門前仲町の酒場〈ほどほど〉に行く。店主が歩道をはき、のれんを出したのと同時に到着。「早いね」と驚かせる。いつも以上にゆっくり、しっかり食べてのむ。カウンター内のKさんとの会話もはずむ。おからサラダ、しめ鰯、すじぽん……どれもあっさりめの味付けで気が利いている。ほかにもいくつか食べたのだけど、覚えていない。
ビール、レモンハイ。それぞれ数杯。ほろ酔いで街をあるく。なんとなく入った書店で忌野清志郎『ロックで独立する方法』を買う。いつに間にか文庫になっていた。数年前にも読んだなあと思い、ブログをたどってみたら4年前のほぼ同日(3月9日)に感想をしたためていた。その悪文におどろく。
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午前中、東京駅までバスで出て、お茶の水にむかって歩いていく。目的地は喫茶店〈穂高〉、レコード店〈ディスク・ユニオン〉、カレーライスの〈ディラン〉。今日、この黄金三角形に〈トライ・ギャラリー〉が加わった。さらに、すぐ近くの〈ガイア〉でも幸運な出会いがあった(もはや五角形)。徒歩圏内に点在する店、場所、人に導かれるような感覚をおぼえた。
街をさ迷っていると、その迷路のような道すじで、ある時突然、まさに路上の賢者(ストリートワイズ)といえそうな人(物)に出会い、彼らの手招きによって、気がつくと、自分で目指していた以上の場所にいる。自分の直感を信じてアクションを起こさないとストリートワイズは生まれない。-坪内祐三(『ストリートワイズ』所収「ストリートワイズ 序にかえて」より)
ここで何度となく引いてきた、坪内祐三のストリートワイズ論。やはり、自分の導き手は直感なのだと実感する。「街を一つの大きな学習の場として、その学習の場を、時に自分を見失いそうになりながら、さ迷い歩いて行くうちに、獲得した知識や知恵、それがストリートワイズだ」とも、坪内さんは書いている。
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