2012/12/17

『resveratrol』

photo:yuka ichimura

じっさい手にしてページをめくる—目に入る文句がいちいち良くて興奮して嬉しくて、
なかなか読み進められず。こんな状態、バシュラールの『夢見る権利』を手に入れた時以来かもしれない。
ちびちび読んでは機嫌よくしています。
文字を目で追う。ひとつひとつの「文字」が「言葉」「文章」になって脳が動いている感じ。
目玉って脳みそにつながっているんだと強く感じる。嬉しい。
単なる映画エッセイにとどまらず、人間にかかわる様々なこと(宗教、戦争、男女、国家)を丁寧に見つめた文章、すごく好き!
少しずつ読み進め、時々、奥歯でしっかりかんで滋味を確かめる。
読書はこうでなくっちゃ。

知人の市村友花さんが綴る、小冊子『resveratrol』より。
この生きた感じ。大好きなのだ。市村さんが身体ぜんたいで文字を追ってるのが伝わってくる。
たんなる文字が、言葉と文章に変換されるダイナミクス、いくつもの小爆発。
読書は体験だ。と思うところを、改めてつよくした。

おいしい言葉をひといきに飲み干す。
ぐいぐい、ぷはっと。これがしあわせ。

“リスベラトロールとは強い抗酸化力を持つ赤ワインやイタドリ等に含まれるポリフェノール”とのこと。
情報あふれるこの世のなかで、ぴりりと冴える見識。のびやかな好奇心。
はっきりとした独断と偏見。もっともっと活かしてほしい。

すごく好き!  そんな声が聞こえる小冊子。
次号もまた、楽しみでならない。

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