2017/05/25

『これが「自由ラジオ」だ』


“自分たちもラジオをやりたいっていう人が何人かきたんだけど、ちゃんとしてなければできないって思ってるのね。設備もそうだけど、やることも何時何分から音楽とかね。だからここでやってるのを見ると、すごく安心しちゃうみたい。「ずいぶん気楽にやってますねえ」って。”
-話し手・平野公子 /「自由ラジオをどう考えるか」より

いやはや、痛快だ。粉川哲夫が編集した『これが「自由ラジオ」だ』を一気に読んだ。
小さくあれ。軽くあれ。自由であれ。自分が、店の運営、進行中のあらゆる活動をおこなう際の前提にしている意識に関する本だった。芹沢高志の『この惑星を遊動する』(および『月面からの眺め』)経由で手にとったからか、通読中にうかんだフレーズはこれだ。堅牢な計画よりも、柔軟な発想。実践しながら修正していく、心構え。芹沢氏いわく「計画とはその場、その時点での将来目安。変わりつづける現実を前にして、変えつづけることが前提である」(*1)

小さくなければできないこと(*2)
マイナーであるということは、虚弱であるということではない(*3)

小さな書物『これが「自由ラジオ」だ』に刻まれている言葉は、約35年後の商店主にだって有効だ。思考のきっかけ。視点の変換。好奇心に忠実であるための、少しの勇気。そういうものを与えてくれる、道具であり武器である。こういう本に触発されたのなら、すぐにでも動きださなきゃいけない。数年前まで、そんなことばかり考えていたんだよなあと、我に返って本を閉じた。

幕引きの引用は7年振りのボーナス・トラック。

本書の結論としては———

○情報過多の時代、理屈はやめろ。妄想で立ち向かえ。
○ステイ・アンダーグラウンド。メジャーになったらカッコ悪いと思え。
○DIY。レディメイドな雑誌ではなく、ハンドメイドな雑誌を。
○ジャニスの原理を想起せよ。
○無駄の中に真実がある。
○理想を捨てるな。
○週に一度は古本屋を覗こう。
○敵はシステムではなく、自分の中にある。(*4)

(*1)『この惑星を遊動する』(岩波書店)芹沢高志:「私が覚えたいくつかのこと」
(*2)『これが「自由ラジオ」だ』(晶文社)粉川哲夫編:「小さなアンテナがのびる」
(*3)同上:「解放のメディア」
(*4)『証言構成 ポパイの時代』(太田出版)赤田祐一:「あとがきにかえて 妄想戦から現実戦へ」

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