2018/12/14
『実在の娘達』
福永信『実在の娘達』が届きました。
詳しいことは最下に転載する公式情報にゆずりますが、これは、本という容れ物を使った試みと言えるでしょう。小説家とデザイナーの類を見ない共同作業。登場人物のやり取りの間にある息づかい、ためらいが生む空白、時間の取り込み方がお見事です。文字やページの量に比例しない奥ゆきを感じられます。
販売価格は1350円(税込)。是非、現物を手にしてほしい一冊です。
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『実在の娘達』
小説家の福永信、5年9ヶ月ぶりの小説集。デザインは、今もっとも注目される仲村健太郎。
本書は普通なら厚みを持たない(書籍として成り立たない)掌編3編だけで構成されるが、各編の特徴に合わせてレイアウトし、読むだけでなく、見ること、めくることなど、本でしか味わえない世界を作り出した。
本書は、活版、写真植字+軽オフセット、DTP+オフセットと3種の異なる印字・印刷方法で仕上げている。時代を隔てた印刷技術を用いることで、紙面は、独特の風合いを醸し出す。読むだけでなく、印刷の変化を感じられるような、紙とインクでしか味わえない世界を作り出した。
奥付には、著者、デザイナーの住所を明記。共に「実在」していることを示す。実在の本屋さん、実在の読者と共に、昔の本のように、お互いが近くに感じられる著者とデザイナーでありたい。
http://www.nakamurakentaro.com/
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