2011/04/05

友人からの便り


葉山で暮らす友人、toto君から便りが届きました。
山口県の上関、祝島への道中で思ったこと、感じたことがそのまま綴ってあります。
まっすぐに「いま思ったこと」が書いてあるのがいいなあと、ぼくは思ってます。
とにかく、言葉と感性が生きてるってのが大事でしょう!

そう、まだまだ。
これからでしょう。

***

「雲のうえ」というフリーペーパーがあって、創刊号に、
酒屋で立ち飲む「角打」のことが載っていた。
それから、ぼくはいつかふらりと酒屋に寄っては「角打」で一杯をやる男に憧れている。
今は関門海峡を渡り北九州を通り過ぎながら、これを書いている。

朝日が昇り、夜勤上がりの真っ黒の男たちが一人、また一人角打にやってくる。
日本四大工業地帯のひとつ北九州、高度成長日本の産業を支えたのはこの真っ黒の男たち。
手の皮は分厚く、爪の奥まで油が染み込んでいる指先。

時代は流れた。
地球資源は枯渇し、モノよりサービスが求められ、
誇らしげの黒くなる仕事が、ホワイトカラーに染められていく。

「角打」に一人、また一人真っ黒の男が酒を呑む。
仕事を終えた喉を、胃袋を、ハラをクッと熱くする。

ぼくは「角打」を通り過ぎる。
まだ手の皮はやわらかく、まだ、爪も指先も黒く染まっていない。
これから、これから、これからだ。

-toto (Peacenic)

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