラッサイと出会った。
はじめまして、どうぞよろしく。
街を歩く。人を見つめる。彼の視線をのぞかせてもらおう。
なんだか楽しくやれそうだ。
ブック・ミーティング!
***
1930年代のパリ。
ここにもストリートワイズがあったのだ。
それはすなわち路上の知恵、歩く男の勇気と嗅覚。好奇心。
『北回帰線』にはブラッサイは写真家として登場し、夜のパリの案内人となる。
彼は「夜の夢遊病者」だ。彼は夜の詩人だった。(*2)
(*1) 「われらの道案内 ブラッサイ」飯島耕一
(*2) 「ブラッサイとロレンス・ダレル」 丹羽正
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